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アフターコロナでも楽しめる映画を紹介!佐橋篇(前編)

「多元追憶ストライクエンゼル」副監督テラコヤ氏(@trky7919)が外出自粛中でも楽しめる映画紹介をやっていたので便乗します。
彼はこんな風に書いています。

新型コロナウイルスがぼくらの生活に影を落として3ヶ月余。
テレビドラマや映画を観ていて、とある違和感を覚えるんです。
教室で授業を受ける学生や、会議室に集まって難しい議論をする人、コンサートを楽しむ人...。こうした人が映るたびに、「ソーシャルディスタンス」や「三密」といった文字列が頭の中を走る。
アフターコロナの時代、ぼくらの価値観はきっと大きくシフトしています。人が集まって何かをするという光景が恐らく気持ち悪くなっていく。
もう、ビフォーコロナ時代の映画に没入して楽しむことが難しくなるかもしれない...。
そうした考えがこの記事の発端。そういう悲観は簡単だけど、でも昔の作品は変わらず好きでいたいし、気軽に観たい。
そこで思いつきました。
アフターコロナ時代であっても違和感なく楽しめる過去作を共有しよう、と。

アフターコロナ時代というパンデミックに遭っても尚人間は娯楽を求めます。小さなウィルスにとっては文化など無駄、贅肉に過ぎません。しかし、だからこそ文化の恩恵を、文化から得られる勇気と希望を忘れずにいたい、僕はそう思います。テラコヤ氏はアフターコロナ時代に馴染む作品紹介をしてますが、僕はそんな時代にも勇気と希望をくれる映画を10(+1)タイトル紹介したいと思います。
僕は映画の番付評価が苦手なので、評価順番はほとんど関係なように書こうと思いますが、構成としては先に進むほど佐橋の思い入れの強い作品だと思ってください。また、タスキを頂いたテラコヤ氏の選定より少しマニアックな作品が多くなっておりますが、僕の文章の読者層を考慮した選定をしています。

それではどうぞ。

①超劇場版 ケロロ軍曹

先日久々に見直して昨今の情勢(や佐橋自身の人間関係の情勢)もあってジーンと来た映画です。地球侵略を目論みつつ地球人の少年日向冬樹と友情で結ばれたケロン星人のケロロ軍曹、この物語はそんな二人がガンプラを買いにお出かけするところから始まります。そんな楽しい買い物の帰り道、二人は謎のほこらを見つけ、そこにあった壺を手違いで壊してしまいます。するとケロロや冬樹を始め、街に住む人々の身体の一部に×印が刻まれてしまいます。その×印、最初はテレパシーでお互いの感情を伝えることができる超能力が身に付いたと街中で大ブーム。しかし次第にテレパシーは人間のネガティブな感情だけを送受信させ始めてしまうのです。ケロロ軍曹や冬樹を始め、登場人物たちの信頼はその×印の送るネガティブ感情によって次々とちぎれさってしまいます。そしてそのネガティブ感情は古代兵器「キルル」を復活させてしまうのでした。キルルを倒すには地球人とケロン人の団結が必要不可欠、ケロロと冬樹の信頼が試されるのです。
「ウルトラマンメビウス」の台詞にこんな台詞がありました。

信頼というのはね、築くのは大変だけど、壊すのは怖いほど簡単なんだ

ケロロ軍曹もウルトラマンメビウスも地球人と異星人の友好という視点から、信頼、友情、絆を描いてきた作品でした。人と人とが顔を合わせなくなり、テレワークや、SNSだけのやり取り、外出自粛によって他者との関わりが少なくなり、個と個の繋がりが浅くなってきているのは明白です。そんなときだからこそ、築いてきた人間関係が脆くならないようにネガティブな感情を拡散してはならないように思います。ネガティブ感情の拡散が人間関係を停滞させ、やがては崩れてしまう。それがただの独り言だとしても、それは蓄積されてやがては暴走してしまうものです。そんな時こそ、シンプルな友情劇を見ることで、共に手を繋いでいる友達や仲間達のことを思い出しましょう。
この映画は次のような台詞でクライマックスを迎えます。

