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元教授、がっちりマンデーで「プロ向け文房具」に学ぶ: 定年退職142日目

先日、日曜日の朝に放送されている TBS テレビの「がっちりマンデー!!」を視聴しました。この番組では、頻繁に私の興味を引く話題が取り上げられてうれしい限りです。今回の特集は、高性能な「プロ向け文房具」についてでした(タイトル写真:注1)。具体的には、カッター、マーカーペン、メジャーという一見地味な文具でしたが、いずれもプロの要求に応えるために驚くべき進化を遂げていました。ここでは、特に印象に残った2つのアイテムについて詳しく紹介します。


何にでも書ける「ソリッドマーカー」

まずは、(株)サクラクレパスの「ソリッドマーカー」というペンです(下写真)。サクラクレパスといえば、社名の通りのクレパスで有名な大阪の文具メーカーで、全芯の色鉛筆「クーピーペンシル」や名前を書くペン「マイネーム」などでも知られています。「ソリッドマーカー」は主に産業用に開発されたペンで、特徴は何にでも書けるということです(下写真)。ゴムや金属、ガラス、木など、あらゆる素材に書くことができ、高温(150℃でも)や水中でも使用可能で、こすっても落ちにくいという特性があります。番組では、水中で文字を書くデモンストレーションが行われました。クレパスは少しだけ書けましたが、油性ペンでは全く書けませんでした。一方、ソリッドマーカーは問題なく水中でも書くことができました。

(株)サクラクレパスのソリッドマーカー(注1)
何にでも書けるソリッドマーカー

一見、クレパスと似た素材のように思えましたが、どうやら違うようです。クレパスは顔料に油とロウを混ぜたものなので、水中では板との親和性がなく定着できなかったようです。一方、ソリッドマーカーは合成樹脂(+顔料)から出来ていて、固体と液体の間くらいのドロッとした素材なので、それが水中でも板にへばりついた理由のようです(下写真)。番組内では素材の詳細は明かされませんでしたが、公式サイトによると、PP(ポリプロピレン)と POM(ポリアセタール)と書かれていましたので、分子量の大きくない合成樹脂(オリゴマー)を使っていると思われます(これは私の推測ですが)。いずれにせよ、溶剤を含まない固形タイプなので、飛沫もなく、上向きでも書けるとのことでした。使用シーンは限定されるかもしれませんが、他の追随を許さない特長を持つペンだと感じました。

水中でのデモンストレーション(注1)
水中でも板にへばりつくインク(注1)


超軽量化された工事現場用「スパイラルメジャー」

次に紹介するのは、プロ仕様のメジャーです。新潟県三条市の新潟精機(株)という測定工具(ノギスや水準器など)の製造、販売を行っている会社の「スパイラルメジャー」です(下写真)。4年で5万個を販売し、グッドデザイン賞も受賞しています。私が子供の頃、初めて金属製の巻尺が登場しました。必要な長さに伸ばして使用し、不要な時に巻き取れるという機能が画期的で、それを見た子供たちが遊びに使ってよく叱られました。これ以上進化の余地はないと思っていましたが、工事現場などでは持ち運び時の重さが課題になっていたというのです。

新潟精機(株)の「スパイラルメジャー」(注1)

従来の金属製巻尺は、ケースと巻き取るためのバネが必須です。しかし、軽量化のためにはこの2つをなくす必要がありました。開発者の話では、ランニングや水泳の時に腕に巻き付けるワンタッチバンド(追記1参照)からヒントを得たそうです(下写真)。この発想により、ケースとバネが必要なくなり、格段に軽く持ち運びやすくなりました。さらに、両端に磁石を付けて固定も可能となり、建物の強度を証明するための配筋写真撮影時などに大変便利になったそうです(追記2参照)。なんと、装備全体の重量は10年前と比べて1/30になったとのことです(下写真)。

ワンタッチバンドからヒントを得た(注1)
装備全体の重量は10年前と比べて1/30になった(注1)


今回も、「がっちりマンデー!!」でワクワクするような製品に出会うことが出来ました。特に、プロの視点から生まれた技術革新は素晴らしかったです。これからも、面白い情報があれば、noteで紹介していきたいと思います。では、また。

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<追記1> ワンタッチバンドとは、プラスチック製のバンドで、腕に当てると自動で巻き付く仕組みになっています。実は私も、水泳をやっている海外の子供へのお土産として、このバンドを購入(ウェアラブルメモとして)したことがありました。ただ残念ながら、私はメジャーとしての使用は思いつきませんでしたw。

<追記2> 鉄筋がどのくらい入っているかを、コンクリートを流し込む前に写真で記録することが義務づけられています。 

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注1: TBS テレビの「がっちりマンデー!!」番組より


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