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まんまとやられた「そごう・西武」

アメリカファンド「ハゲタカ」に、まるで赤子の手のように捻られた「そごう西武」1000億


2023年09月02日記事
アメリカウオール街の百戦錬磨たちにしてやられた感は、まったく否めません。少し前の東芝原子炉問題など、巨額損失を繰り返す日本企業は、親方日の丸意識の象徴的なものであり、なぜそれが改善されないのでしようか。

■東芝の子会社だったウエスチングハウスは経営破綻後、2018年にカナダの資産運用大手ブルックフィールドの関連会社、ブルックフィールド・ビジネス・パートナーズに負債を含め46億ドルで買収された。2022/10/11

https://jp.reuters.com/article/westinghouse-m-a-brookfield-renewable-ca-idJPKBN2R700S

ロイター 2022年10月12日9:33 1年前更新

経済世界の素人が口を挟む問題ではありませんが、それにしてもこの顛末は、一般人として看過できない問題でしょう。

だいたい、巨額負債を抱えながら経営体質を改善されないまま、ズルズルと、放漫経営をしていて、買収相手が気に入らないから「スト」で対抗するという鎌倉時代の元寇(げんこう)のような運を天に任せたような方法論を敷くという時代錯誤が、物語を象徴していたように思われます。

■元寇は、日本の鎌倉時代中期の1274年・1281年に、モンゴル帝国および南宋と高麗によって2度にわたり行われた対日本侵攻である。蒙古襲来等とも呼ばれる。1度目を文永の役、2度目を弘安の役という。 とくに2度目の弘安の役において日本へ派遣された艦隊は、当時世界最大規模の艦隊であった。 ウィキペディア

今回の破綻については各メディアは一斉に報じていますが、すべて結果論的論説で、核心を突いていないのもメディアのずるがしこさが漂っています。

中でも私が注目した2つの記事を紹介して、問題点を解明したいと思います。

2023/9/1(金) 10:25配信 デイリー新潮
錆びた伝家の宝刀
ストを行った場合、社員は有給扱いなのだろうか。「通常、会社からはお金は出ませんが、賃金は労働組合から支払われます。
もっとも、百貨店内には中小や零細の企業も入っています。テナントや催事場などで働く人たちなど組合員以外には支払われません。8月31日は夏休みの最終日でしたから、テナントにとっては大事な日だったはずです。今日は仕事を頑張ろうと思っていた人も少なくないでしょうね」

この20~30年で小売業界は大きく変わりました。ユニクロやニトリなど製造小売りと呼ばれるアパレルや家具の専門店が台頭し、さらに買い物はネットにシフトしました。このような地殻変動で、顧客基盤をもっとも浸食されたのが百貨店でしょう。
それでも、この業界の特に古株の社員の意識は変わっていません。ヨドバシ出店にあれだけ反対したのも、彼らを明らかに見下していたように感じます。池袋駅の一等地に家電量販店は相応しくないという声もありましたが、そんな一等地の好条件を活かせなかったのが西武池袋本店だったということです。ただ、2000年代以降、多くの名だたる日本企業も辛酸をなめた時期がありました。 部分引用

なにを今さら~

この記事を読む限りでは、スト決行により、問題(ファンド買収)を乗り切る、とした旧経営トップの怠慢認識が、ファンド側百戦錬磨の「ダマスカス」ナイフに、まつたく刃が立たなかった、ということですか。

その経営陣トップの意識は、先の「日産」ゴーン失脚劇とよく似ていて、敵対相手側の手の内を全く読めていない、というミスと、またビジネス意識の大きな乖離が、問題を複雑化させた、そんなように思いました。

そのケースを、これに当てはめると、交渉内容を詰めている段階で、当事者は「スト」決行宣言し、労使一致団結、を公言して国内情緒的同情論に訴えた、という僅かの隙をついて、怒涛のごとく金銭提示して、買収にかかったフアンド、という顛末のようです。
としても実際の工作は、もっと複雑なやり取りがあったことは想像に難くありません。

次の記事は、ひろゆき氏の記事ですが、いつもホンネをズバリ指摘するので、話が判りやすいです。

「ってことは1日で投資会社が1000億円儲けたってことじゃないですか。おかしくないですか、これ? お前らでやれよっていう話だと思うんですけど」と呆然。「2、3日とかで1000億儲けるっていうのを、アメリカの投資会社にやらせちゃうってあたりが、本当日本ってひもじくなってるなって思うんですよね」と意見しており他のとの記事よりも核心を突いていた、と呆れかえった。

だからその、1000億儲ける、って算段にしても、それだけ巨額を動かせる資本力があるってことで、じゃ、日本にそれと同等の投資またファンドの精鋭がいなかったのか、ということですよね。

このところ、アメリカ動画配信のドキュメントをみた限りでは、ウオール街は世界が相手というのは当然のことで、金融が動くのは経済ばかりてなく国のトップの発言が1$だったり1千億$に化けたりするのですから、金銭のスケールが全く違うのです。

