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声よ
遠くまで運んでゆけ
この悲しみをその羽に乗せて
遠く遠く見えなくなる頃に
私の心は安らぐだろう
太陽の下では暑すぎると
それならば
曇が敷かれた空を飛んでゆけば良い
曇がなければ夜に立ち去るが良い
泣くな
泣かずに最後迄飛んでゆけ
涙はその羽に重すぎる
血を滲ませて歌え
涙に変わる前に血を滲ませろ
羽が痛むと
それならば
風に身を任せて目を瞑るが良い
痛みなど感じぬ程笑うが良い
笑え
自由に向かって口を大きく開き
全てを掻っ攫う風となれ
お前が風となった時
私の鼓動は鳴り止むだろう

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