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【連載小説】発砲美人は嫌われたくない

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#アクション

【連載小説】発砲美人は嫌われたくない_7

 騒ぎは加速度的に大きくなり、いよいよこれはただごとじゃない、と思うようになった。
 ただごとじゃない、といえば体を密着させたミサキさんもそうだ。煙のせいで視界不良も甚だしいが、人間の体温はわかる。
「一度、出口のほうに行きませんか?」
 ミサキさんの提案には賛成だが、出口がどこなのかわからない。他の人たちも同じようで、バタバタと動き回っている様子はない。何も見えないのは不安だけど、動くほうがもっ

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