最高にクレイジーな夜

大学2年生で初めてアフターピルを飲んだ。

相手はとても不安そうな顔をしていた。いつもキマってる髪型も無造作だった。きっと眠れなかったんだろうなぁ。

こんな顔を見るくらいなら子宮を取りたいなと思った。

不安がなかったと言えば嘘になるけど、ピルを処方してもらうまでの夜は簿記の勉強をして午前2時前には寝た。

次の日、顔にはニキビが2つできていて、最近メイクしたまま眠りにつくからか、とどこか冷静だった。

今日の仕事は婦人科に行って、5800円のアフターピルをもらうことだ。なんてことはない。

どうしてそんなに不安なんだろうか。私が男なら、結婚もしていない、ましてや長い人生の中でほんの一瞬交わった人が今ある生活を180度変えてしまう可能性を持っていることを理解すると、ぞっとした。

心配かけてごめんなさい。3日以内に服用すれば効果があるって看護師さんが言ってたから、その言葉が少しでも気休めになればいいな

そう送ったら怒られた。君が一人で病院に行くことや、お金だけ渡して悪かったなって思った。自分のことで眠れなかったんじゃない、そう思われるのは心外だと言った。いい人だなと思った。

私が送った言葉は、もし君が面倒に感じるのならいつでも距離は置けるし、去ることはできる、そういう選択肢を残したつもりだった。

上手くいかなときはあるし、そういうときは適度な距離を置くようにしている。そうした方が大抵のことはなんとかなる。去るか、残るか、それは神のみぞ知る。

でも彼は、こんな俺だけどこれからもよろしくね、と言った。

こちらこそよろしくって話だけど、高校の同級生ストーカー(仮)事件が彼に知られてしまって、私が何も話さなかったことに憤怒しているようだから、上手くいくかはわからないけれど。

こんなことで悩めるのも今だけだよなぁってしみじみ思った。

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