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ワクワク満載のジャガイモ栽培🥔 なぜ種や苗じゃない❓

家庭菜園界の人気者、ジャガイモ
植え付けから収穫まで、野菜栽培のあらゆる楽しい要素を備えた作物だもんね🥰 今回は、そのワクワクの一端を書いてみます。

うちの春夏野菜の栽培は、2月末の春ジャガイモの植え付けから始まります。まさに、春の到来を告げる作業❗

ジャガイモ栽培は、種をまいたり苗を植えたりするのではなく、種芋(たねいも)を畑に埋めてスタートします。

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写真は小学生当時の娘たち。芋を埋めるって、子どもにも簡単で楽しい😆

でも、なんでそうするんだろう❓
ここでちょっと、ジャガイモの変わった生態のお話を。

1.ジャガイモの「正体」

サツマイモの芋は根っこだけど、ジャガイモの芋は、地下茎。地中で茎の一部が膨らんで、栄養を蓄えている。塊茎(かいけい)というそうです。

ジャガイモは、もともと南米アンデス山脈が原産地で、何とナス科の野菜。
原種の芋は、今よりも小さく、黒ずんでいたらしい。品種改良を重ねて、現在の立派なジャガイモになった。
同じナス科でも、ナストマトピーマンなどは、開花のあと実をつけて種を落とし、自分が枯れても新たに種が発芽するという形で、子孫を残す。
ところがジャガイモは、花が咲くけどあまり受粉がうまくいかず、実も大きく熟すことなく落ちてしまって、種を残すことが下手💦
それに、種をまけば一応芽が出て育つけど、大きくはならないそうです😢

その代わりにジャガイモは、元の茎や葉が朽ちた後、地下茎の一部(塊茎=芋)に栄養を貯めこんでおく。そして、そこから新しい芽を次々と出し、その栄養を使って茎を伸ばしていく。
こうして、元の個体の「分身」たちが新たな茎や葉を伸ばし、それらの地下茎がまた芋になって次世代のために栄養を蓄え・・・というふうに代々継がれていく。

そーか、ジャガイモの芋って、自分のクローンを無限増殖していくための器官だったんだ😮 だから種まきじゃなくて、種芋を植えるんだ❗

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↑ちょっと見にくいけど、ジャガイモを収穫した時の写真に、夫が説明を書き込んでみました。
①種芋から地上に②茎が伸びて、その付け根からは③ストロンという白くて細い茎が、地中に伸びる。④根もその辺からちょろちょろっと伸びる。ストロンの先に⑤塊茎が膨らんだら、それを芋として収穫する。面白いでしょ😃

ちなみに、地下茎で繁殖するっていうのはそんなに珍しい生態じゃなくて、畑の作物だとサトイモキクイモショウガも塊茎ができ、それを種芋や種生姜として植えます。また、スギナ(土筆になるやつ)やハマスゲ(以前のブログ参照)などのしつこい雑草、竹や笹とかも地下茎をはびこらせます。

2.ジャガイモの特性と種類

ジャガイモは、南米の高地が原産ということもあって、冷涼で乾燥気味の痩せた土地でよく育ちます。
かつてジャガイモが南米から、そういう風土のアイルランドや北ドイツにもたらされ、貴重な食糧として栽培が広がったというのは、有名な話。
日本でも、ジャガイモの主産地といえば涼しい北海道ですよね。

ジャガイモの栽培期間は、けっこう短い。
春の2月末~3月頃に種芋を植えて、6月初めにはもう収穫します。
暖地だと、これに加えて秋にも栽培できて、いわゆる二期作が可能。うちの畑(愛知県)でも、春ジャガイモ秋ジャガイモを作ってます。

色んな品種があります。有名どころは…
🌸主に春ジャガ用: 男爵、メークイン、キタアカリ
→いずれも北海道由来のもの。男爵とキタアカリは粉質(ホクホク)、メークインは粘質(モチモチ)の食感。
🍂主に秋ジャガ用: デジマ、ニシユタカ、アンデスレッド
→暖地用だからか、いずれも西日本由来のもの。デジマは粉質、ニシユタカは粘質、アンデスレッドは中間。(トップの写真はデジマとアンデスレッド)

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↑先月、近所のホームセンターで売ってた、春ジャガイモの種芋3種。
ちなみに、食べる用に売ってるジャガイモは、病気になりやすいので種芋にしないほうがいいそうです。

