《後編》【体と心の性の"ちがい"から知る自分の見つけ方】”ちがい”を知ろう!ふむふむウェビナー #01
みなさん、こんにちは。「ふむふむ」です。
今回は2022年5月14日(土)20:00~21:30に開催された『【体と心の性の"ちがい"から知る自分の見つけ方】”ちがい”を知ろう!ふむふむウェビナー #01』のアーカイブ(文字起こし)の《後編》です!
《前編》はコチラ ↓↓↓
長年の片想いがついに実った、さくら先生!しかし通った大学は教師になるための学校ではなかったとのこと。では、ここからどんな経験を経て教師になられたのか。そしてさくら先生が考える”ちがい”のたのしみ方とは?
インタビュアーは【げんのすけ】、ゲストは【さくら】(※敬称略)です。
矯正から見つけた本来の自分
【げんのすけ】
今もう一つご質問がきたのですが、今まさにお答えいただいたところにも重なるのですが、≪大学院に行かれたのは、教員をめざされていたからですか、それとも何か別のビジョンがあったのですか?≫
【さくら】
その片思いをしていた人とお付き合いをして、その人が大学院に行くと言ったから私も行ったというに過ぎないですね。
【げんのすけ】
院までついて行ったということですね。
【さくら】
そうですね。授業とかは全然違ったんですけど。
【げんのすけ】
ちょっと…やっとほっこりというか、ちょっときゅんとなるお話が聴けて、僕もほっこりできたのですが、みなさんもひとつようやく救われる話が出てきたな、と思われているかもしれないですね。小学校のときの友だちは先生によって制止される、矯正させられるということだったのですが、中・高は友達はできたんですか?
【さくら】
それなりには…
【げんのすけ】
中・高一緒だった人と大学まで一緒について行って…で、さっき付き合ったっておっしゃってましたよね?
【さくら】
はい。
【げんのすけ】
おっ!
ここはものすごく興味がある部分なのですが(笑)
【さくら】
(笑)
【げんのすけ】
ご自身で、やっぱり自分は男性ではないんだと改めて思ったタイミングはどのタイミングですか?
【さくら】
やっぱりすごい違和感というか、このままではすごいしんどいなと感じたのは大学に入ってからですね。今までは中高6年間全く女性と接する機会がなかったのに、大学に入って女性と触れる機会があって、そのときに女性との波長の方がすごく合うと感じて、「私は6年間何をしてきたんだろう」という思いもあったし、その頃ちょうどインターネットが普及し出して、どういうキーワードかは忘れましたけど、そこで性同一性障害という言葉が出てきて、私だけじゃないんだって。「障がい」という名前はついてますけど、私だけじゃないと思えたのがすごく救いでした。
【げんのすけ】
年齢で言うと?
【さくら】
19歳のときですね。
【げんのすけ】
ということは、物心ついてから19歳になるまでの間は、自分の性別のこととかに疑問があったり、不安だったり、自分で男子校に通うことで矯正しようとしたけど、6年間頑張ったけどやっぱり無理で、大学に入って女性と触れることでやっぱり違和感を覚えて、最終的にはネットを通して、はじめて光が見えたような感覚なのですか?
【さくら】
そうですね。それまで小学校のときとかは、自分の事を話したら、絶対家を追い出されると思っていたので、お小遣いも全部貯金してて、いつ追い出されてもいいように資金にしていたのですが、それは自分だけじゃないんだということが分かって、それは安心につながりましたね。
【げんのすけ】
単純な感想で申し訳ないのですが、勉強をしっかりする上に、貯金をこつこつしてるなんて、何も理由を聞かずに聞いたら、ものすごい堅実な子じゃないですか。
【さくら】
そうですよ。
【げんのすけ】
親や周囲の大人からしたら、めちゃめちゃ誠実で、堅実な子どもだけれども、その裏にある理由が自分の将来やしたいことのため、というよりは追い出されないように貯金をすると考えたり、勉強も余計なことを言われなくて済むように頑張ったりとか…
【さくら】
生きていくために必要、と思いこむことで…
【げんのすけ】
結果論だけ見ていると、すごくいいこともいっぱいあると思うのですが、その裏にある理由まで改めて聞くと、そういう理由なのがちょっと苦しいな…と感じるところがあるのですが…
ひとつ質問が来ておりまして、先ほどの恋愛に関することに関連するのですが
≪質問です。好きな人ができたら、どのタイミングで自分のことを伝えますか?≫どのタイミングでカミングアウトするのかという難しい質問かと思いますが、大学の時にお付き合いされた方が初めてお付き合いをされた方になるのですよね?どのタイミングでカミングアウトをされましたか?
