マウソック

ーマウスがその行動をとったとき、どのような気持ちなのかー そんな壮大なテーマをうっかり…

マウソック

ーマウスがその行動をとったとき、どのような気持ちなのかー そんな壮大なテーマをうっかり掲げて今日もペットのマウス達に迷惑がられる社会人

最近の記事

猫と、マウス

猫と、マウス。トム&ジェリーが有名ですね。 猫とマウスに共通点があることが分かりました。 それは・・ 猫は前足をぐぱーぐぱーして、通称「ふみふみ」しますが、これは、成猫の場合、甘えのサインであると言われていると思います。 実は、マウスもこのふみふみと同じ行動をすることが分かりました。 水を飲んでいるときに、その行動が確認されました。 母乳を飲んでいた時、同じことをしたことがあったのでしょう。 その名残は、マウスも猫も残るのですね。 ただ・・残念なことに、このふみふみ

    • ジュニア君に告げる明日

      「ジュニア君はきっと治る」をお読み頂き、誠にありがとうございます。 マウソックは、なぜJAC阻害剤をおもったのか・・ そのお話しの前に、ジュニア君の今を連載でお伝えします。 この連載では、日々、「ペットを飼う」ということを考えさせられているマウソックのその時々の感情を率直に記載しています。表現に疑問もあることながら、どうぞ宜しくお願い致します。 ジュニア君はいま・・ ジュニア君は、現在も、毎日痒みと戦っています。 回復したり、痒みがまた出たりを繰り返すたび、投薬と休薬を

      • ジュニア君は、きっと、治る

        4月29日 昭和の日 8:15 動物病院に到着 診療予約を前々日に取っていた。 ジュニア君の掻痒行動の回数は、ここ2〜3日で増加した。 気持ちが重くなる。ここ1週間のうちに掻痒行動が止まらなければ、症状は、どんどん悪化の一途である。 マウソックは、こんなことを考えていた。 ーJAC阻害剤を経口投与するー でも・・少し考える。飼い主である私が、JAC阻害剤の話をしたら、臨床獣医は、それに引きずられてしまうだろうか。 マウソックは、そっと、ジュニア君を見ました。

        • おやつの声が聞こえる。

          アレルギーが、出てしまっている。 ジュニアくんをみたマウソックは、暗い気持ちになりました。 ステロイド薬と抗生剤を飲ませ続けて1カ月間。休薬開始から2週間目、するどい爪で自分の脇腹を掻き立てるジュニアくんに、マウソックは、静かに言いました。 ジュニアくん、掻いたらだめよ ジュニアくんは、掻き立てるのを不意にやめました。そして、確かに聞こえた声の方向を向きました。 だめよ ジュニアくんは、じっとこちらを見ています。「(おやつの声がしましたね!)」 だめよ、ね 念

        猫と、マウス

          余談-マウソックの大きな声で独り言 第7回

          余談ーマウソックの大きな声で独り言をお読みいただき、誠にありがとうございます。 前回、「余談ーマウソックの大きな声で独り言 第6回」では、飼い主が声をかけて手を振ると、マウスが手を振り返すことから、考察を重ね、集団生活と模倣行動は何らかの相関関係があるのでは?とお話ししました。 今回、「余談ーマウソックの大きな声で独り言 第7回」では、その仮説の根拠となった研究を紹介させていただきます。 早稲田大学の研究 ―隔離飼育されたマウスの「周囲に馴染まない」⾏動は、集団飼育され

          余談-マウソックの大きな声で独り言 第7回

          余談-マウソックの大きな声で独り言 第6回

          「食欲の春夏秋冬」をお読みいただき誠にありがとうございます。 ―マウスには、豊かな「マウスの表情」がある―そもそもマウスの表情とはどのような表情なのか、マウソックの幻覚??疑いが尽きないですが、まずは、マウスの表情についての研究を簡単にご紹介したいと思います。 マウスしかめっ面スケール 痛みのレベルを表情から評価する研究があります。  Coding of facial expressions of pain in the laboratory mouse  Nature

          余談-マウソックの大きな声で独り言 第6回

          食欲の春夏秋冬

          2020年11月某日。 窓をそろそろと開けると、 冷え込んだ朝の空気が遠慮なくお部屋の中になだれ込んできました。 朝日が窓枠の端からきらきらと差し込んできます。 窓の外には、いつのまにか落葉して色鮮やかに変わった公園がありました。紅葉に敷き詰められた地面からむき出しの木々が累々と並び、おのおのに枝を広げて、そのか細い先端は、高く広がる青空を指し示していました。 冬になったんだね。 澄んだ青空がどこまでも広がって、からりとした空気が頬に触り、流れていきました。 ぽぽくん

