飲み物を切らしてしまったのに気がついて、近所のコンビニまで行こうと外へ出た。
ドアを開けるとひんやりとした風が私に覆いかぶさってきた。
軽く身震いをしながら、私は秋の訪れをしっかりと受け止めた。
涼しい風も、鈴虫の一定音も、沈んだ空気も、全て秋へと誘導する道標のように見える。
あんなに楽しみにしていた夏も、ほとんど何もせずに終わってしまった。
残ったのは、うっすら日焼けをした手の甲だけ。
冷たい風を体に浴びながら、熱を持っていた夏がどんどん冷めていくのがわかる。
引き留めても夏はもう行ってしまうのだ。
私にとって秋は物悲しい季節でもある。