【さくら】
タイミングは…私が20歳になる2か月前ですね。
【げんのすけ】
ということは、ご自身で性同一性障害、トランスジェンダーなのだという答えがわかってから、それを伝えられた?
【さくら】
そうですね。で、そこから中学校3年生のときから同じクラスだったので、(彼と出会ってからは)5年とちょっと経ってから(のカミングアウト)ですね。
【げんのすけ】
ちなみに、この質問と通じるところがあると思うのですが、「好きです」と言ってからカミングアウトをしたんですか?カミングアウトをして自分が女性ということを認識してもらってから告白したんですか?
【さくら】
「好き」が先でしたね。
【げんのすけ】
お相手の反応はいかがでしたか?最初に「好き」と言ったときの?
【さくら】
最初に言ったときは、その方は「私(さくら先生)ならいい」という風に言ってくれたので、すごく安心しました。
【げんのすけ】
なるほど。その時は彼は人として見ているというのは大前提としてあるとは思うんですが、(さくら先生のことを)俗にいう「女性」として見ている訳ではないということですか?
【さくら】
最初はそうだと思います。
【げんのすけ】
お付き合いされてからジェンダーについてカミングアウトをされた?
【さくら】
はい。でも、ほぼ同時に近いかもしれないですね。
【げんのすけ】
ご質問いただき、ありがとうございます。
全てを諦めようとした時に見つけた「教師の道」
【げんのすけ】
好きな人ができて、好きな人を追いかけるようにして大学まで行き、ご自身のこともネットと性同一性障害という単語と出会うことによって、自分がひとりではないと分かり、子どもの頃に言われた「ばけもの」でもなく、自分が小さい頃から感じていた違和感というのは正解だったのだという安心感が得られたのかなと思うのですが、そしてお付き合いもできて…
大学・大学院の頃くらいが精神的には安定していたのでは?と思ったんですが、そうではなかった?
【さくら】
そうではないですね。そこから先の進路について、どう働いたらいいのかが全くイメージできなくて、どう働いても、当時はニューハーフの方々がTVに出ては笑われる、というのしか見たことがないし、そのような人が日常で働いている姿を目にすることもなく、私も大学・大学院を卒業したらそういうところで働くしかないんだろうなとずっと思っていました。
【げんのすけ】
それが先ほどおっしゃっていた、進路のときに…
【さくら】
そうですね。
【げんのすけ】
仕事は水商売しかないんだという…
【さくら】
どんだけいい大学にいっても、そうなんやろ(水商売しかない)と思っていましたね。
【げんのすけ】
進路のことは彼に相談はしましたか?
【さくら】
それは言えなかったですね。
【げんのすけ】
なるほど…。
ちなみに、ご自身のことが性同一性障害だと分かったと、いうなれば、女性になる方法がある、という答えを得ることができたのではないかと思うのですが、このまま男性の身体ではなく、手術をしたり名前を変えたりという方法が見えてきたのではなかと思うのですが、親御さんにはどのタイミングでカミングアウトをされてるんですか?
【さくら】
親には23歳のときに大学院の教授のところに(進路相談に)行く前にカミングアウトしましたね。
【げんのすけ】
ということは、大学院に入って、冒頭にあったように、カミングアウトを先生に親御さんも含めてして、「ばけもんやし、面倒見れませんよ」と言われているときに、親御さんはさくら先生のことを認識していらっしゃるということ?
【さくら】
そうですね。
【げんのすけ】
親御さんの反応はいかがでしたか?
【さくら】
親は、「知ってたよ」と。
私が幼稚園のときに、私は男の子なのに、なんでピンクの紙に両親の絵を描いているのかな?というところから、男の子は青い紙に書くことになっていたのに…そこから「うちの子は他のことは”ちがう”のかな」と感じていたみたいですね。
【げんのすけ】
さくら先生もやっとネットを通じて19歳の頃に答えにたどり着いたということろがあるように、親御さんもなかなか答えにたどり着けなかったのかな、というところがありますが、サクラ先生がカミングアウトをして、理解してからの大学院の先生の言葉は親御さん的には、どのようなリアクションをされていましたか?