冬樹「いつだって、何度だって付き合うよ!また一緒に(ガンプラを)買いに行こう!」
ケロロ「いつもと違う回り道をして探検しながら!」
冬樹「で、不思議なほこらを見つけたりして!」
ケロロ「もうバッテンは懲り懲りであります!」
冬樹「そうだよね!今度はちゃんと軍曹の話聞くから!」

34分09秒からの音楽が最高です。

②アベンジャーズ

僕、佐橋龍はこれまで人型のものが(特に厳つい男が変なスーツ着て)アクションする映画にほとんど興味なく育ってきました。無論仮面ライダーや戦隊もの、ウルトラマンは大好きでしたが、その心はマーベル作品にまでは至っていませんでした。なのでどんなに勧められてもアイアンマンやキャプテンアメリカをはじめとするマーベルユニバース作品はほとんど触れず、食わず嫌いをしてきました。
つい先日4/12、アイアンマン、トニー・スタークの吹替を担当されていた藤原啓治さんが亡くなられました。このニュースに触れたファンの方々と同じく僕も藤原さんの訃報に悲しみました。そんな時ふと目に入ったのが、「多元追憶ストライクエンゼル」でデザインワークを手伝ってもらっているゆば大先生から借りた「アイアンマン」でした。以前見たときには上記の理由から流し見程度でどこか作品をシャットアウトしているようでのめり込めませんでした。しかし藤原さんの演技を見たい、聴きたいと、気がついたら「アイアンマン」を食い入るように見ていました。そして藤原さんの演じるトニー・スタークをもっと見たい!と、ついにマーベルユニバースの世界へ足を踏み入れました。
そこで初めて見た「アベンジャーズ」、これは紛れもなく勇者達の「団結」の物語でした。今作の敵の親玉であるロキは結成前のアベンジャーズメンバーを一人一人罠にかけていきます。時に結成前のアベンジャーズは言い争いによって空中分解しそうにもなります。しかし宿敵ロキのせいでニューヨークは滅茶苦茶になります。ヒーロー達は葛藤やそれぞれの想いを抱きつつ、命令無くニューヨークに集ます。そして目的はただ一つ、ロキを倒してニューヨークを救う、それだけの目的でバラバラだったアベンジャーズは団結します。団結したアベンジャーズにはもはや敵はありません。彼らはロキを捕らえ、異次元のゲートを塞ぎ、ニューヨークを救ったヒーローになります。
ニューヨークに集ったヒーロー達は皆良くも悪くも人間味あるれる者ばかりです。そんなバラバラな人々が団結することでその力は何乗倍にもなって脅威を断つ。これは何も戦いや戦争だけの話ではありません。人間何をするにも団結が一番の力何です。
確かに人と会わない、外出自粛をきちんと行うことも「団結」です。しかし、人と人とが力を合わせることを忘れてしまってはいけません。
「アベンジャーズ」エンディング後のラストカットのような世の中を目指して戦い、団結することを忘れずに生きていきましょう!

③宇宙戦艦ヤマト復活篇ディレクターズカット版

色々と言われている「宇宙戦艦ヤマト復活篇」、しかし僕は敢えてこの復活篇、特にディレクターズカット版を勧めたい。
ヤマトは地球を救えずにその物語は幕を下ろします。しかしそれはどうしようもない自然災害がもたらした逃れようのない結末として描かれます。ただ主人公古代進はヤマトの艦橋で一人地球の生存に希望を抱きます。移動性ブラックホールに沈んだ地球は天の川銀河中心部で観測されたとの情報を得たからです。どんな状態になろうとも、地球は必ず復活する、そう信じる古代は最後にこう号令します。