まして日本の場合企業と云えども、監督官庁の顔色伺い、同業他社に対する談合的忖度だったり、全否定はしませんが制約が多いような気がします。ですから、そんなところをアメリカの辣腕ファンドに隙を与えてしまうのでしよう。
「いや、ちょっと待って」と云ってもなにを待つのか意味不明であれば、1分1秒の猶予はないのです。

ですが日本はこのまま、日本式体質は変わりようもないので、その「ウール街」の、立てた余波のおこぼれ程度で、お茶を濁す、としたら、やはり奮起を促していただくしかないです。


ひろゆき氏 そごう・西武を米会社に売却にあ然「1日で1000億円儲けたってこと?」

2023/9/1(金) 22:06配信 東スポWEB
 実業家のひろゆき氏が1日、ABEMA TVのニュース番組「Abema Prime」にリモート出演。セブン&アイ・ホールディングス(HD)による傘下の百貨店「そごう・西武」の米投資ファンドへの売却についてコメントした。
【写真】ひろゆき氏降臨で渋谷大パニック一部始終

 セブン&アイHDはこの日、「そごう・西武」の米投資ファンドへの売却が完了したと発表。実質的な売却額は8500万円となる見込みで、企業価値は約2200億円と算定したが、そごう・西武などが抱える負債額などを差し引いた。米投資ファンドはそごう・西武が持つ池袋本店の土地などを約3000億円でヨドバシHDに売却し、有利子負債の返済にあてるという。

 このニュースにひろゆき氏は「ってことは1日で投資会社が1000億円儲けたってことじゃないですか。おかしくないですか、これ? お前らでやれよっていう話だと思うんですけど」と呆然。「2、3日とかで1000億儲けるっていうのを、アメリカの投資会社にやらせちゃうってあたりが、本当日本ってひもじくなってるなって思うんですよね」と呆れかえった。

 さらに「多分自分たちで土地を売って…ということができていればやってたと思うんですよ」と指摘し「でも日本人的な文化の中で、売ったらストライキのようなかたちで社員がいろいろあると。ヨドバシもヨドバシが直接買おうとすると、『ヨドバシが悪いやつだ』みたいな風評があるので、なんとかしたいけど日本の中ではできないよね、というのでアメリカの金持ちがバーンっと入って来て1000億円持ってっちゃったっていう」と背景を分析した。

 ひろゆき氏は「それだったら日本国内でちゃんと解決できればいいのに、『日本人だとこういう問題解決できないよね』っていうのが割と多いなっていう気がする」とため息。

 また百貨店というビジネス形態についても「結局デパートって僕の知る限り、アメリカだとニューヨークで、フランスだとパリで、本当に一国の首都に何店舗かあるぐらい。日本みたいに柏とか多摩センターとか観光客が全く来ないところにデパートがあるっていうのがそもそもおかしいんですよ。もうそういう時代じゃないっていうのをいまだに気づいていない、日本の商慣習の問題だと思う」と手厳しかった。
引用記事

そごう・西武 経営陣体制変更 田口社長の代表権外す人事を決定
2023年9月1日 21時11分

アメリカの投資ファンドへの売却が1日に完了した、そごう・西武は、経営陣の体制を変更し、セブン&アイ・ホールディングスの意向で8月に就任した田口広人社長の代表権を外す人事を決めたことが分かりました。
そごう・西武をめぐっては、親会社のセブン&アイが1日に、アメリカの投資ファンド「フォートレス・インベストメント・グループ」への売却を完了しました。
関係者によりますと、そごう・西武は、経営陣の体制を変更する人事を決めたということです。
このうち、セブン&アイの意向で8月に就任した田口広人社長については、引き続き社長を務める一方、代表権を外します。
そのうえで、投資ファンド側から複数の取締役を送り込み、そのうちの1人が代表取締役に就任します。
田口社長は、売却に向けた労働組合など関係者の調整が難航するなか、8月1日、セブン&アイが売却に向けたプロセスの加速などをねらった社長交代で就任しました。
今回、代表権を外すことで、会社の経営と執行の分離を明確にし、4年連続の最終赤字となるなど不振が続く業績の立て直しを急ぐ姿勢を明確にした形です。



異例の「そごう・西武労組」ストはどれくらいの意味があったか 業界からは「振り上げた拳を降ろすタイミングを失った」
2023/9/1(金) 10:25配信 デイリー新潮
8月31日、西武池袋本店(東京・豊島区)でストライキが決行された。ストは労働者に認められた正当な権利であり、労使交渉の最終手段として用いられる“伝家の宝刀”とも呼ばれる。そごう・西武の労働組合が会社売却に反対してストに突入してから間もなく、親会社のセブン&アイ・ホールディングスは米国の投資ファンドへの売却を決議した。では、伝家の宝刀は何のために抜かれたのか。 関連記事


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