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【駆け出し期】ライターお悩み相談|SNSの育て方を教えて!まむしさん

このたび、『誰も教えてくれない編集力の鍛え方 ~AI時代を戦う編集者・ライターの生存戦略~』の著者であるまむしさんに、インタビューさせていただく機会をいただきました。

まむしさんは、「#ジブリで学ぶ編集」ツイートやライターマガジンのセミナーでもお馴染みです。

この企画は、「なつみと式Webライティング講座」の受講メンバーが、駆け出し期のライターのために、まむしさんとのゆるいつながりを生かして立ててくれたものです(感謝!)。

インタビューの形式は、わたしを含む受講生3名がリレー方式でインタビューをおこない、その内容をもとにそれぞれが記事を書いた特殊なものです。

本記事が、SNSを戦略的に活用したいと思っている駆け出し期のライターや、子育てや介護が一段落した地方の主婦ライターの参考になれば幸いです。

【まむしさんのプロフィール】
慶應義塾大学法学部卒業後、ネットニュースにて記者を務め、2013年には国内大手のメガベンチャーへ転職。編集部門をゼロから立ち上げ、編集部門の責任者として10以上のウェブメディアの立ち上げに携わる。2020年には経営学修士(MBA)を取得し、ビジネス領域での理論応用した編集現場での知見を各地で講演・執筆している。これまでセミナーは1000人以上が受講。
note:https://note.com/mamushimamu
X(旧Twitter):https://twitter.com/mams428

誰も教えてくれない編集力の鍛え方 ~AI時代を戦う編集者・ライターの生存戦略~より

※この記事にはPRが含まれます(文末)

駆け出し期でも真似できるSNSの運用方法

駆け出し期のライターでも、できそうなSNSの運用方法について伺いました。

自分に合ったスタイルで発信する

僕は今回を含めて大きく3回Twitterを始めたことがあります。過去の2回、Twitterが失敗しないまでも成功しなかった経験を振り返ると、崇高な目的意識や「こうみせてやろう」とブランディングを意識したことが、かえって読者とつながるのを妨げていたのかもしれません。

1年前に始めたTwitterが多くの人に受け入れられたのは、等身大の自分に近い発信ができていたからではないかと思うのです。肩の力がほどよく抜けていたというか。

さらに今回の成功要因を挙げるとするなら、顔がみえる数人を確実に作ったことでしょうか。その方法が、結果的に自分のスタイルに合っていたのだと思います。それも意図してやったというよりは、自分の信条からきたものでした。

「身の回りに3人くらい気の合う仲間がいれば、大概楽しく過ごせる理論」というのが僕のなかにあります。仕事でもプライベートでも、3人くらい仲のいい人ができて、日常的に和気あいあいとやりとりできていれば、日常が豊かになると実感したことが背景にあります。

フォロワーの数は気にせずに、普通に思ったことを「あ、これすごい」など 自然体でつぶやいていたら、結果的に友達が増えていく。そんなふうになったら理想的だなと思いながら取り組んでいました。

読者理解のためにSNSを活用する

たとえば「育児について発信できるぞ」があるんだとしたら、育児ライターさん同士でつながるよりは、何か別の切り口で育児をしている方とつながるほうが有意義だと思っています。同じテーマだけど、別の切り口で実践している方や、普通のママ・パパなど育児に取り組んでいる方々とうまくつながれるとよいのかなと。

先ほどTwitterに関しては成功しなかったという話をしましたが、SNS全体で言うと、失敗した陰では、実は人知れずFacebookのネットワークを育てていました。Twitterが駄目ならFacebookでたくさん人とつながるというのをやっておけばいいなと思って。

僕は医療業界の専門メディアを担当しているので、30代のうちに医療従事者の友達を1000人作ろうという目標を決めました。要するに人に会おう、名刺を交換しようと。

イベントやセミナーに参加して、隣の席に座っている人と仲よくなって、そこで「いつでも情報交換しましょうよ」とか、「他にもセミナーの情報があったら教えてください」みたいに輪を広げていく活動をしていました。

お仕事のつながりというよりは読者理解という点で、つながりのなかった人とつながりたいという欲求が強かったんです。医師や医療従事者の友達をたくさん作れば、Facebookの日常の投稿もみられるし、いつでもメッセージを送れるような関係性が作れるので、念願のターゲット理解にもつながりました。

