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自分へ

AM3:30

家の前に、新聞配達のバイクが停まる音で時折目を覚ましていた。
眠りの深い冬はあまり気付くことはないのだが、今朝不意に、停まったバイクの音で目が覚めた。新聞をとるのはもう2年前にやめ、WEBに切り替えているのだが…。

スマホで時間を確認すると、AM3:30。
「夢かな」
布団から出した腕や顔に部屋の空気の冷たさを感じ、「寒っ」となって再び布団の中に潜り込んだ。


AM5:30

いつも通りのアラームで目が覚める。土曜日に急遽仕事となったため、今日は臨時で休みになった事を思い出す。それならもう少しだけ寝させてもらおう。最近少し疲れている。
次に目覚めたらAM6:15だった。「寝過ぎた」と少し焦るが身支度を後回しにすれば問題ない。今日は予定がない休みなのだから。



AM8:30

子どもたちを学校に送り出した後、今日は何をやって過ごそうかとソファにだらしなく座り、とりあえずスマホを触り始める。
しばらくして、今朝の出来事を急に思い出した。
早朝、新聞配達のバイクが停まった音の事だ。
何となく郵便ポストを確認しに行った。
新聞をとるのをやめてから、郵便ポストを確認し忘れる日が度々ある。幸いたまっていることはなく、一枚ハガキが入っているだけだった。
しかしそのハガキには宛名もなければ消印も押されていない。裏には1行言葉が書かれていた。


口を慎め 行動を戒めよ



思わず「え」と声が漏れる。
起こっている事がよく理解できず、急いで家の中に入った。
落ち着こうと思い水を一杯飲むのだが落ち着かない。これは明らかに自分に対する警鐘だと心当たりがあるからだ。
特に最近自分が発する言葉は、自分のことは棚に上げての発言ばかり。偉そうな事を言い、自分はできていないじゃないかと。
それにここ数年、自分の欲望のままに過ごしてきた部分がある。後悔をしているわけではないが、その事を言われているのだろうか。


PM1:15

リビングの時計は昼をとうに過ぎ、ソファにだらしなく座ったままの格好で目が覚めた。スマホは床に落ちていて、あのハガキは見当たらない。
「夢?」
体が鉛のように重く、ぼーっとする。
切れた口角と腫れた口唇は結局ヘルペスだったのだが、一向に治る兆しが無い。
空腹感はないが、とりあえずコーンスープを一杯飲んだ。極力口を開けなくて済むように。
空っぽの胃がじんわり温まる。そして、苺を眺めながらあのひと言について考える。


赤々と艶やかな苺たちから漂う甘い香りがダイニングテーブルに広がる。
苺農家で予約した、大小様々な苺が箱いっぱいに入れられて美しい。
もうすぐバレンタイン。買うも良し、作るのも良し。大人になってもバレンタインを楽しんでいるのだが、行動を戒めよと言われてしまった。


PM2:20

さあそろそろ動き始めよう。
掃除して、散歩に行って。
あとはどうしてもスタバのコーヒーが飲みたくてたまらない。そしてまた、あのひと言について考える。








noteでの出会いに感謝します
                 ☺︎マティ☺︎

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