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合言葉は”みんなで一緒に”/コ・クチュール(後編)

皆さんこんにちは!
「与謝野町移住支援窓口-364-」です。
与謝野町に関わりがある方々にインタビューを行い、暮らしや日常に関する情報を発信します。
第4弾は、与謝野町移住・定住アンバサダーであり、丹後地域で織られたシルクを使って洋服を作るサークル「Co-Couture(以下コ・クチュール)*」で活動されている、山井美佐子さんと小西彩さんに与謝野町での暮らしについてお話を伺いました。

▽与謝野町移住支援窓口-364-とは「特別な日より、日常を伝える」をコンセプトに掲げ、与謝野町への移住促進につながる多様な関わり方を提案させていただきます。1年は365日ありますが、観光やイベントなどで与謝野町を訪れたり 関わったりするようないわゆる「特別な1日」よりも、それ以外の「364日の与謝野町の日常」に関する情報を移住希望者にお届けしたいという想いを込めて「364(さんろくよん)」と名付けました。

山井 美佐子(やまのい みさこ)広島県出身。大阪から結婚を機に与謝野町に移住。コ・クチュールの初期メンバー、現代表。
小西 彩(こにし あや)滋賀県出身。大阪から結婚を機に与謝野町に移住。


前編の記事はこちらから

●コ・クチュールが出来た経緯

-お二人の共通のサークル活動について教えて下さい!

(山井)
同い年の子どもを出産したばかりのお母さん仲間3人の「子どもの服を自分たちで作りたい」という想いからスタートしました。
マタニティの会で出会った友人が、 コ・クチュールの初期メンバーで、誘ってもらって私が参加したときは5〜6人でしたが、口コミでメンバーが増えていきました。
子どもが大好きな地域の方が、ボランティアで子どもたちを見てくださっていて、近くで子どもの様子を感じながら安心して服作りができました。

初めはシルクではなく、自分達が持ってきた布で子供服を作ってましたが、先生が「赤ちゃんには肌に優しいシルクを着せてあげるといいわよ」とシルクの素晴らしさを教えてくださいました。

隣室でベビーシッターさんに見守られながら遊ぶこども達

(小西)
そこからメンバーがちょっとずつ増え出して、メンバーの家では手狭になってきたから、町の施設である旧母子センター(現 産業創出交流センター)を借りて活動していました。
展示会をしたり、阿蘇シーサイドパークでファッションショーをしたり。講師の先生を中心に、地域の方々が応援してくださって、普段ではなかなか体験することができない晴れ舞台を子ども達と一緒に歩かせてもらいました。

ほとんどのメンバーが裁縫は初心者で、子どもに手を取られてなかなか進まず、一着作るのがやっとというところですが、先生や洋裁が得意な先輩方がたくさんフォローして下さり、ファッションショーを3回、展示会も4回ほど参加させてもらいました。1年半程前に先生はご退任されて、今は、先輩会員の方に教えていただきながら、パジャマやエプロンを作ったり、自分達で草木染をした生地で寝具を作ったりしています。シルクに触れているうちに生地の製造工程を知りたくなって、地域の機屋さんに見学させてもらったり、入園入学などで顔を合わす機会が少なくなった子ども達の同窓会を兼ねてリトミックをしたり、子育ての勉強会をしたり、メンバーのやりたいことを出し合って、計画を立てながら活動しています。


与謝野町の染色センターにて、草木染めにチャレンジ!

コ・クチュールという名前も、フランス語で“みんなで一緒に“という意味からきているんです。
一人ではなかなかできないことも、提案してみたら皆が協力してくれて、物事が成り立って、そういう人の繋がりの力強さを感じられる場所だなぁって思います。子育てしながらチャレンジできる場所ってなかなかないので、とてもありがたいです。

●コ・クチュールに入ったきっかけ

-お子さんがいても安心して参加できるコ・クチュールは素敵なサークルですね!そんなサークルを知ったキッカケを教えて下さい!

(小西)
キッカケは6年前くらいです。移住者であり、モバイルカフェをしている江種さんと初めて知り合いになって、移住・定住アンバサダーである植田さんが運営をしているスタジオきで、珈琲のイベントをされた時に、コ・クチュールのメンバーに出会って、誘ってもらったのがスタートです。

裁縫は元々全然出来なくて、それでも大丈夫って言ってもらえて、ただやってみたい!という気持ちだけで始めました。
みんなにフォローしてもらって、初めて洋服が完成した時の達成感と喜びは今でも覚えています。

コ・クチュールに入る条件は特になくて、子育て中じゃなくても、ものづくりが好きであったり、シルクに触れてみたくて入会された方もいます。メンバーは今は6人ですが、多い時は15人程いて、世代を超えていろんなお話に花を咲かせていました。子どもの成長とともに、仕事に復帰されたり、旦那さんの転勤で離れざるを得なくなった方もいらっしゃるのですが、離れても展示会などイベントがあると遠路を来てくださる仲間もいます。

