光が強ければ影もまた濃い
インスタにコラージュをUPしました。
今回のテーマは
『国宝』吉田修一
でした。
極道の家に生まれながら歌舞伎の世界を進む主人公、喜久雄。
波乱万丈な人生を歩み、全く読者を飽きさせない。
終盤にむけて、孤独や哀しみの雪が降り積もっていけばいくほど舞台での美しさがより一層研ぎ澄まされていくその姿。
読了後も余韻が長く続いていて、ラストシーンのあともあの会場に観客とともに取り残されてしまったかのよう。
まばゆいスポットライトと、漆黒の闇は常に隣り合わせ。
芸にのみ生きる、芸にしか生きられない人生。
幸せなのか、不幸なのか。
それは他人が断言できるものではないけれど。
ラストシーン、せめて喜久雄の心が
穏やかなものであってほしい、
そう願わずにはいられない。
『No.37』
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