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#02 マーケターなら知っている価値の種類

はじめに

皆さんは「ボルヴィック」と「普通の天然水」この2つのミネラルウォータに存在する価値の違いについて説明できますか?

もしできなくても問題ありません。この記事を読んでいただければ、きちんと説明できるようになります。

今回はこちらの本の内容の一部を抜粋してお届けいたします。

今回も本を読む時間がない人の為に、特にポイントとなる部分だけまとめていきたいと思います。

一口に価値といっても大きく2種類に分けられる

1, 知覚価値
→ 「相手が実際に感じることのできる価値」。使う人にとって「役に立つか」が基準。こちらはイメージしやすいかと思います。

2, 情緒的価値
→ 「気持ち的に違いのある価値」。使う人にとって「意味があるか」が基準。代表的なもの、神社で売っている「おまもり」などがあります。

サービス開発に携わっている人であれば、価値について議論したことがあると思います。そのとき、価値には2種類があることを知っていなければ議論が平行線になってしまったりします。

ですので、そうなったときには一度立ち止まり、相手の主張している価値と自分の主張してる価値がどちらなのかを整理することが大切です。

注意点としましては、実際には差があっても使う人が感じなければ価値にはなりませんし、差がなくても違いを感じるのであればそれは価値になります

価値の四象限

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1, 実利価値
「機能的で」「顕在的な」価値です。機能的にとは役に立つという意味です。顕在的とは、目に見えるという意味です。

2, 保証価値
「機能的で」「潜在的な」価値です。潜在的とは、目に見えないがたしかに存在するという意味です。

3, 評判価値
「情緒的で」「顕在的な」価値です。情緒的とはその人にとって意味があるということです。これは他者との関係性があって発生します。

4, 共感価値
「情緒的で」「潜在的な」価値です。評判価値と違い、自分の中だけで発生します。他者の存在は関係なく、純粋に「自分にとって」意味を感じる価値のことです。

さらに価値を分解しました。「知覚価値(機能的)」「情緒的価値」を横軸に、縦軸には「顕在的」「潜在的」といった指標をおいています。

こうすると、数人でサービス価値について議論するときに平行線になりにくくなります。もしそれでも平行線になってしまったら、サービスとしてではなく、会社として、どういった価値をユーザーへ届けていく存在になりたいのか。まずそこから考えるいい機会なのかもしれません。

また、「ターゲットとするユーザーが求めている価値はなにか」「競合サービスが提供している価値はなにか」といった分析にも使えます。特に「競合にはこういう機能がある」といった不毛な議論になりやすい、機能ベースだけの分析も少なくなります。

「ボルヴィック」と「普通の天然水」この2つのミネラルウォータにどういった価値の違いがあるのか?

それでは、今までの内容を踏まえて説明していきたいと思います。
1, 実利価値
「機能的で」「顕在的」な差があるかどうかです。一般的な消費者であれば、目をつぶって両者を飲み比べてもおそらく違いを感じる方は少ないのではないでしょうか。また、水に含まれている成分の違いを肉眼で見ることはできないでしょう。よって、この2つの実利価値の差はほとんどないと説明できます。

2, 保証価値
「機能的で」「潜在的」な差があるかどうかです。ボルヴィックの場合、大手メーカー販売実績から水の品質はしっかりしていると思われます。しかし、あまり知られていない普通の天然水の場合だと販売メーカーはおそらく聞いたことがないでしょう。また、直接体に取り入れるものですので、仮に万が一何か問題が起きた場合でも大手メーカーのほうが強力な保証価値がありそうです。よって、この2つの保証価値の差は大きいと説明できます。

3, 評判価値
「情緒的で」「顕在的」な差があるかどうかです。例えば、ジムで汗を流す二人の男性がいて、片方は普通の天然水を飲んでいて、もう片方はボルヴィックを飲んでいた場合、仮に中身の違いがわからなくても、より細部にこだわる人だという評判を得られるかもしれません。よって、この2つの評判価値の差は大きいと説明できます。

4, 共感価値
「情緒的で」「潜在的」な差があるかどうかです。最も個人差の大きい価値になります。例えばフランス好きで、フランスの価値観を大切にしている方であれば、フランス国旗の入ったボルヴィックを飲むことで精神的充足感を得れそうということが想像できます。一方、普通の天然水を飲むことにこだわりを持っている方を想像することは難しいでしょう。よって、この2つの共感価値の差は大きいと説明できます。

どうでしょう?
この2つのミネラルウォーターには、「実利価値」において差はなさそうですが、「保証価値」「評判価値」「共感価値」の3つの価値において大きな差があることが分かりました。

もしあなたが新しいミネラルウォーターの企画を任されたら、どういった価値のあるミネラルウォーターを作ってみたいですか?

ミネラルウォーターを実利価値の側面から、「喉の乾きを癒やすもの」とだけ捉えてしまうとありきたりなアイディアしかでません。

ですが、価値には4種類あることを知っていれば素晴らしいアイディアを出す手がかりにもなりそうです。

最後に

今回ご紹介しました本は、こういった考え方を元に、ご自身のキャリアや人生を見直してみては?といった内容の本となっております。

目からウロコの連続だった本ですので是非一度読んでみていただければと思います!

ではまた!



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