【note49日目】あなたの孤独は美しい／戸田真琴

あなたの孤独は美しい

　発売日には届いていたのに、読み切るまでかなりの時間がかかった。1ページ1ページの想いが痛くて重い。

　1文字1文字に心が込められていて、読んでいるというよりむしろ「読み聞かせてくれている」あたたかい文体と心休まる安心感があった。

　帯に並ぶセンセーショナルな言葉の数々と、書き下ろされる半生については確かに衝撃的なことではあった。衝撃的な出来事も「そこから何を感じたのか」「考え方に与えた影響は」を冷静に分析して、「こんなこともあったんだよ」と自分史を読み聞かせてくれている。

　本を読んでいる私に向き合ってくれる。私に届けてくれる。そして「あなたはどう思う？」と問いかけてくれる。

　私の凝り固まった価値観や考え方に手を取って、少し違う視点へ導く。「ここからだとどう見える？」と問いかける。私にはそう感じられた1冊だった。

　作中の『オリジナルの愛で』の章が特にお気に入り。