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宇宙と海の密接なる私たちへの干渉

 海と宇宙はよく似ている。
 
 それを裏付けることはできないけれど、そういうものだと思うのだ。
 
 砂浜に広がる小柄な貝殻で出来た白い天ノ川に、何処か異国から流れ着いた古い空き瓶の一等星。
 
 流木も、かさかさと動く蟹の親子も、海という宇宙を形創る部品だ。
 
 私もその部品になりたくて、砂浜に足跡を残したわけだけれど、それは次の日には風に潮に凪がれてしまう。
 
 けれど宇宙からすれば、人とはそんな程度の異物なのだ。

 何億もの時を過ごした宇宙に現れた、ほんの少しの異常。しかしそれは同時に偶然とは片付けられない必然でもあるのだ。
 此処に今立っていることは、それこそ宇宙と、海とが作り出した必然なのだ。

 けれども時に私たちはそれを、忘れがちだ。

 此処に居ることが、最善で最高の、当たり前であるかのように。

 海に消えた貝殻を拾い上げ、打ち上げられた珊瑚の星を手にする。
 
 此処に生かされていることを、私たちが知るために。



(宇宙と海の密接なる私たちへの干渉)

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2018.01.31