6年生の時に産まれた弟

私には、妹と、弟が2人ずついる。
2つ下の妹。
4つ下の弟。
一回りしたの弟。
15歳下の妹。

母は、父に子供は5人欲しいと言っていたそうだ。

上3人と、下2人の間が8年空いているが、その間に、2人の命があった。
生まれてこれなかったけど。

でも、母の願いは叶った。

なかなか兄弟が5人いる家族はいなかったので、珍しがられた。


次男が生まれる時、私は6年生だった。

ある日、父が、
クリスマスプレゼントに、妹か弟は欲しくないか?
と言って来た。

私は、思わず、欲しい!
と言った。

妹とは、なぜか気が合わず、ケンカばかりしていたから、赤ちゃんといる方が楽しいだろう。と思ったからだ。

でも、クリスマスになっても赤ちゃんは来なかった。

なんだ。
そんな事、言わなきゃいいのに。
楽しみにしていた自分が、バカみたいだと思った。

でも、お正月も過ぎたあたりから、
だんだん母のお腹が大きくなって来た。

お母さん、赤ちゃん産まれるの?
と私は、聞いた。

すると母は、
2月の終わり頃、産まれるわよ。
と言った。

私は、とても嬉しかった。

学校で、その事が話題になった日があった。
グラスの男子から、

おまえんち、赤ちゃん産まれるんだってな。オレの母さんが言ってたぜ。

と、いきなり話しかけられた。

私は、ビックリした。
なぜその事を知っているのか?

という事ではなく、
私に、話しかけて来た事にビックリした。

え?
と言ったまま、止まってしまった。

すると、え?違うの?
って聞いて来た。

あ、産まれる。

やっぱ、そうなんだ!
いつ産まれるの?

2月の終わりごろ。

そーなんだ!すげぇ!
なぁ、産まれたら見せて!
赤ちゃん、見てみたい!

と言われ、思わず

うん。

と言っていた。

なんだか、嬉しかった。

それから、しばらくして、
九州から、祖母が来た。

祖母が、

赤ちゃんを産むために、
お母さんは、病院に入院する事。
すぐには帰って来られないという事。
退院しても、しばらくはここにいるという事を話してくれた。

そして、弟が産まれた。
みんなで、病院に行った。

赤ちゃんは、男の子だった。

名前をみんなで考えた。
長男の名前は、父の一文字を取って付いた名前だったので、次男も、

その一文字をつける事にして、
母の名前の1文字も付けた名前になった。


産まれたての赤ちゃんは
とても可愛いかった。

4,200gもある大きな赤ちゃんだそうだが、私からみたらとても小さく感じた。

退院してからは、毎日抱っこしたり、
おむつを取り替えたり、ミルクをのませたりお世話をするのが、楽しかった。

お風呂も、一緒に入ったり、一緒に寝たりした。


中学生になった頃から、外に連れて行く事も多かった。
散歩したり、公園に行ったり。

いつも、外で会う時は、弟も一緒だったから、いつの間にか、中学の時のあだ名がついた。

「子連れ」
と呼ばれるようになっていた。

何で、いつも赤ちゃん連れてるの?
お前が産んだんじゃないよな?
従兄弟?
近所の子?
と、興味津々な様子だった。


今まで、男子とは話した事がなったけれど、弟が産まれてからは男子と話す事が増えた。

なんとなく、そんな時間が楽しくなった。


妹と、話すと、すくケンカになるから、 赤ちゃんの世話をする事で、
妹と離れる時間が出来た。
それも、嬉しかった。

年の離れた弟だったし、
母も、高齢出産だったので、

耳そうじ、爪切りとか、
老眼で、目が見えにくい事もあったし、
体力的に、毎日公園も、辛かったんだと思う。

だから、私は、進んで毎日、学校から帰って来ては、弟と公園に連れて行った。

それが、私の楽しみになっていた。



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