3.春ジャガイモの植え付け

最初の話に戻って、ここからは春ジャガイモの栽培について。
家庭菜園では色んなやり方があるらしいけれど、うちのやり方をご紹介しますね。(秋ジャガイモだと少し栽培方法が違いますが、ここでは省略)

2月上旬、種芋を買ってきて、雨の当たらないベランダで、芽が多いほうを上にして並べ、日光浴をさせます。
よほど寒い日でない限り、ずっと外に出しっ放し。
こうするとジャガイモの芽出しが進み、畑に植えたあとの成長もそろいやすい。浴光催芽(よくこうさいが)というそうです。

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↑買ってきたときの様子。左がメークイン、右がキタアカリの種芋です。

それが2月末、畑へ植え付ける頃には、こうなりました。↓

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おおーっ、バッチリ芽が出てきた❗ (色が違って見えるのは天気の関係)

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ジャガイモを植える土は乾燥気味が良く、水はけが悪いと埋めた種芋が腐ったりするので、畑には高めの畝を立てます。
去年と同じ場所に植えると病気になりやすい(連作障害という)ので、場所を変える。また、アルカリ性の土も病気になりやすいので、耕すときは石灰を入れず、酸性の土にするそうです。なかなかヤワだね。

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そこへ30㎝間隔で浅く穴を掘って種芋を並べその周囲へ、芋に直接触れないようにして、少量の元肥(もとごえ)をパラパラとまく

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薄く土をかけて種芋を埋めたら、ここがポイント。畝全体を黒いマルチシートで覆ってしまいます

ええっ😲 それじゃあ、どうやって地上に茎や葉が伸びるの❗❓
心配ご無用。3月後半になったら、ジャガイモの芽が土から出てくる。マルチシートの表面をさっとなでると、下の写真のような突起があるので、そこだけ破いて、芽を出させるんです。

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デターーー(゚∀゚)ーーー🙌🙌🙌
先週の写真。畑やってて嬉しい瞬間の1つです💗

ちなみに、夫が春ジャガにマルチシートを張るようになったのは、5年ほど前から。メリットがたくさんあるんだって。
(1)保温 涼しい気候がよいとはいっても、3月だと寒過ぎる日もある。霜が降りることもある。地温をある程度上げて、発芽や成長を促す。
(2)雨除け 乾燥好きなので、ずぶ濡れになって種いもが腐るのを防ぐ。
(3)日除け ジャガイモの芽には「ソラニン」という毒があるのはよく知られたことですが、新たに出来てきた芋がうっかり土から露出して日に当たると、芋全体が緑色っぽくなって、ソラニンが生まれてしまう。マルチがあれば、土寄せをしなくてもそれを防げる。
(4)草除け これから暖かくなると雑草が生えてくる。マルチで日光を遮ると、雑草が生い茂るのを防げる。

4.春ジャガイモの栽培、この先

ここから先の写真は、すべて去年のものとなります。
順調にいけば、もうすぐ3月末には、このように芽がきれいに出揃います。

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ここからもう少し伸びたら、芽かきといって、1株ごとに立派な茎2~3本を残して、あとの茎はすべて引きちぎってしまう。これをすることで、収穫する芋の数が減り、栄養が集中して芋が大きくなるんだそうです。

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ジャガイモの花が咲きそうになった頃には、マルチシートを剥がして、パラパラと追肥をし、芋を傷つけないよう軽く周囲の土をほぐして空気を入れ(中耕という)、芋が露出しないように土寄せをします。
この時、土の中からチラッと姿を見せた芋に、またもワクワク。収穫に向けて期待させてくれるんだよな~💗

5.芋掘り大会🥰

そして6月初め。茎葉が黄色くなってしおれ、倒れてきたら、ついに収穫の時期となりまーす❗
できれば梅雨に入ってぐちゃぐちゃになる前に、収穫を終えるのが理想。

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写真は去年6月のジャガイモ掘り会。知り合いのご家族を招いて、皆でわいわい収穫しました🥔🥔🥔(ついでにタマネギも収穫)

ジャガイモ掘りって、子ども向けのイベントとして盛り上がるのはもちろんのこと、大人たちにとっても結構気分が上がるんだよね🤗
土に隠れて見えない芋を掘り出すのって、宝探しのようなワクワク感があるからね。わぁ、これでかーーい❗❗とか叫んだりして。

そして、最後のワクワクはもちろん、美味しくいただくこと🍟🥘
でも、長くなっちゃったので、ジャガイモ料理の話はまたの機会にしますね。お楽しみに~🥰


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