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ご縁を大切に。「ワクワクを一緒に作りませんか?」から始まった移住生活。 / 江種 里榮子さん 

 皆さんこんにちは!
「与謝野町移住支援窓口-364-」です。
 与謝野町に関わりがある方々にインタビューを行い、暮らしや日常に関する情報を発信します。
 第2弾は、地域おこし協力隊として与謝野町移住を決め、現在はデザインのお仕事と移動販売”エグcafé”で活躍されている江種 里榮子(えぐさ りえこ)さんに与謝野町の暮らしについてお聞きしました。

▽与謝野町移住支援窓口-364-とは「特別な日より、日常を伝える」をコンセプトに掲げ、与謝野町への移住促進につながる多様な関わり方を提案させていただきます。1年は365日ありますが、観光やイベントなどで与謝野町を訪れたり 関わったりするようないわゆる「特別な1日」よりも、それ以外の「364日の与謝野町の日常」に関する情報を移住希望者にお届けしたいという想いを込めて「364(さんろくよん)」と名付けました。

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江種 里榮子(えぐさ りえこ)
京都府京都市出身。2015年より与謝野町にIターン。
e.g. u. 代表 /エグcafé -その一杯にたどり着くまで-

■「ワクワクを一緒に作りましょう」

-与謝野町との出会いを教えて下さい!
 2015年の8月の始め、面接を受けるために初めて与謝野町を訪れました。田園が広がっていて、空が広いのが印象的。与謝野駅で自転車をレンタルして、まず与謝野町を知るために南の方の加悦地区にある観光協会を目指し、それから、北の海辺近くの岩滝地区にある面接会場へと向かいました。サイクリングロードをメインに走っていましたが、日差しを遮るものがなく、京都市内の街路樹いっぱいの道が恋しく思われました。町の人たちにとっては、車移動がほとんどなので、道々に木がないことに違和感ないのが当たり前のようでした。

-移住を決定づけた出来事はありますか?
 「ワクワクを一緒に作りませんか?」これは移住を悩んでいるときに町の担当者から言われた一言で印象に残っています。自分が大切にしていることとの共通点と、町がこれだけ前向きな姿勢ならなにかできるんじゃないかと思い移住を前向きに考えるようになり、地域おこし協力隊として、与謝野町への移住を決めました。

-与謝野町に来てからはどのようなことをされたのですか?
 はじめは与謝野町の地域おこし協力隊として、町内にある道の駅エリア活性化のプロジェクトに携わっていましたが、道の駅の閉店に伴いプロジェクトも消えてしまいました。
 それと同時に、ほかにも地域づくりのワークショップに参加したり、丹後地域一帯や、与謝野町を深掘り探検したり、地域の魅力と課題を見つめる機会をたくさん頂きました。
 また、地域団体の活動のお手伝いやエグCaféでイベント参加することにより、地域の方々と親交を深めていくことができました。


■その一杯にたどり着くまで -移動販売を始めたきっかけ-


早朝の日の出を拝む『夜明けのサイレントカフェ』にて 
Photo by 糸井 孝繁

-エグCaféは、どのように生まれたのですか?
 いろいろな地域の活動に参加していく中で、ちりめん街道のお祭りのお手伝いをする機会がありました。
 その準備の中で地域の方に「エグエグは、なにができるの~?」と尋ねられ、何ができます!とも言えないけれど、もともと趣味だった「コーヒーを淹れることぐらいでしょうか~」と言ったのがきっかけとなりました。
「エグエグが淹れるコーヒーで『エグかふぇ』ね。」と名付けられた何気ないネーミングが、気づいたら浸透して様々なイベントに呼ばれるようになりました。
 「エグCafé」という字面にしたのは、フランスのカフェ文化にあるオープンテラスで気軽にくつろぐ人々のイメージが心に浮かんだので「café(きゃっふぇ)」にしましたが、「エグカフェ」というゴロが良いという声を耳にするのと、自身のサインのマークを活かそうと「エグ」の部分は、カタカナ(正しくは、「エ」にウムラウトのちょんちょんが付いたクマの顔をイメージ)にしました。

