シェア
藍
2023年11月17日 06:45
ひとつひとつ殺意を込めて順に息の根を絶やしていく仕事。海の映像がまたひとつ乱れて砂嵐に変わる。砂の城はきみの指先にいとも簡単に壊されてしまって、そのままわたしはさらに大きな波に呑まれてゆく。こうして身を委ねているとき、わたしはいつもそこに打ち棄てられた遺体になったような気分でいる。毛先の靡く方角にひたすら進んでいるとまるで魂をくり抜かれたような気持ちになるのに、きみに手を引かれるがままに歩いている