何でそんなに怒るの?全部私が悪いの?私ってほんなにダメな子なの?
毎日のように、父から怒られていた私は、いつも、そんな事を思っていた。
なんて、私はダメな人間なんだろう。
いつになっても、お父さんが認める良い子になれない。
怒られるのは、私がダメだから。
出来ない事が多いから。
言われた事を、完璧に出来ないから。
いつも、心配かけるから。
すぐ泣くから。
優柔不断だから。
自分から進んで物事を進められないから。
声が小さいから。
妹や、弟の面倒をみないから。
部屋が片付けられないから。
サッサと動けないから。
お父さんを、イライラさせてしまうから。
勉強なら出来ないから。
成績が悪いから。
運動が苦手だから。
怒られる理由を出したらキリがない。
とにかく、私はいろんな原因で毎日怒られていた。
大声で怒鳴られ、
バカタレ!と罵られ、
頭を叩かれ、
木刀で手や足を叩かれ、
灰皿が飛んできた事もある。
部屋が汚いと、雨が降っている日に
庭に教科書や、おもちゃ、全て放り出された事もあった。
雨の中、泣きながら、拾い集めた。
私は、いつも父の顔色を見て対応していた。
怒られないように。
機嫌を損ねないように。
帰って来る音が聞こえたら、
サッと自分の部屋に入るようになった。
でも、夕飯の準備を手伝わないと
また怒られるから、少し心を落ち着かせて
なるべく明るく、笑顔で
母を手伝っていた。
ニコニコしながら、いろんな話を
自分からして、笑いあっていた。
そんな私の姿を見ると父は怒らなかった。
食べ終わったらすぐに、食器を洗って
お風呂に入って、もう寝るね。と一言言って部屋に行った。
そんな父は、母に私の事を、
あの子は、良く1人でペラペラ喋るな。
風呂に入るとか、もう寝るとか、
いちいち自分のやる事を言ってるな。
寝るなら勝手に寝ればいいのにな。
と、笑っていた。
たまたま、水を飲みにリビングに行った時のこの会話が気になり、
私は、喋っちゃいけないの?
お風呂に、入る時も、寝る時も、
言っちゃダメなの?
って聞いてみた。
すると、ダメじゃないよ。
おかしいな。って言ったんだよ。
ハハハッ!と笑われた。
私、おかしいんだ。
私、人に笑われるような、おかしい人間なんだ。と思ってしまった。
みかんや、バナナの皮の剥き方が違う。
みかんは、下手の方から剥けば、白いやつが一緒に剥けるから!
バナナは、お尻の方から剥けば、最後の渋い芯が取れて、茎?の部分を持って食べろ!
テーブルに、お醤油をこぼしたからティッシュで拭いたら怒られた。
台ふきんで拭いたら、シミになると思って拭いたのに、ティッシュを無駄にするな。
野球の、応援しているチームが負けただけで、イライラの感情を抑えられず、当たられまくった。
毎日毎日怒られて、家にいたくなかった。父と顔を合わすのも嫌だった。
学校では、友達がいなかったけど、学校にいれば怒られなくて済んだ。
怒られ、笑われてバカにされ、
父の前では、ビクビクして、いつもオドオドして、母の前では、ニコニコして、おしゃべりして。
学校では、全く喋らず無表情、全てにおいて無関心。
本当の自分は、どれなのか分からなくなった。
楽しい事は何なのか?
全く分からなかった。
ただ、ただ、毎日怒られないように過ごすのが精一杯だった。
自信をなくし
笑顔をなくし
気づけば、いつも爪を噛み、髪の毛を抜いてしまっていた。
6年生の時、頭のてっぺんから、髪の毛が2、3センチ伸びて来て、立っていたことに母が気付き、妹も大笑いされた。
学校の、クラブで体操クラブに入っていたから、マットで擦れて抜けたんじゃない?
それにしても、これはおかしいわね。と。
鏡を見て初めて気付いた。
今までも鏡は見ていたはずなのに、
全く気付いていなかった。
でも、どうする事もなく、
誰にも相談できず、そのまま登校した。
でも、髪の毛を抜く事はしばらくやめられなかった。
爪も、痛くても血が出ても噛んでいた。
止める方法も、分からないし、
辞めようと思わなかった。
今、振り返って見て、
私、本当に辛かったんだなぁ。と感じた。
泣いてもどうにもならないし、誰にも相談出来ず、ずっと1人でこの感情を抱えていたんだよね。
誰にも分かってもらえない。
って、思っていたよね。
怒って欲しくなかったし、
もっと、私の気持ちに
気づいてもらいたかったよね?
言い方も、もっと優しく言って欲しかったよね。
ぶったり、投げたり、物に当たったり
して欲しくなかったよね。
言わなくても、表情を見て気づいて欲しかったよね。
家族で、楽しい事いっぱいしたかったよね。
怒られる毎日じゃなくて、
笑って毎日過ごしたかったよね。
本当は、こうしてもらいたかった。
と言う感情が、次から次へと溢れ出てきます。
そして、今になって、当時の気持ち、
私自身の気持ちに、やっと気づく事ができました。
今まで、頑張ってきたよね。
一生懸命だったんだよね。
分かったよ。もう大丈夫だよ。
私が、私を守ってあげるよ。
だから、安心していいよ。
もう、辛い思いは流して行こう。
愛してるよ。
こうする事で、少しずつ癒されました。