思った以上に熱い人間ドラマだった!〜俺たちの箱根駅伝〜
こんばんは、moikoです。
学生を卒業して以来、スポーツと無縁の私ですが見るのは好きです。
最近では初めてプロバスケットボールを見に行きました。あまりのエンタメ化された試合にびっくり!
けど、結局好きなのはおうちでぬくぬくしながら、テレビでの観戦(笑)細かいところもよく見えるし、解説も丁寧にしてくれるから分かりやすいし。
選手達のエピソードなども聞くと、知らなかった選手でも身近に感じながら応援することができますよね。すごいなと思うのは、マラソンの増田明美さんが解説する選手エピソード。どんだけの取材努力をしているのかな。
さて、マラソンと言えばこれからのお楽しみは箱根駅伝。皆さんは見ていますか?私は何だかかんだ言いながら毎年見ています。(全部でなくとも)何か見ないと落ち着かないんですよね。母校も出ていることが多いので、つい気になってしまう。
今、池井戸潤さん著『俺たちの箱根駅伝』を読んでいるんですよ。下巻あと少しで読み終わります。図書館で100人待ち位で上巻を借りてから、また100人待ち位でやっと下巻が借りられたのが上巻を読んでから2か月後位。上巻の内容忘れちゃってるよ、なんて思いながら読み始めました。
上巻の半分位からぐいぐい引き込まれて、
とにかく熱い!熱い!熱い!
人間ドラマが熱い!
物語は学生連合チームの話と、箱根駅伝を放送するテレビ局サイドの話と交互に描かれる形で進んでいきます。どちらの人間ドラマも熱い!
学生達はそれぞれ色々な事情を抱えていて、連合チームに集められた学生達も単純に箱根を走れて「嬉しい」だけではなく、監督側にも色々な事情があったり、登場人物全員思いもそれぞれ。マラソンといっても、「駅伝」は全くの別物で、選手一人一人の個性をふまえて走順を決めたり、細かい作戦があることも知りました。
一方、放送する側も一筋縄ではいかない事情がある。箱根駅伝を問題なく放送するために、テレビ局の人達がこんなにたくさん下準備や工夫、苦心をして放送してくれているんだなぁと感心しました。プロスポーツは当然のようにエンタメ化できるけど、アマチュアスポーツはそういうわけにはいかず、視聴率やスポンサーの問題もあるし…。そういう難しさもあるんだなと。
なぜ人は走るのか。(同じく、なぜ山に登るのか。)
私はお金をもらってもマラソンなんかやりたくない!と思うほど苦手なので、苦しみながら走る人の気持ちは分からないかもしれません。でも、
苦しみながら走っている時、
走り終わった先に、
体感すること、感じることが
体験した人だけなのかけがえのない物なんだ
と、この本を読みながら感じました。その懸命な気持ちが周囲に伝わるから、あんなにも沿道のお客さんが応援してくれるのではないでしょうか。
そして、それはきっと、誰しもが"何らかの形"で持っていることなのかもしれません。
下巻は、箱根駅伝を実際に走るパートです。読みながら、気がつくと涙が出てしまう箇所がたくさん!情景描写も心理描写もとても丁寧で細かくて、まるで自分も箱根を走っているチームの一員かのよう!
作中1番じんと来たのは、「世の中にはどうでもよくても、俺たちにとっては違うんだよ」というセリフです。この小説のタイトルとテーマを物語っているようだなぁ。
池井戸作品は映像化されているものが多いので、この本も読みながらドラマ化されたらこんな感じかな…と想像しながら読んでいます。(絶対ドラマ化して欲しい!)青山学院大学とか原監督とか実名で出ている学校や人もあって、読み進めると「ああ、これは何年前のこの大会のかな」ってエピソードもあったりして、きっと箱根駅伝マニアの人もそうじゃない人も楽しめる本だと思います。ちなみに、多分自分の母校はライバル校(敵役)で悪役っぽい立ち位置だと思うので複雑な心境です(笑)
いつも上位のチームしか注目せずに見ていた箱根駅伝でしたが、今年は各チームの選手データ(新聞に載るので)も参考にしつつ、学生連合にも注目して最初から最後まできちんと見ようかなと、お正月の観戦を楽しみにしています。
この本を読めば、きっとあなたも箱根駅伝が見たくなると思います。今からでもまだ間に合いますよ!(図書館100人待ちじゃなければ)