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【立夏の歌】夏来る 心の船に帆を上げていざ漕ぎ出さむ 夢の海原

夏来る
心の船に帆を上げていざ漕ぎ出さむ
夢の海原
            〈未芙美〉

立夏の句でも…と思っていたのですが、こんな歌になりました。
イメージは、私の読書人生を開いた物語、S.C.ルイスの『ナルニア国物語』シリーズに登場する、もの言うネズミ・リーピチープです。

『ナルニア国物語』については、いつかどこかでゆっくりとお話したいと思います。。。

子供の日の今日。立夏の今日。
幼い頃から大好きな、タンタンのTシャツをタンスの奥から出して着て、買ったばかりのボディバッグに財布と飲み物を入れて。1階まで階段を駆け下りて、外へ出ました。

と、いっても、こんなご時世、どこへ出かけられるはずもないのです。
行き先は公園を抜けた先の最寄りスーパー。3日に一度の買い物をするだけの、いつもの日常。
でも、今日は、ひとつだけ、いつもと違うことがありました。
ポストに寄って、シナリオ教室の申込書を投函したのでした。

「シナ勉」再開。去年からの、懸案でした。
資格試験が終わったら、復職して落ち着いたら…と、自分に言い聞かせて、ここまで引き延ばして来ました。講座に申し込めば、〆切の来る生活が始まってしまうからです。
勉強が一区切りつくたびに、ご褒美と称して単独の講座に参加して…でも、書くという行為にどっぷりと浸ることのないように、自分にブレーキをかけていました。
長い休職からようやく社会復帰しよう、という私は、とてもとても慎重でした。

3月に無事復職した時は、「早くても年末かな…」と。思っていたのですが。。。
その気持ちが揺らぎだしたのは、緊急事態宣言あたりから。

大好きな寄席や劇場が閉まり、美術館・博物館が閉まり、図書館や書店が閉まって。
心を潤すたくさんの文化が、突如、手の届かぬものになりました。
職場で、「お給料って命の値段だったの?」と突っ込みたくなるような言葉をちらほら聞くようにもなりました。
在宅勤務の権利をもぎ取って、アイドリングタイムを資格の勉強につぎこもうか…などと画策していたら。ほとんど全ての夏季試験が中止になりました。
心を充たすものが減っていき、確かな先の予定が何もない生活。

自分の心に種をまき、成長記録をつけるような、そんな営みが欲しい。
かわりばえのしない暗いニュースが続く中で、そう思うようになりました。

それでも、踏ん切りはつかなかった。
決めたのは、昨夜です。

昨夜の記者会見で、延長戦の決定が発表され。
覚悟はしていましたが…この1ヵ月、心の支えにしていた、「5月31日に、余一会のために寄席に行く」という毎年恒例のイベントが、今年はやって来ないと知りました。
そして、ありとあらゆるものを奪われ我慢を強いられている私たちに語られた、相変わらずのうすらぼんやりした説明と「新しい生活様式」。
…「スマートライフ」と耳にした瞬間、「けっ」と毒づいた私です。

やってられるか、と思いました。
この状況下で品位と礼節を持って暮らすことと、「欲しがりません勝つまでは」みたいな精神論は別です。
コロナと闘う戦略として行動を慎むことと、昼行灯みたいな政府を我慢することは別です。
そして、心を充たす文化を我慢することも別です。

政府の方は、次の選挙見てろよ、という感じなのですが…文化に関しては、もう我慢なんて止めたやめた! と自分の心を決めるところからだと。
外出は控えますが(って言いながら、職場でテレワーク禁止案が出てるんだけどねっ)、心の冒険なら、もういくらでもしてやろうじゃないか、と。

少年ルポライター・タンタンのように、好奇心の赴くままに、行けるところまで行って、書けるだけ書いてみよう。
日付変更線を超える頃、そう決めて、通信講座の申込書を記入したのでした。

シナリオ教室から、教材が届けば。
週ごと、月ごとにテーマ・枚数指定の課題と格闘する日々がスタートします。
それは、復職先での足場を固めきっていない私には、負荷になるかもしれません。資格試験が再開されれば、さらに大変かもしれません。
でも、自分の心を充たすものを我慢するのは、もう止めようと決めたのです。

この先、どんな世界が来ようとも。
自分の夢や、文化との接点を諦めることはしたくありません。
そして、たとえ倒れる日が来ても、『朝びらき丸 東の海へ』のリーピチープのように、鼻面を東に向けて夢を見ていたいのです。

*******Prairie Dog*

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