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エアコンでの除湿を考える

6月に入り湿度の高い季節になりました。ちょっと前まで乾燥で困っていたのが嘘のようです。年々季節の変わり方がほんと急になってますね。

よく「ピアノの除湿はエアコンのドライでも良いですか?」と聞かれることがあるので考えていきたいと思います。

エアコンの除湿(ドライ)には2種類の方式があります

・ふつうの除湿

・再熱除湿

個室用の小さなエアコンにはふつうの除湿だけ、大きなエアコンには両方ついている場合が多いですね。

ふつうの除湿とは

ふつうの除湿では、湿った部屋の空気をエアコンに取り込んで、内部で冷やすことで結露させて水分を取り除きます。そうしてできた【取り込む前より乾いた&冷えた空気】がエアコンから出てきます。

ふつうの除湿は除湿力は弱いです。エアコンは設定した温度より冷やすことはしないので、一度部屋に放出された冷やした空気を、さらに冷やしてもう一度水分を取り除くことができないからです。

イメージ的には「一回だけ」除湿できるという感じでしょうか。

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逆に言えば、設定温度を下げれば除湿力は上がっていきます。そのかわりめちゃくちゃ寒いです。以前実験として自宅で湿度65%くらいの部屋で25℃設定で除湿をしたところ60%くらいまでしか下がりませんでしたが、設定を18℃まで下げると53%くらいまで下がりました。ただし寒すぎて部屋にいられなかったです。

再熱除湿とは

湿った空気を内部で冷やすことで水分を取り除くところまでは一緒ですが、「再熱」の名の通りそのままではなくエアコン内のヒーターで暖め直して【取り込む前より乾いた&好きな温度の空気】が出てきます。

なので室温を下げずに繰り返し除湿ができるため、部屋を寒くしなくても大幅に除湿することができます。ただしヒーターで暖め直す分、電気代が高くなります。

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ピアノにはエアコンの除湿は適していない

特にふつうの除湿でピアノの湿度管理をするのは難しいです。

そもそも除湿力が足りないこともそうですが、湿度を一定に保とうとすれば温度差が大きくなり、温度を一定に保とうとすれば湿度差が大きくなり、とピアノにも人にも優しくありません。

再熱除湿は方式としてはありなんですが(湿度設定ができる機種であればなおさらあり)、とにかく電気代が高いので、24時間つけっぱなしにしたいピアノの管理用としてはコストが掛かりすぎてしまいます。

ただ、エアコンはコンプレッサー部分が外にあるので除湿機のように運転音がうるさくないのは大きなメリットです。なので電気代が問題なければ再熱除湿のエアコンでの除湿はありかもしれないです。特に最近の再熱除湿はより効率的に改良されてきていて、電気代がそこまでかからないと言う話もありますので。

結局ピアノの除湿用には専用の除湿機が一番

ということになりますね。

ちなみにピアノにおすすめな「コンプレッサー式の除湿機」もエアコンのふつうの除湿と同じ原理で除湿していますが、エアコンと違い「室外機がない=熱交換器も本体に入っている」ので冷風と温風がミックスされて室温よりちょっと暖かい空気となって出てきます。

そんなある意味「弱点」のおかげで結果的に部屋の温度を下げないので除湿し続けられるというのが結果オーライ的な、なんかおもしろい機械だなと思います。


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ピアノの調律師をやっています。同じく調律師の妻とピアノが好きな文鳥と3人暮らし。 ピアノや仕事について考えたことを書いています。