ぷちぷちつぶす
今日も暑いなぁ。
なんて、誰に言うでもなく呟いちゃったりしながら日課のカフェラテをつくる。
朝の6時。私にしてはちょっと早めの朝。
椅子に腰かけて、カフェラテを飲みながらテーブル横のカラーボックスに目をやる。大量にストックしてある【ぷちぷち】を1枚抜き取る。
『たまにやりたくなるんだよね。』
また誰に言うでもないのに呟きつつ、私は【ぷちぷち】を一個ずつ潰していく。
ぷち。
ぷち。
ぷち。
無心でぷちぷちをつぶすのって気持ちいい。
親指でぎゅっと膨らみを潰しながら私はひとり言を言う。
『仕事で揚げ足取りをするあの人』
ぷち。
『お金を投げるように返すレジの人』
ぷち。
『例のにっくき病のアイツ』
ぷち。ぷち。
『すぐにやる気がなくなる私』
ぷち。
『やりたいことをやらない私』
ぷち。
『がんばれない私。。。。』
ぷち。
私は持っていた【ぷちぷち】を雑巾みたいに両手で握りしめ、ぎゅぎゅーーっと絞ってみた。
ぶちぶちぶちぶちーーーーー。
すごい音を立てて空気が弾けていった。
しなしなになった【ぷちぷち】をテーブルに置いてカフェラテをひと口飲む。
窓を見ると、琥珀色に輝く日差しが鋭く照り始めていた。
『さーて、今日もがんばりますか。』
また誰に言うでもなくぽつりと呟いて、私は椅子から立ち上がった。
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