次はアンタだ、上で鳥瞰しいてる、気をつけろ
メディア選別排除は善か悪か ゴーン会見「閉め出され組」
被告側が参加可能メディアを選別し、日本メディアの多くが閉め出しを食らった。
昨晩の速報ニュースに続いてゴーン氏関連記事を書きますが、このnote紙上では、他で殆ど取り上げられていない、そんなことを考慮して、詳細は書きません。
昨晩の記事にしても、ゴーン氏弁護人(かつての検察官や直接弁護人だった
)の言い分記事であり、多少バランス不均衡と云うのがあったので、それも含めて、個人的見解を書いてみたいと思います。
まず、この問題が、企業犯罪なのか、それが個人犯罪(報酬虚偽申告)なのか、よくわからない、と云うのがあります。
最大の関心事は、そのポストに対する報酬額で、現役時代から、その国内批判はあったようです。
では、それが高いか低いか、という査定はだれがするのかと云ったら、当然社内の人間がしていて、それが関連他者にも言及伝播したようで、それが世間の声として批判の対象になった。そんなことでしょう。
だとしても、ゴーン氏の国外でのアクションは、やはり「標準」とは桁外れだったことは否めなかった。
このところ、洋画動画配信シリーズを何本か見ていますが、「ウオールストリート」成功者や、スタートアップ若手起業者の成金ぶりを描いて、そのセレブ振りが、日本比較で10倍100倍も違う。それが標準だとしたら、、コーン氏のアクションも、それ並みの標準なのです。
だから、ゴーン氏にしてみれば格別大それたことではない、とおもっていたことでしょう。
ところが、いざ、それを国内企業風土に照らし合わせたら、クルーザーなんてとんでもない、まして狭い国土四畳半スペースに「プール」なんぞ、必要ないでしょう。
さらに結婚式するのにベルサイユ宮殿でするなんて、宝塚歌劇団じゃあるまいし狂ってる、(国内貧乏神癖は簡単に消えない)と、思うのは標準系と思うのが一般的です。
■仏ルノーのカルロス・ゴーン前会長が2016年に会社の金を使ってパリ郊外のベルサイユ宮殿で開いた結婚式をめぐり仏警察が13日、ゴーン前会長のパリ郊外の自宅を家宅捜索したことが明らかになった。AFP通信などが報じた。引用記事
ですから、すべてにおいて破格だったので、波風は当然たつでしょう。当人は、相応の仕事はしていて、それに見合う報酬は、むしろ安いくらいだ、そう思っていたのでしよう。
総評してゴーン氏の振る舞いは、「隣の芝生」的な見解で、桁違いにわれわれには青く輝いてみえたのです。
さらにそこには東洋的な物の考え方、情緒的曖昧さが加味され、感情論ですべてか俎上され、均一化された味付けによって、料理ができ上がり、後は醤油出汁で、個人嗜好に変化をくわえるという、世界に類を見ないジャパン、ガラパゴスレシピが完成するのです。
そんなことは自分の身の廻りで、色々感じることがあるでしょう。その青い芝生を養生するには手間暇がかかります。放っておけば雑草に駆逐されて、芝は養分を吸い取られて枯れてしまう。だから春先の雑草取りは欠かせません。さにら最盛期になると肥料を与えて、青色定着するのにオーガニック肥料にするとか、配分もかんがえる。
そして、美しい芝にするには、ほぼ毎日、刈込をして一定の長さに保つのです。輝く青い芝ガーデンというのは、そうやって1年中、手間がかかります。
それを四畳半二間の部屋から覗いた隣人「青芝庭」は、まったく宝塚歌劇団の夢物語り、に映るのでした。
ですから、それを善か悪か、という判定は決めるべき土俵が全然違うので、比較対象外、ということなんです。
その中でも唯一、光明があると驕ってみるなら世間に問い掛けたメディアニュースの話題性でしょう。
冒頭の記事は、その部分をフォーカスした記事ですが、記者会見される側にも言い分がある、という意思を示した一例でした。
今後、ゴーン氏の日産提訴、そして逆提訴は、予断を許しませんが、本人がレバノン滞在と云うのがネックで、あまり注目されないニュースになる恐れがあります。
おしまいに、私の感想ですが、そもそもゴーン氏を招聘したのは日産ですが、この結末を読み切れなかった不手際は、会社の致命傷だったと云わざるを得ないでしょう。
