見出し画像

「サンクコスト効果」

という言葉を皆さんご存知でしょうか?
別名「コンコルド効果」などとも言われ、多くの費用や時間、労力を費やして作り上げた物事は、例えそれがその後に良い影響を与えないと分かっていたもなかなか手放すことができない、という考え方のことを指します。

「コンコルド」とは、イギリスとフランスの両国が協働し1970年代後半から2003年まで就航していた超音速旅客機。ニューヨークとロンドン間を約4時間で飛行していた(現在は約7時間)と聞くと、どれだけ高速の飛行機であったか、が分かりますね。
この新型飛行機、開発当初は世界中の注目を集め、満を持して就航をスタートさせたものの、実際に運用を開始してみると、様々な問題や障害が発生、また利用客の予測も大きく下回り、就航を続けることで収益が見込めないことが明らかとなりました。にもかかわらず、これまでにかけてきた投資や労力(世間の注目やプライドなどもあったことでしょう)を無駄にできない(したくない?!)、という想いから、就航廃止の決定が長い間なされなかった飛行機です。
最終的にはたくさんの犠牲者を出した墜落事故がきっかけで、廃止となりました。

これだけ大掛かりな規模のものを廃止する、という決定には、本当大きな勇気と決断力を要したことと思います。


日常の中のサンクコスト効果

ここまで大きな規模ではないにしても、サンクコスト効果は私たちの身の回りで日常的に起こっています。

ここまで頑張って資料を作ってしまったのだから…(このプランを没にしたくない)
ここまで時間とお金をかけて資格を取ったのだから…(これを何としても活かしたい)
ここまで準備をしたのだから…(これはなんとしても実現したい)


引き返す勇気

先日私の友人が、とある大きな決断とともに新たな人生の一歩を踏み出しました。多くの人に祝福され、多くに人に応援されて踏み出した一歩でしたが、いざそこに足を踏み入れてみると想定外のことがたくさん起こり、そしてこのまま続けて良いのだろうかどうかと、悩みました。
総合的に考えた結果、その友人は元の道に引き返すことを決意したのでした。
恐らく、新しい一歩に踏み出す時の勇気より、引き返す決断をした時の勇気の方がずっと厳しく、大きな勇気だったと想像します。
それでもその経験を学びと捉え前向きにリセットする友人の姿に勇気づけられ、今も陰ながら応援の気持ちを送っています。


「せっかくここまでやったのだから」

こんな言葉がふと頭に浮かんだ時には、
「自分はサンクコストに囚われているのではないか?」という考えに立ち戻るようにしています。
コーチングセッションにおいてもまた、クライアントがサンクコストに囚われて何かをなかなか手放すことができない、という場面に遭遇することも多々あります。

「自分はどんなサンクコストに囚われているのか?」
そんな視点で自分を見直すことも新たな気づきにつながることがあるかもしれません。


最後まで読んでいただきありがとうございます。
もしもコーチングに興味があれば、こちらでお話することができます。

よりカジュアルにちょっと話をしてにたい、と思ったらこちらかいつでもご連絡ください。30分の無料お話会をやっています。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?