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いまの仕事に向いていないと思った時は

いまの仕事にやりがいが見出せなかったり、いまいち自分には向いていないと感じていると、自分はいつまでここにいるべきなのか、この先何をしていけばいいのかと常に頭の中は迷いでいっぱいになってしまいます。

ちょうど良いタイミングで、自分に合った別の仕事や職場が見つかったのであれば、転職するのも一つの方法でしょう。

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自分も若いころは、なんども転職を考えたことがあります。

田舎の方はまだまだ企業も病院も組織というものはどこも男性社会で、特にマイノリティな専門職である管理栄養士は、当時病院の中でもおまけ程度のポジションでした。

卒後すぐに新設の病院に採用されたのですが、当時管理栄養士は1人(全面委託のため)だったということもあり、独立した部署も存在せず、組織図では事務局に所属していました。


管理栄養士の机が「事務局の総務課」にあったんですよ。

信じられないですね。

隣の席は人事担当のおじさんです。


そして入職して初めてした仕事がお茶汲みでした。


世の中を知らない私は、管理栄養士が毎日事務局の方々のお茶汲みをしたり、朝一番でテーブルを拭いたり、事務局にかかってきた電話に出ることがどれだけ異常なことであるかもわからず、ただ与えられた仕事を淡々とこなしていたのです。

もちろん、管理栄養士本来の仕事もしていました。

事務局のおじさま方の、お茶の好み、コーヒーの濃さや砂糖とミルクの量などはいまでもはっきりと覚えています。そして、そのおじさま方(今となってはおじいさま方)の忘年会に、2、3年に一回はお声がかかり、その当時の事務のお姉さま(今となってはおばさま)と一緒に、高級料理と美味しいお酒を心ゆくまでご馳走になります。(オープニングスタッフだったので何年たっても結束が固いんですね)

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そんな時代錯誤な話はどうでもいいとして本題にもどると、


ここでの仕事は自分に合わない、努力がちっとも報われない。

同僚や他職種の同世代のスタッフにはとても恵まれ、励まされ、いつも助けてもらっているけれど、

管理職は「たとえ病院食であっても、食事なんて美味しくて当たり前でしょう」という反応で、評価され必要とされているという実感はない。

仲良くしていた病棟スタッフに誘われて、ひどい褥創患者さんのケースカンファレンスに顔を出せば

「何しに来たの?誰が呼んだの?」

と、その病棟の管理者に面と向かって言われたものでした。


誰も評価などしてくれない病院の中で、専門職としてのやりがいは感じられず「私達はカースト最下位だね」と、ネガティブな感情ばかりに振り回される日々。

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くるくるとスタッフが変わる委託業者さんとの折衝も、

つきつめればいくらでも細かくなる衛生管理に神経をとがらすのも、

わけのわからない患者さんの栄養相談を受けることも、

気分とタイミングを見極めないと痛い目にあわされてしまう気難しい医師と会話をするのも、

ぜんぶぜんぶ苦手で自分には向いていない


しかも病院はいろいろあってすでに存続の危機。



「じぶん、ここにいる意味ある?」


しかし、冷静になってじっくり考えてみると、私が働き始めたのは新設病院。すでに前任者がいてそれなりの実績があるわけでもなく、

管理栄養士の業務実績ゼロ

なんですよね。


つまり、存在価値とか必要性とかを感じてもらう前の段階。

他院からやってきた管理職のかたがたは、管理栄養士はいつも厨房内にいる「給食のおばさん」という認識。

気軽に「お茶ちょうだい」と言ってくるのも、「なんで病棟にのこのこやってくるの?」と怪訝そうに言われるのも、やっと納得がいきました。


存在価値必要性をや必要性を感じてもらう前の段階ならば、これから作ればいい。

いや、どうやったら認めてもらえるかとか、どんなことをしたら評価してもらえるだろうか、などといった「よこしまな考え」は、今はとりあえず横においといて、

「とことん自分の専門性を突き詰めてみよう」


と心に誓いました。

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それからは、職種の垣根を越えて協力をあおぎ、チーム医療ほか幾つかの業務を軌道にのせたり、
委託業者さんと共に患者給食よりよいものにしていくための協議を日々重ねたり、
専門性を確立させるために、管理者や組合に交渉して組織編成を願い出たり……

そしてそのうち、徐々にではあるけれど、医療職の一員として「今じぶんのいる場所」に違和感を感じなくなっていったのです。

ぜんぶぜんぶ苦手で自分には向いていない病院の仕事にもだんだんなじんできて、結局、ずいぶんと長い間おなじ場所にいてしまったわけですね。

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パワハラやモラハラなども散々受けてきましたが、それを我慢してまで同じ場所に居続ける必要はありません。

もし娘たちが同じような扱いを受けたとしたら「明日からもう行かなくていい」とキッパリ言うでしょう。


ただ、やりがいがない、自分はこの仕事が向いていないと思って転職と考えているのであれば、

ちょこっとだけそこで立ち止まって、

最後にここで自分に出来ることは何かないか。

と考えてみるのもいいかもしれません。


その場合、そんな努力したところで他人は評価してくれないだろうとか、

どうせ給料は上がるわけないだろうとか、

時間とエネルギーの無駄で都労に終わるだろうとか、

などと始める前から判断をせずに

見つけた仕事を「無」になって極めてみてください。

もしかしたら、あなたの中の世界がなにか変わるかもしれません。


それでもなにも変わらなかったら、その時は転職するなりなんなり、次の手を考えていきましょう。

次はきっとうまくいきます。


今日も、最後まで読んでくださってありがとうございました。


             ではでは また。 みなさんの健康を願って。

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