【ただの日記】ラインが消えた日
iphone13を買った。
約四年使ってきたiphoneXから新iphoneにicloudのバックアップを使い、授業を全く聞かずに講義中にデータを移す。
データの移行が終わり、旧iPhoneでラインを開くと「データが削除されました」との表示が出て、息を飲んだ。旧iPhoneもipadも、強制ログアウトさせられた状態になった。その画像がこちら。
どうやら、同じ携帯番号で二つの端末からログインすると、ラインのデータが飛ぶシステムのようだ。防犯システムの一種なのだろうか。僕は知らずにそのような地雷をまんまと踏んだ。
まぁ「この端末に」とあるから旧iPhoneのデータが飛んだだけだから大丈夫と思っていたのも束の間、icloudに残っていたバックアップデータはipadのやつだけであり、iphone13には間違ってipadのデータを移行してしまっていた。説明が長くなるので省略するが、結論からいうとiphoneXのバックアップが取れておらず、iPhoneXのLINEが消えてしまった状況。よって、LINEのデータが死んだ瞬間だった。
一連の出来事を理解して、全身の血の気が一旦引くのを感じた。すかさず、LINEのアプリを閉じ、iphoneXのバックアップを作成し、iphone13に移行する手続きをした。まだLINEのバックアップが取れるのではないかという可能性に賭けた行動だった。でもLINEが消えた可能性の方が圧倒的に大きい。
教授はいつものように揚々と話しを進め、受講生はみんなそれを聞いている。対し、僕は授業どころではなくなった。中学3年生から使い続けているラインのアカウントとの突然のお別れだったのだ。
ラインは自分にとって一番大事なアプリと言える。
消えたショックはデカすぎるものだった。
このテヘペロ的な表情をしてやがるアバターに心の底から殺意を抱きながら画面を眺めた。
ラインのアカウントとの別れは、数百人の知り合いとの一旦のお別れを意味した。ゼロからやりなおしである。もちろん、地元の友達や部活のメンバーなど、コミュニティーに属する人たちとの関係はすぐに戻せる。ただ、単発バイトで知り合った人などの他の連絡手段を持たない人たちとは完全にお別れである。
あーあ、やっちまった
他の連絡手段も入れておくべきだったなぁ。
授業中に頭を抱えた。
大切なのは後悔じゃなくて反省であるっていう言葉が好きな僕であるが、一時間前の自分の行動に後悔しかしなかった。しっかり確認しておけば…と。
30分くらいネットサーフィンをしてひたすら解決法を探したが泣き寝入りするパターンしか記事になかった。余計に絶望した。ライン本社に連絡しても、対処してくれなかったとの体験談の記事があったのだが、一応ラインのサポート的なやつに「引き継ぎができないんですけど助けてください」的なバカ丸出しの連絡を入れておいた。だが望みは薄い。
時間が経つと段々とラインとのお別れを受け入れる思考に変わってきた。能天気さが発揮されてきた。
・このタイミングで人脈の整理をして、大事な人だけと繋がればいい話なのかな。
・割と自分は幸せなのだから、こんくらいの罰は受け入れるか。
・最近連絡していない人とも「ライン変えましたー」と話せる機会にすればいいか。
なんて考えながらLINEが消えた現実を受け入れようとした。
帰りの電車いろいろ考えさせられた。気付かされた。
・想像以上にラインというコミュニケーションツールが自分の生活の一部となっていたこと。
・ラインというコミュニケーション機能のみに依存していた人間関係があったこと。
・オンラインの関係性の脆さと、オフラインの関係性の盤石さ。
存在して当たり前だと思っていた人間関係のプラットフォームを失った瞬間、感じたことは新鮮そのものだった。昔の人はLINEなんて使ってなかったのだぞとしみじみ考えた。
で、結局、ラインのアカウントは戻った。
家に帰ってしばらくするとバックアップが復元し終わった。急遽取ったバックアップのなかでラインのデータは残り、なんとか元通りになったのだった。
咄嗟の判断でラインのアプリを閉じ、バックアップをとった行動が功を奏したのだろう。
あの時の俺ありがとうと心から感謝した。
ちなみにラインのサポートも迅速な対応をいろいろとしてくれた。最終的には結局自己解決してしまったため、「解決しました」との旨を伝えて落着したが、アカウントが消えてもなんとかしてくれそうな空気感を感じた。だれか、同じようなことが起きて困ったらLINEサポートを頼ってみてほしい。
ともあれ、LINEが元通りになった瞬間、LINEが消えた時に考えさせられた様々な発見や考えごとはスっと消えてしまった。
人間とは忘れっぽい生き物なようである。
であるから、忘れなかったことを忘れないうちにここに残そうと思う。
バックアップは大切に。
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