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人間が恋愛する以上は蘚が恋愛しないはずはないね

雨が降ってきたら速攻洗濯物取り込むぞ・・・という気合いの元?今日は引きこもっていたのでコラージュ作業をば。

コラージュ、今回は尾崎翠の「第七官界彷徨」。
なんとも不思議な空気感でして。

・人間の第七官に響くような詩を書きたいと思っている主人公町子、
・分裂心理について調べている一助(兄)
・蘚について調べている二助(兄)
・音大浪人生の三五郎(従兄)
の4人の、秋から冬にかけて、短い間の共同生活が綴られていく。
(このメンツ紹介だけでも「???」だ。)

この本は、「森見登美彦をつくった100冊」の中で紹介されていて、その紹介でもよくわからなかったけど、なんとなく手に取ってみました。笑

読み終わってみれば、(蘚をのぞく)みんな失恋している(!)。でも決してドロドロと激しい感情が沸き起こるわけではなく、割とサラッとしている。そしてどことなく哀愁。それが「第七官」へとつながっていく、のか?(作中第七官について詳しくは定義されない。でもそれで良いのかも)
冒頭、「よほど遠い過去のこと」と記述されていて、全編主人公町子の回想ということだけど、それもまた哀愁。かなり印象的、効果的な書き出しの一文だと思った。

「第七〜」と同時並行くらいで「国宝」を読んでいて、あちらは激動の人生で、読んでいて面白いと同時に疲労もあった。一方こちらの世界は割とカラッとして低空飛行。なんだかホッとした。どちらも面白いけど、自分の基本的な性格からしてみるとこちらの方に親近感が沸くのであった。(「国宝」もおすすめですよ!)

「第七官界彷徨」、この感じ何かに近いなと思っていたけど・・・マンガ「動物のお医者さん」かもしれない。これ好きな人は好きかもしれないな。あのマンガは物心ついた時には家にあったため、大変馴染みのある作品。今買い揃えてもいいと思えるくらい大好きです。(ちなみに「蟲師」も)

こういうつながりが見えてくると、棚貸し本屋とか興味が出てきちゃうけど、あれ、どうやって本を仕入れているのかしらん?やる、やらない、は置いておいて、今度とりあえず実際にそういう本屋さん行ってみよう。
そしてまた興味の対象が増えていくのであった。


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