協力していくなら順序は大事だよねって
最近、調律先のお宅で「前回教えて頂いた加湿器を買いました!」と、部屋にピアノのための加湿器や除湿機を置いて頂いているケースが増えました。
加湿が大事です!除湿が大事です!といろいろな方法で伝えても、なかなか置いてもらえないんだよなあ…と言う悩みがずっとあって。
冷静に考えるとそれはそうなんですよね。今までの生活になかった機器を導入するのって結構ハードルが高いんだと思います。僕もどんなに便利と言われても、ウォーターサーバーを家に置くのは抵抗あります。
でも、お客さまのためにも加湿器は一刻も早く置いてもらいたい。こちらは「トレーニング」にあたる調律と言う作業はできても、ピアノの環境を整える「普段の食生活」のような部分は持ち主の方にしかできません。
そんな気持ちで声高にオススメしていましたが、実はここ最近はぐっと堪えて「まずは湿度計を置いてみると良いですよ」というところから始めるようにしています。
そして湿度計を用意した方は、次のステップとして加湿器を置くところまで進んでくれます。
体感だけでは同じ目線になれていない
こちらからすると、【ピアノの状態が崩れてる】→【湿度が極端だ!】→【加湿器を置かないと!!】と言うプロセスを既に経てのオススメなんですが、お客さまにしてみればまだ最初の【ピアノの状態が崩れてる】止まりなんですよね。
とにかくまずは湿度を数値で見て頂いて、同じ目線になってもらう。そこを飛ばして次のステップには進めないんだよなと言うことに(ようやく)気づきました。
アナログよりデジタル
おすすめする湿度計も、以前はアナログ・デジタルどちらでも良いですよと伝えていましたが、最近は断然デジタル推しです。
自宅リビングの湿度計はもともとデザイン性を重視してアナログにしていました。ここにはピアノがあるわけではないので、たまに湿度計を見て、まあ湿度40%を超えていればいいかな、と言う感覚です。
そしてこれが問題なんですが、針が乾燥しすぎた数値を示していることに気づいても、ちょっと考えてなんか四捨五入と言うか、「まあこのくらいなら大丈夫か…」と都合よく変換してしまいます。
アナログだと“都合の良い数値”も見えているのが良くないのかもしれません。
それをデジタルに替えてみると。
「35%」
こう表示されていると考える間もなく、言い訳ができません。
極論、知るだけでも効果あり
日々デジタルの湿度計を見て頂いて、お客さまにもまずは一緒に現実を直視してもらう。こうすることによって初めて、協力して1台のピアノを良くしていく準備が整うんだと思います。
そして不思議なことに、気にすることが無意識に行動に影響を与えているのか湿度計を置くだけでもピアノの状態が少し良くなるんですよね。
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