【さくら】
そりゃあめっちゃ怒ってましたね。「なんなん?!」って。でも、私も教授に対していきなりカミングアウトをした訳ではなく、事前にメールを1通送っていて、「このようなカミングアウトをしたいんです」と。で、「ちゃんと理解しています」的な返事がきて、「お話しましょう」となっていたから親を連れて行って、私としては(事前のやりとりがあったから)安心して親を連れていったのに、「ばけもんや」と言われて、私も「なんなん?!」ってなりましたね。
【げんのすけ】
先ほどのさくら先生の言葉をお借りすると、幼稚園・小・中・高・大学と、どの教育現場でもことごとく「当たり」の先生に出会われている訳ですよね。
【さくら】
そうですね。
【げんのすけ】
でも、ご自身も大人になって、ご自身のことも把握して、好きな方とも一緒になって、大人になってから言われたことに対しての受け止め方は、子どもの頃とは変わりましたか?
【さくら】
大学の教授と言われる人たちに対して、勝手なイメージで人権感覚は高いのかなと思っていたのに、「やっぱりそうじゃないんだ」と肩透かしをくったというか、「こんな人でも教授になれるのか」と思いましたね。
【げんのすけ】
改めてやっぱり種類の違う教育者であっても、結局そうか…という、教育者に対しての不信感というか落胆というか…
【さくら】
「船は変わらん」と思いましたね。
【げんのすけ】
どこに言っても、「教育者とはこのようなもんなんだ」と。
【さくら】
そうですね。
【げんのすけ】
大学の教授に言われたというのがひとつあって、ただ、ご自身でも言われたように、自死されようとしたご経験もあったのに、それはできなかったということですかね?
【さくら】
そうですね。
【げんのすけ】
で、そこから教師になろうと思われてスイッチというか、巻き返しがすごいですね。
【さくら】
そうですね…う~ん…頑張りましたね。昔の私は(笑)
【げんのすけ】
いや、本当にそうですよ。
自殺しよう、終わらせてしまおう、と思ってからの「無理だ」と思ってから「教師」と思うまでは結構短かったですか?ひらめきのようなものだった?
【さくら】
そうですね。ひらめきに近かったですね。
【げんのすけ】
ご自身の将来のイメージは水商売だったのに、教師という道もあるという、自分でやりたいことの選択を取られているというイメージなのですが。
【さくら】
そうですね。自分と同じような子がいるのであれば力になりたいと思ったし、そこからは早かったですね。
【げんのすけ】
そこからまた教員になるための勉強をし直されて、教員免許も問題なく取得できて、教員採用試験にもパスして、そこは問題なくいけたんですか?
【さくら】
いや、そうではなくて…。
免許取得して、うちの実家が自営業をしているのですが、父が癌になって、私と母で営業を2年ほどして、そこから父が亡くなって、今は妹夫婦が継いでくれているので、私は教師の道をめざすことができたので、私が教師になったのは30歳になってからですね。
【げんのすけ】
本当に紆余曲折があって、一歩進んでは立ち止まり…というのを繰り返してきた運命だったのかなと思うのですが、教師になりたいというのが今までの過去の話を聞いていると、はじめてさくら先生の中で能動的に、主体的に取り組もうと思った大きい目標かなと感じているのですが
【さくら】
そうですね。
【げんのすけ】
じゃあ、折れずに最後には教師になられたということですね。
【さくら】
はい。
【げんのすけ】
実際教育現場で働くとなってからは、はじめて「先生」という立場で入る、大人になってから「先生」として同僚の「先生」に対峙していくことになると思うのですが、やっぱり「先生」は「先生」だな、と変わらないなという印象を持ちましたか?
【さくら】
一部はそうですかね(笑)先生も人間なんだな、という感じですね。
【げんのすけ】
教員免許はカミングアウトをされてから取っているんですよね?
【さくら】
そうですね。
【げんのすけ】
教員採用試験は面接があると思うのですが、問題はなかったですか?
