![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/43068941/rectangle_large_type_2_d2e500333e04999f1ad129dbd73c70ee.jpeg?width=1200)
Photo by
tomekantyou1
【300字小説#3】復讐と解放の檸檬
色々考えたが、シンプルに
「ありがとう、ごめんなさい」
と書いた。
それから、身支度を整えると、
爆弾のスイッチに手をかけた。
いよいよだ。
「これ、期限明日までだけど、まだですか?」
「この案件、誰に確認したらいいですか?」
「場所の確保と資料作成、お願いできますか?」
「明日の会議、ちょっと顔出ししてください」
僕の1日も24時間なのを、みんな知らない。
僕に通常業務があることを、みんな知らない。
僕もお腹が空くことを、みんな知らない。
僕だって眠くなることを、みんな知らない。
だから爆弾を仕掛けた。
会社をめちゃくちゃにしてやる。
みんな、ちゃんと苦しんでよ?
笑いを噛み殺しながら、
首に縄をかけてジャンプした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?