【春の句】春来たる 護のごとき葉書たち

春来たる 護のごとき葉書たち 　〈未芙美〉


立春は、たぶん私が最も意識する二十四節季。歳時記の中でも特に好きな季語のひとつです。

ちょうどこの頃に家族の記念日があるので、個人的に時の流れを強く感じる時期、ということもありますが。
この頃にいただくお便りに特別なモノが多いから、というのも理由のひとつだと思います。

イベントホール勤務時代に少しだけ、古典芸能関係のお仕事をしていた〈未芙美〉。
お世話になった演者さんや先生方から、立春にお葉書をいただくことがあります。理由はさまざまですが、まぁ年賀状の代わり…に頂戴するのです。

「立春大吉」
「笑門来福」
この日にいただくお便りのほとんどに、私の大好きなこの2つの言葉が書かれています。

これが、幸運の御守をいただいたような、目出度い気分になるのです。
ほぼ毎年、年明けを慌ただしく迎えてしまった、一年の計を練ることなくスタートしてしまった…と、微妙な落ち込み気分を抱えているこの時期の私は、
この言葉を見ると、
「よーし、新年、仕切り直すぞーっ」と、気持ちをリセットできるのです。

今年は、「病魔退散」などの言葉も沢山書かれていて、まさに魔除けの御札を授かったような。。。
折しも東京は緊急事態宣言の延長が宣言され。まだまだ堪える日々が続く訳ですが…ひとりじゃないんだな、と心強く。

さまざまなご縁に守られて今この春を迎えるのだと、皆で笑って無事に明るい未来を手にするのだと、改めて思った立春なのでした。