【さくら】
私が受けた教員採用試験の面接で、「私は性同一性障害で、同じような子がいたら助けになりたい」という志望動機を話したら、面接官ははじめは性同一性障害の子がいたらどうしますか?という質問からはじまったのですが、だんだんエスカレートしていって、「あなたが教育現場に入ることで混乱が起きたらどうしますか?」と言われて。混乱がおきるのは一受験生である私に聴くのではなく、それは受け入れる側の問題ではないのですか?と思ったのですが、そうこうしているうちに面接は終わり、教員採用試験の結果は100点満点でいうところの22点しか点数がもらえなくて、もう下から2番目くらいの順位で落ちてましてね。
【げんのすけ】
今まで、ある意味何も落ちずに来ているじゃないですか?これが初めての「落ちる」という経験ですか?
【さくら】
はじめて落ちたのは、中学校3年生のときの英単語のテストで20点満点中18点合格というので17点で落ちました(笑)
その次の不合格経験ですね。
【げんのすけ】
これ…めちゃめちゃ問題ですよね。教師を採用する側の、教育委員会ですよね?
【さくら】
私も、そこなら信用していいだろうと期待を持って行ったのに、もう本当に絶望というか、「そこもそうなんや」という思いでしたね。
【げんのすけ】
小さい頃から教師にはずっと苦しめられてきて、教師を育てる組織である教育委員会に教師になるための第一関門でまた絶望を見せつけられる…それはどんな感じなんですか?
【さくら】
教師という現場が変わって、私みたいな人間を雇うまでに組織が変わるためには10年~20年かかるだろうなと思って、それでもまだ続けることに意味があるのではないかなと思って、続けられる限りは続けようと思いました。
しばらくは教員採用試験を受けなかったのですが、そっち(受けいれ側)が変わらないと、私独りの力ではどうしようもないわと思って。
【げんのすけ】
で、何年か経ってから改めて受けられたと。
【さくら】
そうですね。
【げんのすけ】
その時は、「あなたのせいで混乱がおきたら…」みたいないちゃもんみたいなものもつけられずに?
【さくら】
つけられませんでしたね。
逆に、模擬授業をした後の面接で、「いつもそんな素晴らしい授業をしていらっしゃるのですか?」みたいな、めちゃくちゃテンションあがって、この人私のことを「先生」呼ばわりするんや…みたいな、逆にそういう扱いにびっくりしましたね。普通の授業しただけなのに…
【げんのすけ】
ずっと自己肯定感をへし折られ、頑張っても、原因が無いことでもへし折られ…という、ずっと逆境の波を超え続けて人生を歩んで来られていると思うのですが、はじめて「すごいですね」と認められるというか、そういう環境におかれたとき、どのようなお気持ちでしたか?
【さくら】
いや、逆に恐い、恐い、ですね。
【げんのすけ】
そうか…やっぱりすっと受け入れることができない…
【さくら】
この人は裏で何を考えているんだろう?と、素直に受け入れられなかったですね。
【げんのすけ】
今はどうですか?採用されてからは。
【さくら】
採用されてからは7年めですね。
【げんのすけ】
採用試験は通らなかったけど、その間現場で非常勤とかで働いておられた?
【さくら】
非常勤1年、常勤3年です。
【げんのすけ】
採用試験に受かってから今は教諭として働いておられると思うんですが、自己肯定感については変化はありましたか?
【さくら】
いや、低いままですね。幼い頃に受けたものは治らないのだな、とすごく思います。でも、それに負けていては話にならないので、じゃあこれがんばろ、あれがんばろと思いながらごまかしている感じですね。
【げんのすけ】
ある意味過去のご経験がおありなので、自己肯定感が低いのだな、という自己分析はできておられる?
【さくら】
それもありますが、TVでニューハーフが笑い者にされたり、社会全体がそういう人を笑ってもよいと思っていたということがしんどかったのだなと、今は私なりに分析しています。
【げんのすけ】
人は強くもあれるし、弱くもなるし、いろいろな人のお話を聞いていて思うのですが、決して「さくら先生が強かったからですよね」とは片づけられないと思うのですが。
【さくら】
メンタルはめっちゃ弱いですよ。毎日泣いています(笑)
【げんのすけ】
泣かんといてくださいよ。(笑)
ご自身が強かったからという訳ではなく、いろいろ傷ついているがゆえに、そうすることで生き残ってきたというか、そういう部分が今の「教師」さくら先生を作ってきたのかなと思いました。
実はこのウェビナーをするにあたって、事前にサクラ先生に2度ほどインタビューをしているのですよね。本当は他にも濃厚なお話をたくさんうかがっているのですが、今すべてをシェアできませんが、ご意見・ご感想及びご質問が来ているので、こちらを伺っていきたいと思います。
【げんのすけ】
まず、ご意見・ご感想です。
≪私も教育現場にいますが、LGBTQに対して否定的なご意見をお持ちの先生がたくさんいらっしゃると感じています。≫というものですが、いかがですか?
