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「進路選択と問い」をテーマに家庭科の授業のアイデアをシェアした時間

1 シェアした時間とは?


peatix でのイベントページ

「進路選択と問い」このフレーズを聞いた時、どんな問いかけを思い浮かべましたか?クラス担任や進路指導では先生と生徒の間では進路についての問いは当たり前に交わされるものかもしれませんが、これが家庭科の授業でとなるとどうなるのでしょう?

この秋に立ち上げたばかりの家庭科の先生のためのコミュニティ「みらい家庭科ラボ」では、家庭科の先生を対象にしたアップデートセミナーをオンラインで開催し、ご参加いただいた皆様と一緒に授業のアイデアなどについて対話する時間を設けています。

それが”シェアした時間”。アップデートセミナーという名前ですが、今回はみらい家庭科ラボの運営スタッフ2人がそれぞれの授業での実践事例を簡単にシェアさせていただき、その事例を取り掛かりにして皆様で「どんな問いをどう授業に取り入れればいいか?」などについて話をするセミナーを開催しました。

そのセミナーの中で家庭科での「問い」について2つの事例を通して、ご紹介出来ればと思います。

では、今回のセミナーでどんな事例がシェアされ、どのような展開になったのでしょう?その内容を簡単にご紹介出来ればと思います。この記事がお読みいただいた方にとって何かのお役に立てれば幸いです。

2 どんなアイデアが出て来たか?

このセミナーは3部制をとっていてタイムスケジュールは下記のように予定していました。

アップデートセミナースケジュール

今回もこの内容の通りに最初はスタッフのひ一人である私の事例シェアから始めました。

実は、今回のテーマの「問い」は私自身が進学校で家庭科の授業を受け持っていた時に一番頭を悩ませていた事でした。
そこで、その経験談から入り、その後に男子校と女子校で実践した”問いから自分の個性や特性、自分の得意な知能を見つめ直すワークについて説明させてもらいました。

この時は7分という時間制限の中で詳しい説明を省略しましたが、実は今回この事例を紹介させていただいたのは自分自身の在職中の反省からでした。
それは「どうしても教科書や問題集などの問いのひっぱられ、生徒達の興味や関心に沿った彼らを惹き付ける問いがつくれない」という悩みでした。

悩んでいた頃に出会ったあるワークショップで8つの個性をベースにした問いに出会い、そのテーマを探究していく面白さや最後に好きな方法でプレゼンテーションをする形式にとても惹かれ、そのアイデアを授業に取り入れてという事例紹介となりました。
また、家庭科は下の図のように、例えば今回紹介した中1の衣生活分野の探究学習でも多様な科目に紐づいていて、それを意識した上で他科目への興味や関心につながるような問いも作る事が可能です。
他の科目との連携についても今後機会があればシェアしていければと考えています。

中1の衣生活の探究学習と他の科目と繋がり例(字が小さくてすみません)


最後にセミナーの事例紹介の部分はYouTubeで公開していますので、よろしければご覧ください。

YouYubeのチャンネルについては下記をご覧ください。)

もう一つの事例のシェアはみらい家庭科ラボのもう一人のスタッフ木村先生からでした。

私の事例はどちらかというと中学家庭科で取り入れやすい内容でしたが、木村先生の事例は本当に高校の家庭科の概念を変える位の取り組みの紹介でした。

何と言っても生徒達が家庭科の授業から身に付けた思考法を「家庭科る」という動詞にして、それがクラスや学年を超えて学校全体に行き渡り、その思考法を進路選択にも取り入れる事で将来の選択肢が変わってくる可能性があるという内容の紹介は、私も含め参加者の皆さんも興味深々。

その思考に欠かせないのが「問い」という事で、国語科との連携での小論文作成なども含め、最後には「問い」に関わる〈教師に求められる力〉についてもまとめていただき圧巻の事例シェアでした。動画はこちらからご覧いただけます。


3 どんな展開だったか?

ではそれぞれの事例紹介が終わり、ご参加いただいた皆様の反応は?というと、やはり木村先生の事例についての質問やご意見をたくさんいただく展開でした。

さらに、その対話の中でご参加いただいた先生方の実践事例や「問い」に関する課題などもシェアしていただく中、"問いや問いづくり"だけに特化したワークなどの時間もあるといいのでは?という話になり、いつか、みらい家庭科ラボで企画させていただければと考えています。

最後に「問い」の力を磨くために、こちらから紹介させていただいたり紹介していただいた本がありますので、こちらでもシェアさせていただきます。

【問いのデザイン】
安斎 勇樹  (著), 塩瀬 隆之  (著)

【自分の強みを見つけよう
~「8つの知能」で未来を切り開く~ 】
有賀 三夏  (著)


【「問う力」が最強の思考ツールである 】
井澤 友郭  (著)


4 セミナーの最後は?

セミナーの最後の部は全体でのトークでしたが、木村先生の事例のシェアの時間から、すでに全体トークに入っていて、ご参加の皆様にいろいろお話していただけた事であっという間の60分となりました。

ご参加いただいた各先生方にはそれぞれの思いがあり、忙しい時間をやりくりして参加していただいたのだと思います。その中で「少しでも何か明日からの授業や仕事に役立つものを持ち帰っていただきたい」そう願って開催したセミナーでした。

ここは地域や校種や年齢や立場(教諭や講師や助手など)を超えた先生方の集いの場だと考えています。先生方の家庭科の思いはそれぞれでも、ここで集い語り合う事で新たな視点を得てもらったり、仕事のヒントを手にしてもらったり、明日からのエネルギーを少しでも満たしてもらったり、そんな事が出来る場になればと思っています。

このセミナーでは「耳だけ参加」も「画面オフ参加」も「画面オフでのお話」もお好きなスタイルでご参加いただけますので、お気軽にご参加いただければと思います。

ラボで開催予定のイベントは下記のページからご覧いただけますので、よろしければグループをフォローしていただけるとうれしく思います。

5 まとめとご案内

最後に「みらい家庭科ラボ」の活動をまとめたリンクとLINEグループの紹介をさせていただきます。

LINEグループにご登録いただけると最新のイベント情報などをお届け出来ますのでよろしければご登録下さい。


LINEグループQRコード

こちらが活動のまとめサイトです。

最後までお読みいただきありがとうございました。
この「みらい家庭科ラボ」は在職中、パートの非常勤講師にも関わらず一人で私学の家庭科を受け持っていた時に、”誰かに相談したくても誰も周りにいない” ”実習や授業の事などちょっとした家庭科のおしゃべりをしたくても相手がいない” そんな孤独や不安をずっと感じて来た経験から自分自身が一番欲しかった場だったのかもしれません。

今、本当によちよち歩きで立ち上がったばかりのコミュニティですが、一人でも多くの家庭科の先生にとってお役に立てる場になる事が出来ればと願っております。どうぞよろしくお願い致します。〈終わり〉