古代「ヤマト、地球へ向けて発進!」

「宇宙戦艦ヤマト」という物語はいつでも地球を救ってきました。それは同時に「戦争で滅茶苦茶になってしまった古き良き時代を取り戻す」戦いだったと言ってもいいでしょう。「宇宙戦艦ヤマト復活篇ディレクターズカット版」はシリーズで初めてヤマトが地球を救うことが叶いませんでした。しかし古代は絶望しない、再び地球を取り戻すために、ヤマトを銀河中心部へ旅立たせます。
アフターコロナ時代、テラコヤ氏はもはやビフォーコロナには帰れないと論じていますが、ビフォーコロナ時代は僕らの心の中にあります。取り戻そうという強い意志さえ働けば、僕らはヤマトのように人類を新型コロナから救い、以前の文化をも取り戻すことができるでしょう。それには強い心が必要なのです。

④ローグ・ワン スターウォーズストーリー

スターウォーズと言えば皆さん必ず心に引っかかるタイトルだと思います。僕の場合「スターウォーズ帝国の逆襲」がお気に入りでした。この「ローグ・ワン」が現れるまでは…
物語は最初のスターウォーズ「スターウォーズ新たなる希望」の直前までの前日弾となっています。大量破壊兵器「デス・スター」の設計図を盗み出し、反乱同盟軍へ送ったスパイ一味の話です。
遠い昔に作られたスターウォーズ最初に三部作では第一作のオープニングクレジットでその存在が12行だけ書かれているだけで、スカイウォーカーとジェダイ、シスを巡るお話にはほとんどお話的な関係はありません。しかしスターウォーズシリーズの主人公ルーク・スカイウォーカーがデス・スターを破壊できたのも、フォースを信じた信じない以前にデス・スターの設計図を盗み出した決死隊「ローグ・ワン」の存在無くしてあり得ませんでした。
ローグ・ワン、彼らはスターウォーズの大きな歴史から見ればたかだか2時間ちょいと12行の存在です。しかし彼らがいなければスターウォーズのストーリーは成立しなかった、これは今最前線で新型コロナへの対応に当られている医療従事者の方々の物語のようにも感じられてなりません。ローグ・ワンの優れた任務遂行能力が無ければスターウォーズに後の歴史が生まれなかったように、今新型コロナと戦っている方々がいます。例え新型コロナが拡大しようと終息しようと、彼らは今戦っているのです。彼ら医療従事者の方々への敬意を評し、健闘を祈る。そんな想いを抱くきっかけが映画であってもいいはずです。人知れず戦う人々を描くのも、映画のひとつの本質なのです。
そこでもう1作。

⑤ローレライ

この作品は日本版「ローグ・ワン」と言っても過言ではないでしょう。
1945年、東京への第三の原爆投下を防ぐために戦う伊507潜水艦とその乗組員達の戦いを描いた映画。この映画の最大のテーマは「子供達が誇りを持てる日本を生き残らせる」、これに尽きるでしょう。今は戦うことしかできないかもしれない、でも自分たちの残した子供達にとっては誇れる美しい国であってほしい、そう願って伊507の艦長は部隊を率いて第三の原爆を積んだB-29が飛び立つテニアン島で決死の戦いを挑みます。それは「全員で生きて祖国へ帰る」という艦長のもうひとつの強い想いを削りながらでなくては戦いきれない地獄巡りです。一人逝きまた一人…と。それでも艦長は「日本を残す」という強い想いによってその地獄巡りを完走します。生き残った日本が果たして良い世界なのか否か、それは現代、令和の我々でもわかりません。しかし艦長がそうしたように、今の日本を残し次の世代へ渡す、そうすることでより良い国を作ろうとする、それは小さなことからでも始められます。アフターコロナ時代という寂しい時代を迎えた、あるいはこれから突入してしまう中で、僕らに残せる文化や想いを必死で残していきましょう。

本日はここまで、後編は期間を空けずに投稿したいと思います。
次回もよろしくお願いいたします。


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