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海と私と彼の時間

少しづつ暗闇が迫るほんのわずかな時間。
オレンジ色の空と緑色の海が交差する。
取り留めのない話に時間だけが流れてゆく。

隣にいるお互いの顔を見ることもできず、
暮れてゆく夕日が暗闇に変わっていくことに少し安堵していた。

何を話したのだろう。
自分の思い描く将来の夢。
友だちのこと。
家族のこと。
好きなものが似ていた。
正反対のふたりなのに。
それがおかしかった。

話が途切れても、波の音がつなぎ留めてくれる。
やさしい時間。

まだ恋という恋に出会ってもいなかったあの頃
子どもだった。
あれから。
12月になるとなんとなく訪れる同じ海。
もう、何にも話すこと無くなっちゃった。

周りの景色は変わっていったけど
私の隣にはいつもあなたがいる。


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