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【短編集】コーヒーの香る街

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【月曜22時頃更新】「コーヒー」や「喫茶店」をテーマにした短編集です。1記事400文字以下の小説またはエッセイ。2〜3分で読めます☕️
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#珈琲

短編小説『年末の至福』

コーヒー豆をミルに入れ、ボタンを押す。ガガガギギギと自己主張が激しすぎる音を出し、豆を挽…

さより
2年前
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【短編小説】14時58分

激しく言い合うつもりはなかった。床に散らばったインスタントコーヒーを見て、途端に悲しくな…

さより
3年前
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【短編小説】繰り返す日々

ふと見上げると、信号がすべて赤だった。一直線の、大きくも小さくもない道。曇り空で、全体的…

さより
3年前
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【短編小説】ゆるやかな朝まづめ

「コーヒーでも飲むかね?」 その一言は、爽やかな夜風よりもずっと心地よかった。 涙した私…

さより
3年前
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【短編小説】深夜、ゆくりなく

徒歩圏内にコンビニはここしかない。だから、知人に会いやすい。今は誰とも話したくないから、…

さより
3年前
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【短編小説】気づかぬ面影

今日も新聞がない。 前はすぐに読めたが、最近は新聞を待たねばならない。読む人が増えたのか…

さより
3年前
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【短編小説】17時の隙間

レースカーテンが緩やかに波打つ、17時。 学校のチャイムが終わりを告げ、ベランダではスズメらしき声がする。うっすらと鐘の音も聞こえる。 呼応するかのように、お腹も鳴り出す。まぶたをまともに開き、確かに今は夕方なのだと確かめる。 先ほど見ていた夢をかみしめながら、電気ケトルに水を注入。お湯を沸かしている間に焦げ茶色のマグカップを取り出し、インスタントコーヒーをスプーン1杯入れる。 片思いしていた同級生の男の子が夢に出てくると、あの頃の気持ちがうわっとよみがえる。「20年

【短編小説】休日にひっそり

お気に入りの雑誌を取り、窓際の狭い席に座る。メニューは見ないまま、店員を呼ぶ。 雑誌を広…

さより
3年前
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【短編エッセイ】アイスコーヒーを淹れる時間

喫茶店で働いていた頃、アイスコーヒーを淹れる時間が好きだった。 1Lをこえる大きなサーバー…

さより
3年前
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【短編エッセイ】コンビニのコーヒー

私の愛するスタバにも、ドトールにも、上島珈琲店にも、なかなか足を運べない。 最近はご褒美…

さより
3年前
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【短編小説】勝利のフライデーナイト

仕事帰りの金曜、必ずコンビニに寄る。 メンタルも体力もメーター10%以下。晩ご飯のお弁当を…

さより
3年前
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【短編小説】イレギュラーモーニング

せっかく有休で仕事が休みなのに、前日は早く寝てしまった。23時には寝ただろうか。ゆっくり映…

さより
3年前
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【短編小説】ぼくの秘密の場所

お母さんと買い物に行くと、たまに喫茶店に連れてかれる。 「ブレンドとクリームソーダをお願…

さより
3年前
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【短編小説】いつだって、ブラックコーヒーと。

高校生のとき、初めてブラックコーヒーを飲んだ。何杯も飲んだのは眠いからではなく、美味しいから。 深いコクと香りに、心地よい苦味。虜になって以降、いつだってブラックコーヒーは欠かせない。インスタントも缶もドリップも好きだ。 20歳を過ぎてできた恋人は、コーヒーに砂糖もミルクも入れていた。 「苦くないの?」 「うん。美味しいよ」 やがて、彼もブラックコーヒー派に。私色に染まったかのようで嬉しかった。 ・ 彼と別れた日もブラックコーヒーを飲んだ。 海沿いを1人でドライ