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コントラスト

入院中の母から明るくない知らせを聞いて気持ちがぞわぞわしている時、「ぬいぐるみ病院」から一通のメールが来た。 


こんにちは!  ぬいぐるみ健康法人 もふもふ会 ぬいぐるみ病院 ナースステーションです。 この度はご入院いただきましてありがとうございます!   とっても可愛いご家族が無事に到着してくださいました!   とても愛らしくかわいいです!(*^-^*)   大切なご家族をお預けくださいましたこと光栄です。ありがとうございます。  更にかわいいくなっていただけますよう全力を尽くします!(*^-^*)


先日、メンテナンスのために送ったぬいぐるみが届いたようだ。テンプレだとわかっていても、大事にしているぬいぐるみを「かわいい」と言ってもらえると嬉しい。親バカってこんな感じなんだろうか。同じ病院でもこっちは夢がある。今私の身近にある二つの入院は、コントラストがはげしすぎやしませんか神様、と言いたくなって笑えてきた。

今日は休みを取って実家に来ている。夫も駆り出して、主不在の庭の草取りやそうじをする予定だ。一週間ぶりに帰ってきた実家に、いつも当たり前のように出迎えてくれた母がいないのが物足りなくて、何かの間違いみたいな気がしている。

田舎の朝は明け方に小鳥が一斉に鳴く時間があり、今もウグイスの声が休みなく聞こえてくる。窓を開ければ緑にあふれ、静かで安らぐ場所だ。東京とは時間の流れが全然違い、別世界みたいに思える。

ここで暮らしてもいいなぁと本当は思っている。オンライン化が進んだことで、仕事だって家で出来ることが分かったし、無理な話でもない。ただ、周りと折り合いをつけなければならないことが沢山あって、考えるのを保留にしている。

また母が家に帰って暮らせますようにと今は願うばかりだ。どうしていいか分からないとき、最終的には祈ることだと友人が言ってくれた。慣れ親しんだ家で、穏やかに暮らさせてやりたい。そんな祈りが届きますように。


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