会社の口コミは信用する? しない?
セカンドゴングのBBです。
就職相談をしている筆者のところへ、友人の支店長から電話がありました。
友人「困っているんだよ。管理職候補で募集をかけているんだけど、誰も応募してこないんだよ。条件は悪くないんだけどな」
筆者「ネットの書き込みに、ネガティブなことが書いてあるんじゃないの?」
友人「そうなんだよ! 嘘や、ずいぶん前のことが書いてあってね。今はそんなことないんだけどな」
筆者「心配しなくていいと思うよ。時間がかかるかもしれないけど、いい人材が見つかると思うよ」
友人は納得していないようでしたが、電話の会話はそこで終わりました。
ネット上のネガティブな評価をどう判断するか。会社の評判や口コミが書いてあるサイトは、どの程度信用すべきでしょうか?
結論から言うと、ネガティブな評価や口コミサイトの情報は、参考程度に留めておいてください。
最終的には、仕事の内容や、会社・業界の将来性、たとえば福利厚生や残業、ワークライフバランスなど、あなたが重要視することで決めましょう。
ネットや他人の評価に任せずに、自分で会社を評価するということです。
ネガティブな評価が集まる理由
口コミサイトには、どんな人が投稿していると思いますか? 想像してみてください。口コミを書くエネルギーは何でしょうか。
筆者は次のように判断します。
・待遇や収入などに不満があって辞めた人
・在籍はしているが、不満をもち続けている人
・上司や同僚にひどい扱いやいじめを受けて、泣く泣く会社を去った人
・同期は昇進しているにもかかわらず、正当に評価してもらえずに、自分の先行きが見えてしまった人
・パートや派遣で会社に入り、会社全体が見えていないのに、面白半分で投稿する人
事実も含まれているかもしれませんが、書き込む動機は、新しく入社しようとする人へのアドバイスではなく、はけ口のない自分の不満です。
しかし、その会社で、多くの社員とその家族が生計を立てているのも事実です。経済循環の中で倒産しない限り、会社は存続していくのです。
昇進に対する不満や、(あってはならないことですが)いじめやいびり、正社員への不満をもつ人もいるでしょう。人が集まって組織を作る職場は、大なり小なり、いろいろなことが起こっていると考えます。
大切なのは、自分の価値判断
就職の相談を長年受けていると、転職を何度も繰り返す方がいます。
辞めた理由を聞くと、
「残業が多い。求人には残業があるとは書いていなかった。ひどい会社だ、ブラックだ。だから辞めた」
おそらく、この方がネットで評価するとしたら「この会社は残業が多い」「人づかいが荒い」となるのではないでしょうか。
一方、同じ会社に、長く勤めている方はどうでしょう。
「残業は当たり前でしょう! 忙しいということはもうかっているってこと。残業代が稼げていいよ。給料も上がったよ」
いかがでしょうか。
どちらが正しいということではなく、その人の価値観、考え方、生活感などの違いです。それなのに、他人の価値観に振り回されて判断する意味があるでしょうか。
それではどう判断するか
ネットの口コミは参考程度で、自分で判断する必要があることはお伝えしました。それでは、どうやって判断したらいいのでしょうか。
筆者は、応募するかどうか迷っている相談者には、次の2点をお伝えしています。
(1)信用ある情報から判断すること
たとえば『就職四季報』『業界地図』など、客観的な視点で提供されている情報を見て、業界・企業研究をすること。有料ですが、投資する価値はあります。
「有給休暇の取得」の情報なども、20日取得などの建前ではなく、取得状況、つまり実態が記載されています。
また、業績などは売上高の推移を見るだけではなく、営業利益、経常利益なども見る必要があります。これは、情報を読むこちら側の知識も問われますので、事前に勉強が必要です。
(2)実際に自分の目で見て判断すること
できれば、会社訪問とは別の機会に、そっと見学に行ってください。リクルートスーツではなく、私服で。
自社ビルなら、門や庭、エントランス、トイレの清掃状況はいかがですか。社内から出てくる、社員の表情はいかがですか。
社員がお昼を食べているお店などでは、どんな会話がかわされていますか。夜は遅くまで明かりが点いていますか。
あなただけが感じる何かがあるはずです。その勘を大切にしましょう。
先日、内定をもらった会社を辞退した方は、
「トイレが汚かった。社員の椅子の間隔が近く、息苦しそうだった」
ということが理由でした。
その方は、気持ちよい環境を大切にされていますね。毎日通うところに不満があったら、能力を発揮できないと思います。これも自分の価値観ですね。
まとめ
・応募する会社を選ぶときは、ネガティブな評価や口コミサイトの情報は、鵜のみにせず、参考程度に留めておいてください。
・財務状況や福利厚生などを読み取る知識を養いつつ、会社の確かな情報源と、自分の目や勘を信じて判断してください。
あとがき
冒頭に書いた友人の支店長から、後日電話がありました。
「しばらくしたら、いい人が応募してきてくれて、働いてもらってるよ。今度、新しいオフィスを作るんだけど、そこの責任者にと考えているんだ」
嬉しそうな声で、近況を知らせてきました。
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