エグCaféのロゴマークと珈琲を点てるイラスト
(レモン好きで、いつか庭にレモンを実らせて・・
という思いからレモンアイテムをちらつかせている)

-移動販売として、始められたのは?
 エグCaféの出店は、イベントに参加させて頂くことを始まりとしていましたが、自分で主催して共に自然の中で過ごし、気持ちと気持ちが出会うような仕掛けづくりに使いたいと思うようになりました。
 自然の空間も含めて、ほっこりと一杯飲んで、一息つく、そして自分自身の素朴な思いに立ち返るというか、考えられる時間をもつ・・・
そういうきっかけづくりをしたくて、モバイルカフェ(移動販売)のスタイルをデザインのひとつとして行っています。
 京都市内では鴨川でピクニックしていたり、公園でくつろいでいる光景が広がっているけれど与謝野町ではあまり目にしないように感じて。アウトドア!とかキャンプ!よりも身近な感覚で自然の中でゆったりと過ごすきっかけとして、一定の場所ではない屋外で、場所を探しながらできる”移動販売”をはじめました。

-たしかに、エグカフェといえば自然のイメージありますね!
 ありがとうございます(笑)。
くつろいだときの人の気持ちの感触が好きで。
"やさしい気持ちになる"そういう感覚を生み出していきたい、
そのひとがホッとする1杯にたどり着いてほしいと想いながら、
自然の力ひっくるめて味わっていただくモバイルカフェ(移動販売)をしています。

森のcaféにたどり着くまでの道中
Photo by 江種 里榮子

-今後はどのように活動されていく予定ですか?
 移動販売は、天候にも左右され、やきもきするところもあるので、店舗を構えたいと考えています。庭で自然を感じて過ごすことをメインに、雨や雪でも屋内で落ち着ける空間を確保できるようにしたいと準備中。
 「千と千尋の神隠し」の銭婆のお家のような別世界に迷い込んで、ほっと守られるような空間を作りたいです。目指している姿は、日本の茶室の仕掛けに近いかもしれません。空間一連をメッセージとしてかたちづくっていきたいなぁと思っています。

-店舗ができたらぜひ、行かせてください!
 ぜひぜひ、お越しください。そして一緒に、物語をつくりましょう。その時を心待ちに、庭の強敵クズのツルとたたかいながら、庭づくりがんばります!

■与謝野町の暮らしはどうですか?

-チャレンジしやすかったこと
 丹後という広い地域でのつながりで活動しやすいのが一つのポイント。私には、与謝野町だけでまとまるというより京丹後市や伊根町や宮津市の方達ともいつも近い感覚でつながり、ときには福知山、綾部、舞鶴の方々とも応援しあいながらつながれる感覚があります。そののびしろというか、心強さみたいなものがチャレンジしやすく思えるのかもしれません。それから、地域の方々が力を貸してくださること。これなくしてはチャレンジできていないと思います。
 移動販売の自然の中での場づくりにしても、森の整備をお世話になったり、開催を温かく見守っていただいています。『夜明けのサイレントカフェ』では、夜が明ける前の暗がりの早朝から快くお付き合いして公園を開けて頂いたり、ひとりでは叶わない空間づくりをさせて頂いています。

-移住をして思ったことは?
 自然を大切にするということは、ただ自然を賛辞するだけではたちゆかないということを感じています。山の緑を守るには、木々が立ち込み過ぎないよう手入れをすることや、様々な種類の木が元氣に生きられる環境を守らねばなりません。
 薪ストーブで暖をとるには、薪づくりが必要です。美味しい水を得るためには、元氣*な山でいてくれるようにしなくてはならない。また、私たちが生活に使える水の仕組みにも目を向けたほうがいいと感じています。
 移住をして、そういった問題を身近に痛切な問題として感じるようになりました。誰かがよいようにやってくれ〜では、なんともならないというか、自分たちがもっと価値の置き方や仕組みづくりについて真剣に考えないと「暮らしを豊かにする」「自然を大切にする」には行き着かないように思います。
*氣:旧字体には八方に広がる意味があります。

