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塩麴を使ってみませんか?

塩麴って聞いたことがあるという程度の人が多く、スーパーなどで売っているのを見たことがあるという人は結構いるのかもしれません。

「でも、買ってもどうやって使うのか分からない」

という人が多いというのが実態のようです。

というわけで、微生物のことを勉強してきた経験を活かして、料理好きの私が塩麴でできることを解説させていただければと思い投稿することにしました。

麹とは?

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日本人に馴染みのある日本酒、醤油、味噌などの発酵食品において米や麦のでんぷんを糖化させる工程で使用されるのが麹と呼ばれるカビの仲間です。カビと言ってもお餅やパンの腐敗や不快なにおいを引き起こすカビとは異なり、大昔から日本の発酵食品の形成に大きく貢献している食歴があるカビですので食中毒の心配はありません(⌒∇⌒)

さて、麹と言えば甘酒、すなわち、でんぷんの糖化が有名ですが、脂肪やたんぱく質を分解する能力もありますので、たんぱく質と脂肪を大量に含む肉類の下処理にはもってこいの食材です。しかも、塩麴を作る段階で米麹に含まれている米のでんぷんが糖化されることによる甘味もありますので、塩分と糖分が加わった調味料としての役割もあります。

少し話がそれますが、熟成肉という高級食材がありますが、熟成肉はたんぱく質分解酵素を持つ微生物がブロック肉の周りに付着して肉のたんぱく質をアミノ酸に分解することで旨味がアップした肉のことです。たんぱく質分解酵素は微生物の細胞外に分泌されていますのでブロック肉の内部へと浸透していき肉のたんぱく質を外側から順番に旨味成分に変えていきます。もちろん、たんぱく質分解酵素以外の分泌物もありますので微生物が増殖している部分の肉を削ぎ取り内部だけを使うことになりますので、熟成肉は高くなってしまいます。

ところが、塩麴には熟成肉に付着する微生物と同じ能力があるわけですから、塩麴で下処理した肉類は旨味がアップするということになります。しかも、水に溶けない肉類の脂肪を水に溶けやすいリン脂質や脂肪酸に分解する能力もありますので、塩麴で下処理した肉は旨味がアップするだけでなく肉の脂肪をエネルギーとして利用する手助けもしてくれるというわけです。

熟成肉に付着させる微生物に比べるとたんぱく質を分解する能力は弱くなりますので巨大なブロック肉の分解には不向きかもしれませんが、家庭で食べる程度の肉類ならば薄いものなら15分から30分ローストビーフに使うようなブロック肉なら1時間から一晩で十分な旨味アップが期待できます。

さらに、肉が硬くなる原因である筋もたんぱく質ですし、筋肉繊維が集まって硬くなった部位を柔らかくする効果もありますので、悪い言い方をすれば、筋の多い安物の肉でも旨味がアップした柔らかい肉として食べることができるようになりますし、もともと柔らかい上等の肉はさらに旨味と柔らかさがアップした肉に変化してくれます。

塩麴はどうやって使うの?

塩麴にどういった効果があるのかはご理解いただけましたでしょうか?

効果が分かれば次は使い方ですが、使い方は至極簡単!

これから調理しようとする肉の表面に塩麴を塗り込んで一定時間おくだけです。このときに少し厚みのある肉ならばフォークを突き刺して肉の表面に穴をあけておくとたんぱく質分解酵素が内部まで入り込みますし、薄切り肉の場合はそのまま漬け込んおけば大丈夫です。

「えっ、それだけ?!」

と思われるかもしれませんが、慣れてくれば、塩麴で漬け込む際に、擦りおろしニンニクやショウガなどの薬味を好みで混ぜ込んだりすることも可能ですし、良質の肉や鶏の胸肉ならば15分ないし30分もつければ十分美味しくいただけるようになります。

以下に、塩麴を使った鶏ハムの作り方を載せておきますね。

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どうですか?誰でもできる簡単調理です。ちなみに、袋に入れて空気を追い出して低温加熱する調理方法は、真空低温調理といって肉の旨味を逃がさずに中まで最小限の熱を通す調理方法なんです。

剥がした皮の方は、フライパンで軽く焦げ目がつく程度に加熱して一口サイズにカットしたら、お酒のおつまみになります。

塩麴の入手は?

塩麴があれば誰でも簡単に鶏ハムが造れるというわけですが、塩麴はスーパーマーケットで販売されているものもありますし、ネットでも購入が可能です。

スーパーマーケット塩麴

ネットで販売されている塩麴の価格は、安いもので100g当たりの価格は200円程度のようですが、高いものでも100g当たり300円以下となっているようです。ただし、ネット通販で購入すると送料も必要になることがありますので、近所のスーパーマーケットで購入する方が良いのかもしれません。

近所のスーパーマーケットに行って価格を見てみましたが、内容量200gで200円程度なので、スーパーマーケットで購入する方が安くなりそうです。ちなみに、私の近所の最安値は、内容量1.5㎏で275円(税抜)でした。ただし、1.5㎏となると一般家庭では使い切れないかもしれませんね。

全てを購入して試したわけではありませんが、塩麴の善し悪しはたんぱく質の分解能力の善し悪し、すなわち、たんぱく質分解酵素の活性で決まると思いますので、「安い方が得」というわけでは無く、いろいろ試してみた方が良いと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

塩麴は一時期話題にはなりましたが、醤油や味噌とことなり馴染みが薄くて、それほど広く拡散されていないように感じられます。

今回は塩麴を使った鶏ハムをご紹介させていただきましたが、鶏だけでなく豚、牛の肉でも同じようにできますし、真空低温調理だけでなく焼いたり煮たりする時でも塩麴で下処理するだけで旨味がアップして、料理の腕のワンラックアップにもつながりますよ!

使う塩麴は市販のものを購入しても良いですが、自分でつくれば自分だけのオリジナル塩麴も作ることができます。麹から作るのは大変ですが、麹は生麹や乾燥麹という形でスーパーマーケットで簡単に入手できますので、それを使えば簡単に造ることができます。塩麴の造り方を書くと長くなってしまうので、塩麴の造り方は次回に回すことにします。

それと、塩麴を使った料理も、鶏ハムだけでなくいろいろレシピがあり、順次ご紹介させていただければと思っていますので、フォローの方もよろしくお願いします。

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