イベントレポ「戯曲を読んでみる会」チェーホフ『かもめ』編 第一幕
こんにちは。三重県津市の部室的フリースペース・ニネンノハコです!
先月末に惜しまれつつ最終回を迎えたイベント『聖書を読んでみる会』の後釜として、今月からは『戯曲を読んでみる会』が始まりました。
今回は、先日行われた「チェーホフ かもめ編」の様子をご紹介します!
まずは作品の説明から
作品を読み始める前に、まずは主催者さんより登場人物や舞台の説明が。全四幕の劇で、一幕だいたい40分。今回は第一幕に焦点を当てて読んでいきます。
第一幕の流れは「全員集合」。登場人物が一同に会し、それぞれのキャラクターが描写されてゆく場面です。(戯曲では定番とのこと)
さっそく読み合わせ!
簡単な説明の後は、まずは初見で読んでみます。初めは役柄を決めず、一セリフごとに隣の人に移る輪読形式。今回読んでみた神西清さんの訳は比較的古いので、今ではあまり使われない言葉遣いに参加者の皆さんやや苦戦。それでも進むにつれて、次第に気持ちが乗ってくるような感じがしました。
最後まで読み終わったら、一度ブレイクタイムを挟みます。読んでみて気になったこと、人物関係の考察などを自由に話し合いました。
「かもめ」は作者自身が「五プードの恋(途方もなくたくさんの恋愛)」と述べるほどに恋多き物語。人物相関図に線を引きながら、
「アルカージナ→トリゴーリンで、トレープレフ→ニーナ→トリゴーリンで……」
と感情のマップを作っていきます。しかも作中では明確には語られませんが、主催者さんの指摘する場所をもう一度読んでみると、
「あれ? もしやポリーナとドールンって……」といった発見も。だんだん皆さんの脳内で人物像が固まっていきました。
役を決めて読んでみよう!
人物が大まかに整理できたところで、いよいよ役を固定して読み合わせ。人数的に一人二役な部分もありましたが、みなさん明らかに最初より役にのっている!
一幕の終盤、トレープレフとドールンとポリーナの、誰も全然話を聞いていないあたりで皆さんのボルテージが最高潮に。白熱の演技でした!
主催者さん曰く、「チェーホフの戯曲の特徴は、登場人物がみんな割と一方的なところ」とのこと。現実でディスコミュニケーションは色々と面倒ですが、戯曲として演じてみるとなかなかに味わい深いものです。それが作者自身「かもめ」は喜劇だと主張している理由なのかもしれませんね。
参加者の声
役を決めて読んでみると、最初よりストーリーが頭に入ってきた
トレープレフの劇中劇、めっちゃ厨二病
背景の解説を聞きながら読んだらよりわかりやすかった
アルカージナとソーリンのいい回しが似ているところがあって、やっぱり兄妹なんだなと思った
もし最初にトレープレフとニーナが付き合っていたのだったら、「自分の恋人をヒロインにする劇団主催者」という……
次回の「戯曲を読んでみる会」は
今回は初回なので人名や言い回しに戸惑った部分もありましたが、主催者さんによると「言い回しが難しくても、何度も読んでいるとだんだん自分の言葉になってくる」とのこと。
『戯曲を読んでみる会』では今後もしばらく「かもめ」を読んでいきます。途中からでもぜひお気軽にご参加ください!(役の固定等はありませんので)
次回は5月22日19時より開催予定。「かもめ」の第二幕(なんやかんやが起きる場面)を読んでいきます!
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