いつまでも変わらぬ愛を



2020年8月27日、ののちゃんは天国へ出発しました。



【短文で送るさよなら】
死ぬ前の鼠のおだやかな目、なにも言えないただ後悔の涙だけ


どうしても手のとどかない、守り切れない生命の火 


可愛いと、かわいいと、やっぱりかわいいと、黙って撫でた息のない鼠を


夏空の下で木々の葉は青く強く輝く、小さな命が天へ逝くと知らせるように


炎天下、川沿いの土手に上る、遠くで白雲が青空を走っている


亡くなった鼠を抱え飼い主は、猛夏の中、ひたすら歩く斎場へ


眠る鼠を撫でる手がいつまでもいつまでもと終わらない、涙が拭けない


おやつ待ち遠し、両手でケージの網を持ち、立ち上がりこちらを見ていた鼠


思い出は、遠くで輝く、おやつのおいしさにくるくると部屋の中を走りだして、またおやつを食べていた


名前を呼んで手を振ると懸命に手を振り返してくれた鼠、いつまでも変わらぬ愛を



亡くなったかの動物達が きっと、碧い空をわたり、雲海で遊んでいる  ありがとう しあわせであることを祈り また空を見る



犠牲を悼まぬなら 浮世でなぎの花を見ようとも  我こころなし




【引用】
いつまでも変わらぬ愛を  織田哲郎  (1992年)

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