「ふつう」を読んで。
ずっと前に買って積読したまま読まないとと思っていてやっと読みました。
プロダクトデザイナーの深澤直人さんの著書です。
無印良品や±0など数々のプロダクトをデザインされています。
今まで「ふつう」というと、「ふつう=平凡=ありきたり」のような感じで、善し悪しの問題ではないけれど、どちらかというとふつうではない方がいいのでは?とも、思っていたりしました。
人と違うことをやったり、人より抜きん出ることが成功する秘訣のような感じで、ふつうにならないことを推奨していたり。
でも本書を読んで「ふつう」って凄くて、素敵なんだとわかった。
宇宙の法則にパラドックス(逆説)がある。
人は特別に憧れる。
だから特別な中に良さがあるのだろうと思うけれど、ホントの良さはふつうの中にある。
ふつうの中にある光を見出せる力を養うことが大事なんだ。
本書を読んでふつうは自然と似ていると思った。
自然は違和感を感じないけれど、違和感を感じたらそれはふつうではない。
デザインをしていても、ちょっと面白い風にしてみたいとか、変わったフォント使いたいとか、いろいろ装飾したくなったり、ふつうを避けようと考えてしまったり。
まだまだだから、そうやってムクムクと湧いてきたら、一旦ふつうに戻ろうと思う。
深澤さんの言語化力がすごかった。
メモ
ふつうというのは結局みんなが戻りたいところじゃないだろうか。
ものからデザイン臭が消えるまでにどのくらいの時間がかかるのだろう。最初から良いデザインだったものが、ふつうに良いものになるのにどのくらいかかるのだろう。
デザイナーは物だけデザインしてはいられない。暮らしという全体の「雰囲気」をつくらなければいけない。結局は空気をつくるのだ、と私は思う。
「ださい」とか「かっこわるい」とか「ふつう」とか「古くさい」とかいう言葉はデザインという意味の対極にあって、ネガティブな意味に捉えられがちなのですが、実はそのなかに生活の安心とか、潤いとかいう日常の美が潜んでいるということはあまり気付かれていないのです。
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