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平面上の合同な図形は3回以内の対称移動で移る

 この記事は、だいたい中学1年生くらいの知識で理解できるように書きます。ただし、ほんとうに中学1年生がきちんと理解しようとなさったら、本格的にノートとえんぴつを用意していただく必要があるかと思います。「だいたいわかる」という読みかたをなさる大人の読者のかたも歓迎いたします。

 主張することは、平面上の合同な図形は3回以内の対称移動で移るということです。どんな図形でも移るのですが、ここでは、平面を代表して、三角形を移してみることにしますね。

 平面上に、△ABC(三角形ABCと読みます)と△PQRがあって、このふたつは合同であるとします。合同というのは、形が同じで大きさが同じという意味です。直感的な説明ですが、そこは気にしないで進めますね。

 対応する点であるAとPを結んで、線分APの垂直二等分線を対称の軸として、対称移動の1回目をします。これで、頂点Aと頂点Pは重なったでしょう。これで、△ABCと△PQRが重なったらそれでおしまいですが、重なっていない場合は、つぎのように続けます。

 1回目の移動で移ったBの移動先をB’、Cの移動先をC’とします。今度は、線分B’Qの垂直二等分線を考えます。これは、Pを通っているはずです。PとB’、PとQは等距離にありますからね。そこで、その垂直二等分線にそって2回目の対称移動を行います。AとPが重なったまま、B’とQが重なったと思います。

 これで2回やりました。これで終了かもしれません。最初の△ABCと△PQRが「裏返った」関係でなければ、これでおしまいです。もしもまだ重なっていなければ、3回目の対称移動をすることになります。C’が移った点をC’’としましょう。頂点C’’と頂点Rを結ぶ線分C’’Rの垂直二等分線を考えます。これは、PとQを通っているはずです(つまり直線PQそのものですね)。理由は上と同じです。この直線にかんして対称移動するのです。これで、PとQをそのままに、C’’とRが重なったでしょう。これでほんとうにおしまいです。

 このように、三角形でなくても、平面上に合同な図形が2つあれば、それらは3回以内の対称移動で移ります。いかがでしたでしょうか。

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