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仕事の基本は「I love you」 『心をつかむ超言葉術』 #262

「I love you」を今のあなたなら何と訳しますか?

約2年前にも同じ課題に取り組みました。「明日のライターゼミ」に講師として来られた、コピーライターの阿部広太郎さんの課題です。

あの時から何か変わっただろうか。成長したものはあるだろうか。

そんな想いを抱えつつ、阿部さんの新刊『コピーライターじゃなくても知っておきたい 心をつかむ超言葉術』を読みました。

自己紹介、言葉の企画、心に残る企画書など、阿部さんが主宰されている講座「企画でメシを食っていく」の課題が紹介されています。

思わずうなったのが、この話です。

あなたには、よく使ってしまう言葉はないだろうか?
(中略)
「ヤバい」「すごい」「エモい」など、使えば何でもいい塩梅になる「味の素」のような便利な言葉。

「味の素」のような言葉!!!

さすが、たとえが秀逸だなと笑ってしまったのですが、阿部さんは「素敵」という言葉をつい使ってしまうので、「素敵禁止」というマイルールをつくっているそうです。

自分にとって使いやすい言葉を禁止にすると、自分の気持ちを表す言葉を探すために脳が回転を始めます。ニュアンス、漢字、ひらがな、定義、句読点、すべてに執着心をもつことで、言葉から情景が生まれる。

言葉を大切に扱うことで、自分の気持ちにもウソがなくなりますし、相手を喜ばせることができるかもしれない。

もっと言葉に、自分に、誠実になろうよ。

そんな風にいわれているように感じました。

阿部さんの本はハートに火がつくんですよね。昨日ご紹介した『待っていても、はじまらない。―潔く前に進め』と一緒に、社会人デビューを目前にした方に贈りたい。この熱さと誠実さは、先輩世代も見習いたい。2冊合わせて、伝えることに苦手意識のある人、仕事にモヤっとしている人におすすめです。


言葉をあつかうすべての仕事の根幹は「I love you」にあると、阿部さんはいいます。

『超言葉術』を読みながら、読み終えて、ずっと考えているのが、わたしにとっての「I love you」です。2年前に課題として提出したのはこれでした。

生きて

入院中の友人に向けての言葉でした。この時、どんな風に考えてこの訳にしたのかもnoteに書いてたんだった。

「I love you」をどう訳すかについて、話が変わるようで続くのですが。

「こんにちは」を韓国語でいうと「アンニョンハセヨ」だと教科書には書いています。Google翻訳などで調べると、「アンニョンハセヨ」が出てきますし、意味としてはそうなのですが。

実際には「アンニョンハセヨ」とあいさつする人はいません。

ちょん・ひょんしるさんが著書『韓国人はアンニョンハセヨとは言わない!?』で書いているとおりなんです。

じゃあ、なんと言うかというと。

朝なら「잘 잤어요?(よく寝た?)」

日中なら「밥 먹었어? (ごはん、食べた?)」

よく会う人や親しい人には、こう言ってあいさつします。わたしはこういう言葉が大好きだったんですよね。韓国留学時代、下宿のアジュンマ(女主人)がいつも「잘 잤어요?(よく寝た?)」と声をかけてくれました。韓国に行って久しぶりに会う友人も、いきなり「밥 먹었어? (ごはん、食べた?)」と言います。

よく寝た・食事をした=ごはんが食べられるくらい元気
寝てない・食事をしてない=忙しくて時間がなかったのか、どこか具合が悪いのか

相手への気遣いをひと言で表している気がするんです。

阿部さんが本で語っている「短く強くシンプルに」を意識するようになって、いまのわたしが「I love you」を訳すとしたら、これです。

「ごはん、食べた?」

2年前のnoteに書いた友人ユキコと一番交わした言葉。生活時間の合わないダンナに一番言う言葉。入社したばかりのメンバーにも、初めての年度末祭りでアワアワしている一年生にも、不機嫌な顔で仕事している同僚にも言う。道で会ったワンコにも言ったことがある。

わたしの周りにはたくさんの「I love you」を伝えたい相手がいます。心から感謝をこめて「I love you」を伝えたい。

「ごはん、食べた?」



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