【さくら】
いると思います。めちゃくちゃ。講師としていろんな学校に60~70校ほど行っているのですが、「うちの学校には(当事者は)いないです」と言い切ってしまう先生が多いことに驚きます。いるという前提で見ていかないといけないのに、そういう視点も持つことなく、「いない」って言い切ってしまうんだと本当にびっくりします。
【げんのすけ】
「ふむふむ」という名前になってからウェビナーを含めて初めてみなさまにサービスをご提供しているのですが、僕個人としては去年大阪府立高校2校に行って体験型ワークショップなどを教員研修でさせてもらったのですが、さくら先生と同様に「うちの学校にはいないです」という先生に僕自身もお会いしましたね。
もちろん、それが絶対的にだめな意見だという訳ではないのですが、「まだそこなのか」と。「もしかしたらいるかもな?」という視点を持っていただきたいな、そういう風にしていきたいなと思って僕も活動しますし、さくら先生もご講演等されていると思うのですが…
ご意見・ご感想ありがとうございます。
さくら先生にとっての”ちがい”って?
【げんのすけ】
これが最後のご質問です。
≪さくら先生にとって今一番伝えたいことは何ですか?≫
また、併せて僕からも質問です。
≪さくら先生にとって、いろいろな”ちがい”で悩んだり考えたり、それを今は強みに変えていこうと模索していらっしゃる段階だと思うのですが、さくら先生にとって”ちがい”をたのしむコツがあればお伺いしたいと思います。≫
【さくら】
ちがいで思い悩むのはすごくしんどいですよね。だから、ちがいを乗り越えようというのではなく、ちがいを認めるというのは難しいですが、それとどう付き合っていくのかが大事なのではないかな、と思っています。人間は「乗り越える」という言葉をすごく使いたがりますが、私自身は乗り越えたという感覚は一切なくて、うまく付き合えるようになったなと思えたのが30代に入ってからなので、今の若い人たちには、長く生きてみたらいいこともあるんじゃないの?と思うし、生徒にもそのように言っていますね。
【げんのすけ】
今さくら先生が見ていらっしゃる方に一番伝えたいことは何ですか?
【さくら】
私自身は種を蒔き続けているとずっと思っていて、その種が芽吹くかどうかはわからないですが、それをし続けないと社会は変わらないと思っていて、子どもたちが大きくなって社会を担うようになってはじめて芽吹くのでもいいし、他の人も何か伝えたいことがあるのであれば、諦めずにずっと種を蒔き続けてほしいなと思っています。
【げんのすけ】
ありがとうございます。
まだまだお伝えしきれていないこと、お伝えしたいこともたくさんあるのですが、みなさまにも「ふむふむ」と思っていただけるお話が提供できたのであれば嬉しいです。
【げんのすけ】
さくら先生、改めて本日はありがとうございました。
【さくら】
ありがとうございました。
《後編》は以上となります。いかがでしたでしょうか?
ここからは、ウェビナー終了後のアンケートをとおして、みなさまにいただいたご質問のお答えをズバリ!さくら先生にうかがいましたので、こちらも併せてご覧ください!
《アンケートでいただいたご質問&さくら先生からいただいたご回答》
※いただいたご回答は原文ママで掲載させていただいております。
Q1.理不尽なことを言われたり、されたときなど、どうやってストレス発散なさっていますか?とても大変な環境&状況で、どんな方法で?どんな場所で?勉強に集中できたのでしょうか?