-江種さんが与謝野町で楽しんでいることを教えて下さい!
 与謝野町に限らずですが、空(雲)を眺めるのが好きで、雲の縁の光の色合いや変化をぼーっと見て楽しんでいたりします。家路に着く時空を見上げるのは、京都市内に居た時からのくせですが、夜、海側から山側に帰ってきた時、星の多さに吃驚することがあります。私が住んでいる地区でもかなりの星が見えますが、さらに山手の地区にいくと、もう星座とかわからないほど瞬きまくってます。

天橋立と朝日を眺めながら迎えるエグcaféの一杯
Photo by 前田 涼介

-移住して新しく始めたことはありますか?
 与謝野町に来て、CO-COUTURE*との関わりからシルクが身近な存在になりました。今まで家庭科のミシンとか超苦手だったのに……シルクの生地を扱った洋裁や、庭の草木を活かした草木染め、渋柿からつくる柿酢や酵素シロップづくり、梅酒・梅酢づくりなどを行うようになりました。
 よさの三四の森の会*との関わりから木材も近い存在になり、時には地域の方の力を借りて作っていただきながら、木を使ったものづくりに親しんでいます。とにかくこちらで様々な素材と作り手の方が近い存在となって、ものづくりを楽しんでいます!
 苦手意識の強かった山登りも、地元の方に案内いただいたり、大江山鬼っこの会*との出会いがあり、比較的なだらかな地形で親しみやすい大江山連峰をもとに、今では山にあがることを身近な存在として楽しんでいます。


-最後に、与謝野町に移住を検討されている方へのメッセージをお願いします!

"ご縁を大切に。"

 たまたま同じ京都府に住んでいたのに知らなかった与謝野町で、いろいろな人たちと活動ができるようになったのは、ご縁の導きでここに来たなぁ、ご縁の力で物事が動いているなぁとすごく感じます。
 いま、移住を考えておられる方たちにも、「何かふと、ここに気持ちが向く」という感覚を大切にして頂きたいです。きっと、ご縁のあるところに行き着くと思いますし、ご縁がある人たちと出会って暮らしがつくられていくと思います。


*CO-COUTURE(コ-クチュール)・・・未就園児の子育て中ママを中心に世代を超えて集い、地元丹後のシルク生地を使って、美しくてからだに良い洋裁に取り組むサークル。(ねらわずして、移住者ママが多かったりする。)
*よさの三四の森の会・・・畏敬と感謝の思いを大切に、間伐など山の手入れや、植樹、材木の活用、里山づくり等に取り組みながら、山を元氣に!人も元氣に!を目指す有志の団体。
*大江山 鬼っこの会・・・山登りをたのしむ感覚を大切に、与謝野町を中心に舞鶴市や福知山市のスタッフも集う山登りのガイド団体。


▽聴き手/文・撮影:高橋友樹
 僕が移住をする際にも相談に乗ってくださったのがエグさんです!そんなエグさんの淹れるコーヒーはとっても美味しく、ロケーションも最高です。エグcaféで印象深いのは滝の千年つばき公園の麓で行う、森の中のカフェ。山の中を実際に歩いて、軽いハイキングをして、たどり着くコーヒーはなんとも言えない至福のひととき。春になったらまた開催されるそうなので気になった方は要チェック!


■関連リンク


▽江種さんの活動について
【Facebook】 

【HP】

▽オンライン移住窓口【SUMOUT】

▽【終了しました】移住者向けイベント(江種さんゲスト)


▽株式会社ローカルフラッグ


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