真夜中の戯言 vol.2
あぁでもない、こうでもない。
何でもない事に思考を巡らせベッドに入る休日前の夜。それが私の密かな楽しみでもある。ただ、それに少し現実を重ねたりしてみるのだった。
真夜中なのに、色気も恐怖も何もない、ただのたわごと。
今夜考えている事。
それは、nurse辞めたら何の仕事をするか。
nurseを辞めなくても勤め先でガラッと環境を変える事はできる。
ディサービス、訪問看護、献血ルーム、美容クリニック、健診センターなどなど。
我が熟女科nurseたちは、nurse辞めたら何の仕事してみたい?という戯言をよく言っていた。しかし、コロナ禍になってからは呑気な話ができなくなり、毎日必死で今しか見えなくなった。第8波で私以外のスタッフは順番に倒れいつの間にか全滅し、私は「最強」という称号を与えられた。皆んなが倒れる中働きまくった私はそろそろまとまった休みが欲しい。私は最強と歌えない。休みたいを通り越し、辞めたいな…が時々頭をよぎる。でもよぎるだけ。思うだけ。
さて、何の仕事をするか。
疾走感溢れるものを観る事が好きな私は、例えばF-1とか好きだったりする。ピットインの場面には物凄く興奮する。
その影響では全くないのだが、専門学生時代、カー用品店の作業をする場所、ピットでバイトをしていた。もちろん作業はできないため、オイルやバッテリーなどを運ぶ運び屋。彼氏作る目的で一緒に入った友達は、レジっ娘を希望しレジでブイブイ飛ばしていた。
その頃私はピットで多くの車種を覚え、社員さんのこだわりの車をたくさん見せてもらい、ドリフトやレースの話なんかもたくさん聞かせてもらって楽しんでいた。もしかしたら私はその気があったのかもしれない。
何故なら時が経ってnurseになった頃、何かの番組で永野芽郁がドリフトに挑戦していて、へぇ、センスあるんだと感心し、私もやってみたいなんて思ったからだ。
そしたらある日の夜勤帰り、信号のない交差点で、フルスモークの黒色センチュリーとノーブレーキでぶつかり、スローモーションだったがリアルドリフトを体験した事を思い出した。ドリフトを終えた車の中から私が見たものは、センチュリーから出てきた夜中なのにサングラスをかけた二人組の男性だった。この後、相手の安否を確認できた私は医療従事者なのに死んだふりをした、人生ベスト3に入る汚点を作ったのだった。
話はソレたが、さて、何の仕事をするか。未経験の事でやりたい事が今は見つからない。
という事で、楽しかったカー用品店でレジっ娘だろうか。あの時は、どんなおばちゃんだってレジに立てばレジっ娘と言われていたし、クリスマスにはサンタのコスプレもしていた。私は最強と歌える日が来るかもしれない。そして、「あれから何十年」と、綾小路きみまろに突っ込みを入れて欲しいものだ。
真夜中の戯け者マティ