A1.昔の私のストレス発散方法について考えてみましたが、昔置かれていた環境だと常にストレスがかかっていた状態だったのでストレス発散方法について考えていなかった(考えられなった?)のが正直なところです。常にストレス下にあったので「ストレスって何?」って言いながらストレスを感じ続けていたなぁと今になったら思いますが…。そりゃずっとストレスに晒されて生きていたらどっかで心身に不調をきたして当たり前ですよね…。そんな中で勉強していたのは現実から逃げるためでした。勉強している間は余計なこと考えずにすみますし…。自分のことでしんどくなる→勉強に逃げる→勉強に疲れて余計なこと考えてしんどくなる→勉強に逃げる→…のループでしたね。
今でこそストレスを自覚して発散するようにしてますが…現実逃避の一手段が勉強だったというだけで集中できたわけではなかったです。自分のことがなければ勉強にもっと集中できたかもしれませんし、できなかったかもしれません。
Q2.好きな本や曲名&歌手名を教えていただけないでしょうか?
A2.あんまり本は読まないのです…。学術書的なものか漫画しか読まないという偏りっぷりです…。読む漫画のジャンルとかも多岐にわたっているのでオススメとかを他の人に教えられなかったりします。
曲のほうは基本的にはアニソンが好きです。マクロス系、アクエリオン系の音楽は好きすぎます!
歌手はアニソンと言っておきながらRADWIMPSが好きです。特に好きなのは「正解」で、卒業の歌で歌われたときなんか感動でした!
Q3.以前から感じていたのですが、性同一性障害・トランスジェンダーではない人の事を「ノーマル」と表すのに抵抗があります。 私は性同一性障害やトランスジェンダーではありませんが、自分を「ノーマル」と言えるのか?自分を「ノーマル」と言う事は、当事者に対して失礼では……と考えると、躊躇してしまいます。 他に良い呼び方はないでしょうか?
A3.「ノーマル」の基準って自分でしかないので難しい言葉ですよね。私からしたら私はノーマルですが他からしたら違うっていうのは常々モヤモヤしてます。かといって違う言葉で表そうとしたら「シス(ジェンダー)ヘテロ(セクシュアル)」とかしか言いようがないですし。まあ、個人的には呼び方なんかはどうでもよくて、みんなそれぞれがお互いを尊重して受け入れられるのがノーマルならいいなーという精神でいます。言葉一つ一つにモヤモヤしてたり、傷ついていたらトランスとして生きるにはきつすぎますのでね…。いい呼び方をみんなで一緒に考えられるようになりたいものです。
Q4.一部の人ですが、ファッションとして「ジェンダーレス」を使う人がおり、これは大丈夫なのか、当事者から見たら不快にならないだろうかと、危惧する時があります。 メイクをしているだけで「ジェンダーレス男子」とか、雑誌のメンズライクなコーディネート特集に「私たち、ジェンダーレス女子!」など……もはや流行語の域だなと感じていました。 ジェンダーに関する問題に対して意識を向ける取っ掛かりになるのなら、若い世代の間で流行りになるのもアリだと、許容するべきでしょうか? どうもモヤモヤしてしまいます……。
A4.制服のジェンダーレス化が進んでて、LGBT向け制服ができたとかいう記事を見たら不快には思いますね…。制服にこだわるのって「LGB」ではなく「T」だろうと…。誤解を招く表現やめてと…。ファッションとしてかどうか置いといて、ジェンダーレス化がLGBTのためみたいなのはどうなんだろうと思います。トランスなんか性別にバリバリこだわるから戸籍まで変えてるんですが…(笑) まあファッションなら自分でそれを楽しめたらいいと思ってますので、他者を不快にしない(女装することで笑いを取りにいかないような)レベルならそれでいいんじゃないでしょうか?
さて!さくら先生とのウェビナー《前編》《後編》《ご質問&ご回答》いかがでしたでしょうか?
さくら先生の数々の経験のなかから得られた「”ちがい”を乗り越えようというのではなく、”ちがい”を認め、それらとどう付き合っていくのかが大事」という想い、さらにそこから見いだした、「種を蒔き続ける」という【教師さくら】としての役割。
ひとつひとつのお言葉にハッとしたり、考えさせられたり、また反省したり…。みなさんはどのように感じられましたでしょうか?
最後に、今回ゲストとしてウェビナーにご出演くださったさくら先生、改めて本当にありがとうございました。
また、ご参加いただいたみなさま、そしてこの記事をお読みくださったみなさまもありがとうございました。
また次回のウェビナーでお会いしましょう^^♪
ウェビナーを見てみたい!と思ってくださったそこのアナタ!
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