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事業承継に向けた準備の必要性の認識

以前の記事でご紹介した事業承継を実行するまでの5つのステップ

今回はステップ① 「事業承継に向けた準備の必要性の認識」について事業承継ガイドラインをもとに深掘りしていきたいと思います。

事業承継は経営者の身内だけの問題ではありません

事業承継は経営者の家族や身内だけの問題として捉えてしまいがちで、気軽に外部に相談しにくいと考える経営者は少なくありません。

家庭内、親子間でさえも「話しずらい」感じていることもあります。

そのため経営者が高齢になり、やっと事業承継の準備に取りかかって、専門家に相談したときには既に打ち手が限られていた、ということもあります。

データによると後継者の育成には5年~10年の期間が必要であることが分かります。

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(出展:事業承継ガイドライン)

なお、中小企業経営者が引退する平均年齢は70歳前後となっています。

このため、後継者の育成に必要な期間を考慮し、経営者が概ね60歳に達した頃には事業承継の準備に取りかかることが望ましいです。

現状60歳を超えて経営者として活躍されている方は多くいらっしゃるわけですが、

60歳を超え、まだ一度も事業承継について士業専門家や金融機関等の支援機関に相談したことがない経営者の方は、すぐにでも相談されることをお薦めします。

支援機関側も受け身になりがち

一方で、支援機関側にとっても、事業承継問題は「経営面」「税金面」「法律面」「後継者育成面」など広範で専門的な知識が必要であり、さらに親族間の問題などプライベートな領域にも踏み込む必要や、経営者本人の尊厳を刺激する可能性もあるなど

相談を待つといった受け身の姿勢になりがちです

もちろん、早期かつ計画的な事業承継への取組みは経営者本人の自覚に委ねられるわけですが、日常業務で日々忙しい中小企業経営者は事業承継への対応が後手に回りがちになります。

支援機関側も60歳を迎えた経営者に対し、積極的に事業承継についての情報提供や働きかけをしていく仕組みが必要だとも思います。

事業承継は早期の着手が最も効果的

企業にとって経営者が変わることの影響は小さくありません。

それが中小企業であれば、大企業場合とは比べ物にならないでしょう。

中小企業の経営者は、
技術やノウハウなど現場のリーダーであり、取引先との人脈や金融機関等との信頼関係の基盤であり、

経営者は会社の無形資産そのもの

である場合が少なくありません。

事業承継が単に経営者の家族や身内だけの問題ではないことはご理解いただけると思います。

また、後継者を選択し、その後継者を次期経営者として必要な能力を備えた人物となるまで育成するには一朝一夕ではできませんし、

会社の株式や事業用資産、その他有形・無形のさまざまな経営資源を計画的に承継していくためには十分な時間をとって進める必要があります。

事業承継の着手が遅かったがために、打ち手を減らしてしまうことが無いよう、早期の着手が最も効果的なのです。


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