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【読書記録】護られなかった者たちへ 中山七里

以前から気になっていた中山七里さんの本をようやく読むことができました。

護られなかった者たちへ 中山七里

終盤からの展開のスピード感がよく、犯人の正体はそこにつながるのか!という展開も楽しめました。

読み終えてから、改めて読み返すと、ここが伏線なのかと気づくところが多く、日本の生活保護制度の問題と人間の二面性など、作品のテーマも好みでした。 

作中のけいさんの以下のセリフがとても印象的でした。

厚意とか思いやりなんてのは、一対一でやり取りするようなもんじゃないんだよ。それじゃあお中元やお歳暮と一緒じゃないか。あたしやカンちゃんにしてもらったことが嬉しかったのなら、あんたも同じように見知らぬ他人に善行を施すのさ。そういうのが沢山重なって、世の中ってのはだんだんよくなっていくんだ。

護られなかった者たちへ 219P

こういう人たちであふれる世の中になれば、護られない人たちは減るのかもしれない。


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