移住してきて、深いところまで話せる友達って簡単にはできないかなって思うのですが、ものづくりとか、共通の趣味とか、何か1つの共通言語があると、ぎゅっと距離が縮まると思います。
人に出会いたくて話をするような集まりにも行ったことがあるのですが、私の場合、緊張してなかなか話ができなくて、結局疲れちゃって次に続けることができませんでした。
コ・クチュールは、人と出会うことだけが目的じゃないので、自然体で居られるというか、無理に話さなくても大丈夫という安心感があります。回を重ねることで、自然と仲間になれるっていう流れは、私にとっては心地よかったです。

誰か1人でも心許せる相手がいるっていうだけで、住みやすさに繋がるのかなって思います。

(山井)
コ・クチュールの初期メンバーの友人が、洋裁の先生が教えてくれるから、一緒に 行ってみない?って誘ってくれたのが入ったきっかけです。
裁縫は高校の家庭科の時以来でしたが、友人がいるし、同い年の子供のいるお母さんが来てると聞いて、なんか楽しそうだなと思って行ってみました。
裁縫は苦手で作業がなかなか進まなかったのですが、メンバーの皆さんがいい方ばかりで、やっと自分の居場所を見つけられたという感じでした。少しの時間でも行きたいな〜という気持ちで参加してました。

-裁縫の初心者でも安心して参加できるのはハードルが低くて良いですね!

(小西)
コ・クチュールに出会ってシルクに触れて、先生が作られる立体裁断の洋服の着心地の良さを知って、独立した方もいらっしゃいます。そういう方を見て、応援しようって感化されて、自分も頑張ろうって力をもらったり、皆さん協力的で温かい方ばかりなんで、居心地が良くて、仕事が忙しくても、なんとか行こうみたいなところはあります。

●これからのコ・クチュール

講師の先生が手掛ける立体裁断によるシルク100%のパジャマ

(山井)
昨年の春から自分達で活動して一年半になります。先生がいらした時は、課題があって、教えていただきながらみんなで協力して製作してましたが、ずっと先生に頼ってばかりの部分が大きかったと思います。
今はみんなで話し合いを重ねながら活動をしていて、裁縫はもちろんベースにはあるんですが、裁縫以外にもいろいろ楽しむことをみんなで共有できるようになって視野が広がりました。

会員のひとりであるピアノ講師によるリトミックを開催

方向性としては、裁縫をベースに活動しながら、みんながワクワクしてやってみたいと思うことを取り入れて、柔軟に、時流にのって、より良い方向に進んでいきたいと思っています。
地域貢献や人のお役に立てる事にも携わっていきたいという気持ちがみんなの中にあります。
コロナが始まった時も、「シルクの残布でマスク作りをして寄付しましょう」って話が出ると、すぐに集まって、役割分担しながら製作して町に寄付しました。
いざという時にも、みんなで協力して力を出せる信頼できるメンバーです。

メンバーが無理せず参加できるときに活動して楽しんでいたら、自然に縁のある人が集まると思っています。
今までのメンバーの年齢は20~70代までと幅広く、子育てママ、独身の人、地元の方がいて、みんな和気あいあいで仲がいいんです。
現メンバー6人のうち4人が移住者なので、安心して参加いただけると思います。

(小西)
まだまだ模索中ですが、丹後のシルクを暮らしの中に取り入れることと、一人ではできないことも、皆で一緒にやればチャレンジできるという安心感はこれからも大切にしていきたいと思っています。

●最後に、与謝野町に移住を検討されている方へのメッセージをお願いします!

終始やさしい口調でお話された山井さん

(山井)
新しい場所に住むには人の繋がりが一番大切だと思います。
移住する前に、地元の方とコミュニケーションを取って相談できる人を得ていたら、移住した時の安心感につながると感じました。 
人の繋がりがあれば、いろんなことを乗り越えていけると思います。
自分が思っていたより、結婚やIターンなどで府外から移住してる人が多いので、気持ちを共感できる人に出会えると思います。
お米、お魚、お酒がとても美味しいので、ぜひ味わってみていただきたいです。


暮らしを楽しむ!小西さんからはそんな気持ちが伝わってきました!

(小西)
新しい土地で暮らすのは、不安もたくさんあるかと思いますが、「なんだかワクワクする!」という直感を信じてたくさん足を運んでみてください。
豊かな自然はもちろん、あたたかな人や、この地で培われてきた伝統技術の美しさに出逢う度にこの町が好きになっていくと思います。

コ・クチュールが、ご縁のつながるきっかけのひとつになれば嬉しいです。


▽聴き手/高橋友樹
ぼくも移住をして一番感じていることが、人とのつながりの大切さ。何か一つ共通点がある友だちができるだけで、移住生活は格段に楽しくなります!そんな、キッカケとなる場所の一つがコ・クチュールだと今回のインタビューで感じました。これから移住をされる方や現地の子育て世代の方に紹介したいなぁと思いました!

▽聴き手/文・撮影:原かづさ
私が移住してすぐに紹介していただいて、布の草木染め体験をご一緒させて頂きました。みなさんの温かい空気を感じて、安心した記憶があります。子育てをみんなでやりながら、協力し合いながら好きなことを、生き生きとされてるなぁという印象でした。


▼関係リンク

*CO-COUTURE(コ-クチュール)・・・未就園児の子育て中ママを中心に世代を超えて集い、地元丹後のシルク生地を使って、美しくてからだに良い洋服作りに取り組むサークル。(ねらわずして、移住者ママが多かったりする。)

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