          食欲の春夏秋冬

          夏空の下で天国へ旅立ったマウスをおもうとき

          夏空の下で天国へ旅立ったマウスをおもうとき

          いつまでも変わらぬ愛を

          2020年8月27日、ののちゃんは天国へ出発しました。 【短文で送るさよなら】 死ぬ前の鼠のおだやかな目、なにも言えないただ後悔の涙だけ どうしても手のとどかない、守り切れない生命の火  可愛いと、かわいいと、やっぱりかわいいと、黙って撫でた息のない鼠を 夏空の下で木々の葉は青く強く輝く、小さな命が天へ逝くと知らせるように 炎天下、川沿いの土手に上る、遠くで白雲が青空を走っている 亡くなった鼠を抱え飼い主は、猛夏の中、ひたすら歩く斎場へ 眠る鼠を撫でる手がいつま

          いつまでも変わらぬ愛を

          ににちゃんの主訴

          ににちゃん? 梅雨のまま、ずるずる日が過ぎていた。 夏は、まだ先、2020年7月中旬頃。 ににちゃんは、マウソックから朝のおやつをもらうため、いそいそとお部屋の入口で待機していました。 くりくりした目をこちらに向けて、期待に満ち溢れている顔をマウソックはじっと眺めました。 ににちゃんは、さっきほんの一つの行動をした。 たわいもない行動である。 けれどもその行動は、奥深くマウソックの意識に差し込まれました。 明るい声で声をかけると、期待に満ちたににちゃんの横に手を差し出

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          ににちゃんの主訴

          あーちゃんは、うーちゃんに会いに逝く

          2020年8月9日、あーちゃんは、旅立ちました。2年3か月の命でした。 死因は、溺死。 あーちゃんは、お水が飲みたくて、なんとか 水の入っている容器に近づいたのでしょう。 でも、飲めなかった。 フラフラする体で一生懸命容器のふちに乗った。 そのときバランスを崩したのだと思う。 ににちゃんを動物病院へ連れている間だった。水は大丈夫だからと、小さな容器には用意していなかった。思いもしなかった。思いもしないレベルの飼い主だった。 帰ってきたらあーちゃんは口と鼻が水にふさが

          あーちゃんは、うーちゃんに会いに逝く

          あーちゃんが振り返るとき 4

          よく見るnoteがある。 かなわない希望とはこういうことをいうのだろうか。 『腎疾患マウスに効果があるネフロン前駆細胞への高効率分化誘導法「コアシーズ技術」のリジェネフロ株式会社が3.6億円の資金調達を実施』 iPS細胞から分化した、あーちゃんの心筋とネフロン前駆細胞があれば、あーちゃんは、こんなに苦しまないのだな、と。

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          あーちゃんが振り返るとき 4

          あーちゃんが振り返るとき 3

          朝、カーテンを開ける。 朝の光がマウス達に差し込んできました。 おはよう!おはよう! マウス達は、一瞬、あまりの光に驚いて、立ちすくんでいるようでしたが、すぐに大急ぎでお部屋の隅まで走ってきました。そして、壁に手をつき、背伸びをするように2本脚で立ち上がると、とてもちいさな鳴き声で、ちゅくちゅくちゅくちゅく。マウソックに訴えています。 おいしいものをくれますよね、待っていたんだよ。 わかった、わかった、今、用意するね。 マウソックは、穏やかな顔つきでマウス達に話しかけな

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          あーちゃんが振り返るとき 3

          あーちゃんが振り返るとき 2

          調子はどう? 診察室に入って、簡単に挨拶をしてから、獣医師は、努めて平坦な声を出した。マウソックの表情を見て、努める必要があると判断したのだろう。 マウソックは、正直に答えた。 わからない。 この1週間、ほぼじっとしているあーちゃん。 じっとしているだけで寝ている様子もない。 毎日毎日不自然に大きく動く上胸の上下運動ばかりが目に入る。 先週から症状が好転していないことは、わかっていた。 わかっていながら、本当は少しでもよくなっているかもしれないという、根拠のないうっすらし

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          あーちゃんが振り返るとき 2

          あーちゃんが振り返るとき

          心臓に雑音が聞こえる 2020年7月26日、午前10時半頃、動物病院。ドクターはしつこく聴診器をあーちゃんの胸に充て、心音を聴いた。そして、聴診器をはずし、マウソックの目をみて告げたのである。

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          あーちゃんが振り返るとき

          ショパン「告別」をここくんに

          ここくんは、2020年7月7日、3年1か月の命を閉じました。 あのとき・・夜も暑い夏のはじまり マウソックは、2年前の暑い夏の夜、タクシーに乗ってコンクリートジャングルの中を流れる東京の一般道を走っていました。 夜景が華やかに流れていく外を眺めながら、静かな車内で 膝の上においた丸い荷物をひたすらに撫でていました。 膝の上には、紙袋に入ったここくんたちがいました。 かさかさと動く音 きっとしあわせになる。うちにくれば。 美しい夜の街路を走り抜けながら、純粋に、マウソック

          ショパン「告別」をここくんに