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読書記録

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2024年1月の記事一覧

「硫黄島上陸 友軍ハ地下ニ在リ」書評 緻密な取材から明らかになる硫黄島の真実

「硫黄島上陸 友軍ハ地下ニ在リ」書評 緻密な取材から明らかになる硫黄島の真実

第二次大戦の激戦地、硫黄島には未だに一万人の日本兵の遺骨が取り残されている。

一般人の上陸が制限されている硫黄島に、遺骨収集団員として4回上陸した著者は、北海道新聞の記者だ。また、硫黄島から送信された最後の電報を受けた父島の兵士の孫でもある。

硫黄島で戦死した日本兵は二万人。その内、遺骨が見つかっているのは一万人だけで、残りの一万人は戦後70年を過ぎても見つかっていない。

なぜ、見つからない

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「そして、バトンは渡された」書評 引き継がれる無償の愛

「そして、バトンは渡された」書評 引き継がれる無償の愛

2019年本屋大賞受賞作で映画化もされているベストセラー。

主人公の高校生の優子は、「森宮さん」と呼んでいる父親と同居している。
「森宮さん」が張り切って作る手料理に、感謝しつつも、本当は朝からカツ丼は食べたくない、とは言えない優子。

それもそのはずで、森宮と優子の間に血縁関係はなく、優子が高校生になってから一緒に暮らしている。

優子の産みの母は幼い頃に他界し、血のつながった父は海外赴任。父

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