最終的にはフランス、マクロンの乗っ取り策も見え隠れしてますが、その国家間スケールの交渉に国の担当官僚が全く、「預かり知らぬ」ということは考えにくく、もしそれが障壁にあったとすれば、この問題は長期化すると思います。
くれぐれも、そうした大交渉の不味さは、後を絶たない(東芝原子炉処理)ようですから、何とか片してもらいたいと切に願いたい。
最後の一点、下記、動画配信のオンライン会見は、史上初の出来事と察しますが、まさにネット時代の手練手管で、その結果、吉と凶の配分は、検察になびくか、はたまた本人ゴーン氏に傾くのか、まったくわからない、まさに人知及ばざる領域に入り込んだと、嘆息することしきりです。
ゴーン氏 次はアンタだ、上で鳥瞰しいてる、気をつけろ
カルロス・ゴーン「日本にいる全外国人、気をつけろ」会見後発言をどう見るか
石井 節子 , FORBES JAPAN 政治経済 2020/01/26 08:00
フォーブス ジャパン ウェブ編集部 エディター
特別背任容疑で逮捕された日産自動車カルロス・ゴーン前会長の「逃亡」が世間を賑わせて久しい。1月9日にはレバノン・ベイルートで、2018年11月の逮捕以来初の記者会見が行われ、世界から約100人の記者が集まった。
偽証容疑で東京地検特捜部から逮捕状が出ている妻のキャロルとともに登場したゴーンが、自身の逮捕を(「まったく予想できなかった」という意味で)「真珠湾攻撃」になぞらえたことは、すでに世界の各メディアが報じている。
世界各国の記者たちの質問に対し、フランス語、レバノン語、英語、ポルトガル語で、次々と流暢に答えたゴーン。
そして会見後、米紙「ニューヨークタイムズ」東京支局記者ベン・ドゥーレイが1対1のインタビューに成功した。その際のゴーンのコメントが、同紙の番組「ザ・デイリー」の1月14日ポッドキャスト配信分「The Escape of Carlos Ghosn(カルロス・ゴーンの逃亡)」で公開された。
インタビューの中でゴーンは「そもそも罠にかかるような場所には足を踏み入れないことこそが身を守ること。そして今の私の責任は、日本にいるすべての外国人に『気をつけろ』と警告することだ」と述べた。
──英国でも今回のゴーン逃亡に関する関心は高い。
セーラ・パーソンズ氏は日本に詳しい英国人として英国CNBCニュースにインタビューされ、そのコメントは英有力紙「The Times」にも引用された。彼女は日本に進出を考える英国企業へのコンサルティングを20年間にわたって行う「ジャパン・イン・パースペクティブ社」社長であり、在英国日本大使館主催の「英国ジェットプログラム(語学指導等を行う外国青年招致事業)同窓会」英国会長でもある。
今回、Forbes JAPAN編集部もパーソンズ氏に、上記ゴーンのコメントについて、そして今回の「逃亡」についてメールインタビューした。その回答を以下掲載する。
セーラ・パーソンズ(Sarah Parsons)氏
彼は一連の動きの中で、日本のコーポレート・ガバナンスの弱さを暴露しました。しかし彼も倫理的なリーダーとは決していえない、そして彼自身、日本のCEOのリーダーシップのポジティブな側面についてまったく触れようとしないまま、自身が「貢献」していた企業のコーポレートカルチャーを大きく変えてしまったといえると思います。
多くの西洋人が、人権的な側面からは、彼が日本で受けた扱いに個人的には賛同しかねると言っていることも事実です(弁護士不在のまま長時間尋問を受けるなど)。そして、日本の裁判制度は日本人にであれ外国人にであれ厳しいものであることも確かなことです。「在日外国人への心象」に決定的ダメージ
しかし、今回、ゴーンが世界に及ぼしたもっとも危険な影響は、「日本で働く外国人に対する日本人の心象を悪化させたこと」だと思います。
レバノンでの会見後、「日本にいる全外国人に『気をつけろ』と警告すること──それこそが私の責任だ」と述べたこともそれを象徴しています。
彼の影響で日本を訪れることを思いとどまる外国人もいるはずで、これはまったく好ましいことではありません。
なぜなら今の日本にとって大事なことは、「世界の才能に門戸を開くこと」にほかならないからです。 部分引用