【ただの日記】赤ちゃんって可愛い。
緊急事態宣言が発令され、家でゴロゴロする生活が始まった。
4月29日。
僕は9時に起きて、9時半からの自主ゼミと言われる学生だけの討論会にzoomで出席し、ぼけぇーっと他人の話を聞き、時間を消化し、眠い目を擦りながらリビングへ向かった。
すると、リビングには見慣れない従姉妹夫婦がいた。
3歳だか、4歳だか年上の男の従姉妹である。
一昨年結婚し、今は八ヶ月の男の子供がいる。
実家が僕の家の向かいなので、ゴールデンウィークで帰ってきているのだろうと推測した。
「おぉ、久しぶりー」
と僕は言いながらリビングに入ろうとしたその時、床に何かいた。
赤ちゃんだった。
僕はテンションが上がった。
僕が赤ちゃんとちゃんと触れ合うのは、18年前の僕の兄弟以来だったからだ。
除菌とマスクをして、赤ちゃんがハイハイしている近くのソファに座った。
座ると「誰?」とばかりに赤ちゃんが僕の顔を覗いてきた。
赤ちゃんとのファーストコンタクトだった。
なんて可愛いんだ。
勝手に表情が緩み、奥歯を噛み締める。
僕が手を振ってみると、ニヤニヤと口を開けて笑顔になり、無い歯を見せてきた。
また、その子は両手を上手に使い、体を支えながら立ち上がった。
八ヶ月でたてるようになるんだぁと思いながら、みていると、おぼつかない足取りで僕の方へ一直線に向かって来た。
「おじさんが気になるのー?」とうちの母親が言ってて、だれのこと言ってんだろと一瞬疑問視したが、すぐに理解した。
あ、俺が、おじさんなんだ。
僕にとって、初めての従甥なので光栄なのだが、おじさんと言われたことからは、歳をとったものだなぁとしみじみする感想を覚えた。
僕の膝に手を置いて、僕の顔を覗く赤ん坊。
雪見だいふくのような手に、ぷにぷにの肌。
綺麗な二重にさらさらの直毛の髪の毛。
あぁ。可愛い。非常に絶景である。
こんなに可愛い生命体が世の中にいるのだなと奥歯を噛み締めながら感じた。
僕は赤ちゃんに話しかけた。
「因数分解って知ってる?」
訊いてみたが無視された。
どうやらまだ言葉は通じないらしい。
代わりに、手にあるトランプを消したり出したりするマジックを赤ちゃんに披露してみた。
それも無反応だった。
つれない男である。
今の時期に受ける外部の刺激がどれだけ今後の性格に関係するんだろう。とちょっと真面目に考えながら、赤ちゃんと遊んだ。
いや、遊んでもらったが正しいか。
そんなこんなで挨拶程度の短い時間で赤ちゃんと従姉妹夫婦は帰っていった。
僕は小学生とか子供と遊ぶのが好きなので、数年後大きくなったら、オセロとかバスケとかジェンガとかやりたいなぁと考えた。
で、コテンパンに大人気なく勝つ。
悔しくて泣こうが負けない。
嫌なおじさんなのだ。
まぁ、「彼女できた?」「何歳で結婚すんの?」と訊いてくるようなダルいお節介な叔父さんにはならない。赤ん坊よ、安心してくれ。
いずれにしても、あっという間の時間を過ごして、赤ちゃんっていいなぁと感じた。
また、従兄弟のように4年後とかに嫁や子供がいる生活は想像つかないため、想像以上に羨ましく感じた。そもそも彼女を作るのが先か。
ちなみに、この夫婦の出会いはすごい。
花屋さんの店員とお客なのだ。
その従兄弟も大学院生だったのだが、M1の頃、先輩の卒業祝いの花を度々買いに行ったところ、店員さんと徐々に仲良くなり、連絡先を交換して、付き合ったのだという。
非常に恋愛ドラマさながらである。
嵐の「love so sweet」がピッタリのBGMだったろう。
…そんな話はよい。
まぁ、赤ちゃんとまた遊びたいなとは思うのだが、この赤ん坊がぐいぐい成長していく様を楽しみにしていきたい。
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