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愛される型破りを目指せ 『僕が電通を辞める日に絶対伝えたかった79の仕事の話』 #258

「ふざけんな!」

そんな罵倒から会社員生活のスタートを切った方がいます。電通でエグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクターを務めた本田亮さんです。

小学館の「ピッカピカの~1年生~♪」や、ACの「こだまでしょうか?」といったCMをプランニングされた方。いや、もう、ご本人が「ピッカピカの~」ですよね。でも入社当時、専務から「態度が悪い!」と怒鳴られたというんですから驚きです。

実は、高校の先生からも同じように怒鳴られていたという経歴を持つ本田さんの、電通での最後のメッセージ録が『僕が電通を辞める日に絶対伝えたかった79の仕事の話』です。

世界で一番大きい広告代理店に縁故(コネ)で入れていただいたにもかかわらず、世間知らずと傍若無人な性格ゆえに多くの先輩や仕事先の人に、毎日のように「常識外れだ」「能なしだ」と怒られた。

劣等生で、決して優秀ではなかったという本田さん。でも、みんながみんな孫正義やスティーブ・ジョブズを目指さなくてもいいんじゃないか。

もっと効率よく仕事をして、もっと楽しく仕事をして、今より豊かになりたい。

そんな等身大の会社員を応援する言葉が綴られています。

・どんな場面でも笑いをとって、とにかく愛されること
・おもしろいもの、新しいものを選ぶ勇気をもつこと
・失敗を糧にする方法
・できる人は何が違うのか
・大きな差がつく仕事の習慣

などなど、昭和のサラリーマンから平成のサラリーマンへのメッセージという雰囲気もありつつ、どれも仕事をする上での普遍的なお話です。

現在は「環境マンガ家」「葉っぱアーティスト」としても活動されているそうです。


昨日ご紹介した『入社1年目の教科書』の筆者、岩瀬大輔さんは、超スペシャルウルトラ優秀な人、でした。

一方で本田さんは「上しかないじゃん」という最後方から駆け上がってきた方です。そんな正反対(失礼)の経歴を持つお二人が強調していることが、

「失敗しろ」

です。

間違えないでほしいのですが、岩瀬さんも、本田さんも、「テキトーにそこそこ」やって失敗したわけではない。その時に自分ができる全力を尽くして失敗したのです。そこまでの過程を、調整すればいいだけ。その工夫こそ、自分の糧になっていくのだと思います。

新人研修を終えて、部署に配属され、実務が始まると、きっと言われるでしょう。

「これ、ちゃんと教わってないの!?」

たぶん聞いています、何回も。研修で教わったことや、自分で学んだことがつながって、実務に活かせるようになるには時間も必要だし、場数も必要です。全力を尽くして失敗すればいいんです。落ち込む必要もないです。

できないなんて当たり前だから。

本田さんは研修中に敬語が使えなかったために叱られてしまうのですが、「頭のいい奴」より「勘のいい奴」を目指したと語っています。

「ああ、あの時言われたことは、コレのことか」

シナプスがつながるまでの時間をどれだけ短くすることができるか。先輩も一緒に考えてあげてほしい。

「愛される型破りになれ」。

33年間の会社員人生を振り返っての本田さんの言葉。笑いあり、笑いあり、笑いありで、かなりおもしろかったです。「バランス」なんて言葉、一度忘れた方が人生楽しめそう。

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