人がやりたがらないことを率先してやる

ーーまむしさんがステップアップしていく上で、ちょうどいい挑戦を意識してきましたか?振り返ってみて、この辺の挑戦が成長にちょうどよかったなと思うものがあれば、教えてください。

僕自身は、計画的にほどよい挑戦をしてきたという意識はまるでないのですが、目の前で楽しそうなことが起こったら全部食いつく精神でやっていて。結果として、それが非常によかったのかなという印象はあります。

仕事で言うと、他の人がやりたがらないことを率先してやってきたら、バランスよく全体をみられるようになったとか。そうした経験から、直接関係のない仕事でも積極的に取り組むようにしています。

具体的には、デザイン、ページのレイアウト、数字の分析など、記事をつくるために必要だけど、文章を書くという行為ではない部分。その辺を、ライターや編集者はやりたがらない傾向が大きいのですが、逆にそこを学んできたことで、サイトをつくる上で大事なポイントやバランス感覚を養うよい経験になったと思います。

伝統的な編集者の方はその辺がそれほど強くなかったりするので、嫌わないというだけでも強みになると思います。

実践編

駆け出しライターや子育てや介護が一段落した主婦、40代や50代、またはそれ以上の年齢から始めたライターが、どう実践すればよいかについてヒントを伺いました。

得意分野のみつけ方

「自分の専門性がみつかりません」という質問をよくいただきます。この場合、ご自身の5年くらい前に、すごく悩んだテーマなど、そういうものを元に作ってみるといいのではないかと思います。

「そういえばキャリアに悩んでいたなあ」とか、「資産形成すごいがんばったぞ」とか。そういう経験があれば、それを軸にした上で、5年前の自分に発信するくらいの気持ちでやってみる。すると、ターゲットも明確になりますし、実体験に基づいた発信ができるようになっていくので、みつけ方と伝え方の両面がクリアになっていくと思います。

ただ過去の経験一つだけで戦うと、知見もすぐに底をつきます。自分の過去を振り返りながらも、一方で自分にない視点をもたらしてくれる人とつながっていく。すると、「こういうみ方もあるんだ」とか、「自分はこうだったけど、Aさん・Bさんの視点だとこういう解決策もあるんだな」という複合的な視点を持てるようになっていき、さらなる専門性の増強につながります。

いろいろな編集者やライターのスタイルがあるとは思うのですが、僕は自分の頭一つで解決するというよりも、人に話を聞いて解決できるなら、そのほうがスムーズだと思うんです。いきなり無理難題が下りてきても、自分1人でそれを解決しようと思うと、大した知識量もないので、一瞬でその限界が訪れる。

そのときに聞ける相手がどれだけいるか、気軽にDMを送れるような関係性の相手が何人いるかが、結構大事だなと思っていて。それに快く応じてくれる人を何人増やすかという気持ちでやっています。

生活者としての視点を生かす

子育てや介護に一段落を迎え、新たな活動を始めたいという方からのメッセージが増えている印象です。そういう方の場合は、やはりそれまでの経験をどう生かすかが、一つのポイントになってくると思います。

僕自身も母親が40代後半でママライターデビューしまして。今からもう20年ぐらい前でしょうか。

遅咲きのママライターを、息子という視点でみていたのですが、今思うと結構学びも多かったなと。母親は、育児の経験や長かった介護の経験を生かしていました。

生え抜きのライターさんと同じ土俵で戦ってしまうと、ライターとしての経験値のところで差がついてしまうので、いかにそこではないところで戦うかという視点は非常に大事になってくると思います。

アクティブシニア向けの市場で根を張る

昨今だとまさにアクティブシニア向けの市場が大変盛り上がっていると思います。

プライベートではnoteを始めたのが大きかった。媒体を、自分自身でゼロから盛り上げるというか、何もないところから発信をして、それなりの規模にしていくというのは非常に勉強になります。

とくにシニア層の方は、これまでの蓄積で書けることが多い分、お悩み相談みたいなものにも答えやすいと思います。

日記ではなくて、そうした目的意識に基づいたシニア層の方のブログやnoteってそれほどないような気がするので、そこのブランディングという観点でもよいのではないでしょうか。

非常に意識の高い人たちに対して、自分ごと感を出せたりとか、「こういう悩みってありますよね」と語れるのは強いと思う。逆に言うと、そこに根を張るというか、今の市場における「あるある」を発信していくと強みになるのではないか。

その年代、今50〜60歳でライターを生業にしている人たちは、生え抜き感がある。逆に言うと編集世界を主軸にキャリア形成してきた人たちが多いので、彼らにない視点というと、生活者としての視点になってくると思います。そこをどうコンテンツに盛り込んでいくかがポイントではないでしょうか。

キャリアをどうやって積んでいくか

まむしさんが編集者としてのキャリアを積んできたなかで、挑戦や失敗をどのように自分の糧としてきたかについてお聞きしました。

挑戦して失敗したことより、挑戦しなかった後悔のほうが大きい

格好つけた回答になるかもしれないのですが、これまで挑戦したけどよくなかったことはあまりなくて。それよりも、やらなくて後悔したことのほうが多い気がします。

とくに僕の働いている職場が、3年以内の離職率が高いこともあり、今一緒に仕事をしている人たちがある日いなくなってしまうことが非常に多いんです。

そういう別れを体験してきたので、
「もっと本気で仕事をしていたら、あの人ともっとおもしろい仕事ができたのに」
「あのとき妥協していなかったら、この人ともっといろいろできたかもしれないのに」
やらなかったなという悔しい思いが、自分のなかにしこりとして残っているのです。

そういう後悔があるからこそ、「その人が何をやりたいのか」とか、「そういう人ならどこまでできるのか」「コラボレーションするとしたら、マックスどこまでできるんだ」と考えるようになりました。

SNSで育てた人脈スキルは、5年後・10年後の働き方を左右する

SNS戦略のFacebookのネットワークを育てる活動は、そのときはバズらなかったにせよ、読者理解が進んだという点でうまくいった戦略でした。ライターさんのスキルの一つとしても、人脈ネットワークが大きなウェイトを占めると思います。

大事なのは有名人との人脈ではなく、何かについてわからないことが出た瞬間に聞ける相手がどれだけいるか。Facebookなり、Twitterでつながった人に即座に聞ける関係性は強みです。

友達の友達でもいいので、知っている人を知っていそうなネットワーキングが強い人と仲よくなっておく。そうすると、いきなりわけのわからないテーマを振られたときなどに、話が非常に早く展開する。それは、5年後・10年後の働き方を左右するくらいの話につながっていくんです。

信頼関係のある数人をSNSで作れると、「今このようなことに悩んでいます」「こういうことができるようになりました」「誰か一緒に何かやりましょう」など発信すると、「僕もこの教育やっています」などと誰かが反応してくれます。

研究開発の領域や営業など、自分とは違うアプローチでがんばっている人たちと仲よくやりとりできるようになってくると、そこで新しい知見が生まれたり、「コラボレーションして一緒に配信してみましょう」と輪が広がっていく。

そうした取り組みをSNSで続けていくと、お互いのフォロワーさんが寄ってきて、しだいに輪が広がっていきます。自分1人の発信では呼べない人を呼べるようになってきますし、そのなかから友達が増えていくこともあり、ぐるぐるぐるって輪が広がっていくイメージ。実際にそこから「何かセミナーやりましょう」という企画につながることもあるのです。

まとめ

インタビューは終始和やかで、かつ学びの多いものでした。駆け出し期のライターへのエールのような内容で、まむしさんのお人柄が伝わってくるようです。

人脈のくだりでは、これまでの生き方を問われているような気がしましたが、裏を返せば、ライター人生は「これからの人生をどう生きるか」にかかっているとも言えます。厳しさとほんの少しの希望がつまっていたお話も聞けました。

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この記事は、『なつみと式Webライティング講座』内の企画により作成されたものです。

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また受講生用のコミュニティでは、受講生同士の交流や、オンライン交流会、勉強会なども開催されています(今回のインタビューもコミュニティ内の企画なので、なつみ先生のサポートを得ながら進めてきました!)。

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文:さつき うみ
キャリアコンサルタント(ライフ・コーチ)・Webライターとして活動しています。2020年2月に独立、2021年9月からストレングス・コーチの活動を開始。2023年からはライター業を始め、活動しています。


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